司Jが何故か最近フレンドリーだ。
上司Jは社内で、いっとうパソコンを信じられない男であり、私に「データを盗んだりしてないだろうな」なんてつまらぬ疑いを掛けてきた人である。今まではクソジジイと書いていたが、読んだ感じが美しくないので、これからはジジイのJをとって上司Jと呼ぶことにした。
今まで目の敵のようにされていたのが、最近は、ヨイショされているような雰囲気さえある。誉め殺しなのか? 私は方針がコロコロ変る人って信じられないし、だいたいヨイショしてもらったからって、相手のことを好きになれる訳ぢゃないので、ありがた迷惑もいいところなのだが。仕事の面で認めてくれるのは嬉しいことだし、チェックを入れてくれるのは構わない。社員の前で、誉めてくれるのもいい。しかし上司Jとプライベートな話はしたくないのだ。
「通勤時間はどれくらいかかるのか?」「何時に家を出るのか?」「お弁当のオカズは野菜ばかりだが『ステーキを食べに行こう』と誘ったら付いてくるのか?」「白蓮さんは私のように太っていないから、暑さは感じないんじゃないか?」「日傘は持ってきているのか?」とまぁ、毎日、どうでもいい質問をされたり、妙なところをチェックされたりしている。
先日など仕事中、なんの前ふりもなしに「白蓮さんはクリスチャンですか?」と聞かれた。だとしたら、なんなんですか? 踏み絵でもさせるつもれですか?
上司Jの前に限らず、会社で宗教の話なんてしたことはない。したとしても「この週末は家族で高野山へお参りに行かなきゃいけないんですよ」ってなレベルだ。よほど私がクリスチャンのように見えるような出来事でもあったのか? だいたい会社で宗教ネタはタブーじゃないのか? ましてや他人の宗教を面と向かって聞くなんて失礼じゃないのか? 色々と突っ込みたいところではあったが「いいえ。違います」とだけ答えた。
おかげで、ますます私は上司Jが嫌になった。
今のところ、性的なニュアンスでの接触はないので、そっち方面の心配はなさそうだが「つきあいはじめたカップルじゃないんだから」というようなノリなのだ。上司Jって言っちゃぁなんだが常識のない人のように思う。たしか会社内で同僚や上司とプライベートな話をすることはある。しかし、それはあくまでの「会話の流れの中」でのものであって、唐突に、かつ一方的に質問されるとなると、ニュアンスが違ってくるではないか。
年配者だからって常識があるとは限らないよなぁ……なんてことを思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。