+++恋の味+++



 するめとわたし。

わたしは、するめらしい。

彼がそう言った。


「ユキって、するめだよね〜」
  ・・・なんのことやら。

どうやら、時間が経つほど味が出るということらしい。
長く付き合うほど、忘れられなくなるって。

ふむふむ。
目論見どおり?(爆)



最初の頃、
「私のことを好きにさせる」とは思っていなかったけど、
「忘れられない女になってやる」と思ってた。

とんでもないわがままなんだけれどね、
今じゃとてもそう思えないのだけど。

その頃、「恋」が必要なかったわたしたち。
「恋」でなくても、ひとつ彼の中に残しておきたいと思った。
それが何であってもいいのだけれど、
けれど、その時あったものはエッチだけで、
「エッチで忘れられない女になってやろう」
と思っていた。



彼の「初めて」を一緒にした。

車のなか とか、
外で とか、
しばられたり とか。

随分、いろんなことをしてみた気がする。

ひとつひとつ彼が興味を示すものをクリアしていった。
どうしても、嫌なものはパスしたけれど。


意識して比べなくても、
無意識で比べてしまう領域はある。

『過去の女』ではなく、
確実に、今現在比べられる相手がいる。

意地とか見得とかそんな部分で、負けたくないと思った。
全ては勝たなくていい、
オクサンである領域は、全部負けてもいい。
でも、ひとつだけ、忘れられない、
彼の中で一番の女になってやろう。


そう思い、
それがいつしか裏目に出て、彼は恋に落ちた。
ついつい、わたしもほだされてしまった。

そして、今にいたっている。


2002年03月21日(木)
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