+++恋の味+++



 さいしょに。

皆さん、はじめまして。

私と彼は9歳ちがいの普通のカップル。
でも、ちょっとだけ普通と違ったのは、
彼は、実は、

既婚者なんです。

 
「ふりん」なんて、よくある話だけれど、
でも、「ふりんしてるよ」って話ってなかなか聞かない。

私も当然、
親にも、兄弟にも、会社にも、友達にもナイショです。

「ふりんなんて…」

って、言われるけど、でも、恋してるのはみんなと一緒。
毎日、楽しいことも、悲しいこともいっぱいあります。

だけど、ナイショの恋なので、
みんなにお話しすることも、相談することもできません。

だって、ナイショなんだもんっ。

いいことじゃないってのは、わかってる。
後ろ指さされても、しょうがないって思うけど、
だからって、やめられない。

だって好きなんだもん。

やめられないから、恋なんだもん。

 
* * * * * * * *

「好きなんだけど、みんなに言えない…」

ここは、そんなナイショのお話しができる場所にしたいのです。

2001年10月05日(金)



 うれしいこと ++遠出ができるとき++

せっかく登録したところだけど、土曜日の夜と日曜日はお休み。
なぜって・・・

彼とデートだから!

彼と会うのは2週間ぶり。
2週間会えなくて寂しいなぁ・・・って思いながらも、
どこかウキウキしていたのは、明日から、
2日間も一緒にいられるから。

会えない2週間の間、
「どこいこうか?」って毎日言い会って、
でも、結局直前まで行く場所を決めなかったのは、
「どこいこうか?」
って2人で楽しみにしてる時間が楽しかったから。

今回は、ちょっと遠出ができるから、
手をつないで歩けるかな?

遠出をするときの楽しみは、
ずっといられること。
一緒に抱きあったまま眠れること。
目が覚めたときに、いつでも彼がいること。

それから、
手をつないで歩けること。

遠出をしなくても、彼とは一緒に眠れるけれど、
遠出をしないと、昼間の人通りのある道では
手がつなげない。
キスをして一緒に眠るときよりも、
手をつないで歩いた方が、
たくさん「彼のことがスキなんだ」って気づく。
胸の中から、ホワホワした気持ちが浮かんで、
どこかとんでっちゃいそうな気がする。
本当は、地面から浮いてるんじゃない?って
足元を確認する。

立ち止まった私を、彼の手が、引く。
それでまた、私は嬉しくなっちゃうのだ。

待ち合わせは、明日の夜。
だから、明日は手がつなげないかな?
だけど、あさっては、一緒に歩けるね。
少し寒いくらいがいいな。
手が暖かいのが嬉しいから。
少し寒い格好していこうかな?

 
月曜日には、楽しかった休日を報告できますように…

2001年10月06日(土)



 「お別れ」が前提

2週間ぶりに彼に会いました。
会えない2週間は長く、一緒にいた2日間はあっという間。
いつもより長く一緒にいられた週末は特別で、
だけど、その分けんかもしました。
一緒に手をつないで歩くこともできたし、
混浴温泉にも行ってきました。
今すぐ報告したい気持ちもあるのだけれど、
まだ気持ちがいっぱいいっぱいなので、その話はまた後日。

彼に会わずにいた2週間の間に、友達が日記HPを公開して書き始めました。
友達の日記はたわいもない恋人たちの日常を書いたもので、おのろけ話だったり、まじめに妊娠を語っていたりするのだけど、最初は楽しかったそのページも、すぐに読むのが辛くなって、「彼に会うまでは読まないようにしよう」と決めました。
彼に会えば元気になれるから、その後なら読めるのだけど。

そこにある、恋人だったら普通に交わしているような、
「ずっといっしょにいようね」
「はなさないよ」
「好き。愛してる」
って言葉全部が私を落ち込ませました。

それは、
当たり前にある「未来」が私たちにはないから。

「略奪愛」なんて言葉もあるけれど、
私たちはお互いにそれを望んでいない。
彼がとても子どもを大切にしているのを知っているし、
その子どもたちには、
「母親」も、「父親」もかけがえのないもので、
私が変わりになれるわけもない。

彼に会い始めた頃にした約束。それは、
「片方が本気になったら、会うのを止めること」
「家庭を大切にすること」
「避妊をきちんとすること」

どれも、お互いに傷つかないようにするために、
決めたこと。
始めた最初はお互い『遊び』で
長く続けるつもりなんてちっともなかった。
少しでも長く一緒にいたいと思うようになった今でも、
彼には家族を大切にして欲しいと思っている。
私たちは
「お別れ」を前提におつき合いしているのだ。

「いつまで続くのかなぁ…」って思ったり、
「もうやめたい」って思ったり。

もちろん、彼のことは大好きだから、
「ずっと一緒にいたい」
と願うけれど。

ずっと一緒にいられないことは、最初から知っていた。

彼が私に「好き」って言い始めた時も、
「彼のことが好きなのかな?」って思い始めた時も、
「好きなんだ」って自覚した時も。

ずっと、
「2人でいる未来」
がないことは知っていたけれど、
「もうやめよう」と思うたびに、
あるはずもないような「もしかして」が、あるような気がして
「さよなら」が言い出せないまま。

だけど、私たちの先には、いつか「さよなら」があって、
彼と交わって一緒に歩いた時間も、
いつか「思い出」にしなくちゃいけない。

「好き」って言葉を言われるたび、
身体が震えて、泣き出したいような「嬉しい」と一緒に、
いつだって、「言わないで」って思っている。

これ以上好きになりたくないのに。

お互いに相手を好きになるだけ、「さよなら」も大きくなる。

それは、最初から知っていたはずだけど。
傾き始めた気持ちは止まらなくて、
でも、未来は変えられるはずもない。
いつだって、「さよなら」が前提の関係だから、
「ずっと一緒にいようね」
「はなさないよ」
「好き、愛してる」
全部の言葉がそのまま、言葉のままに受け止められる関係がとても羨ましい。

私の伝えることができない「好き」を伝える場所として、
暗い内容が多くなってしまうかもしれないけど、
同じ思いをしている人が一人でも読んでくれればいいな。
と思って、この日記を書くことにしたのです。

2001年10月08日(月)



 私と彼のあいだ ++大切にしたいもの++

私と彼のあいだ

私と彼のあいだには、
たくさんのものがつまっている。

抱きしめると、
押しつぶされて、押し出されて、

私たちは抱きしめあうことができるけど、

水の中で抱きあうみたいに、
まとわりつく全てはなくならない。

少しでもたくさん触れあいたくて、
他のものなんて、忘れてしまいたくて
強く、抱きしめる。
抱きしめられる。

彼だけを感じられる自分になりたくて、

私だけを感じて欲しくて、

抱きあって、
感じあって、
お互いに、追いつめあう。


めざした先にあるのは、

彼と、わたし。


たくさんの感情と
お互いの熱さだけ。



 * * *





私と彼のあいだには
とてもたくさんのものがあります。
それは、家族や、友達だったり、
仕事や時間だったりします。

でも、真ん中にあるのは、
“彼を好きなきもち”です。

私は、
“好きなきもち”だけ持って、
彼に会います。

彼に触れます。

彼は、
“私を好きなきもち”だけ持って、
私を抱きしめます。

私たちのあいだにあるものは、
その時だけ、
私たちのあいだから押し出されて、
お互いだけを見ていられます。

お互いだけを感じて、
お互いだけを抱きしめます。


そのときが過ぎてしまえば、
また、たくさんのものに囲まれて、
たくさんのものを抱えて、
“好きなきもち”を真ん中にしまいます。

本当は彼の生活の中にも、
居場所を探してしまいたくなるけど、
生活の中ではネットの私だけ。

彼が生活するのは、
彼の子どもと、奥さんと一緒の場所。

私は、私の場所。


もし、彼とネットでなく知り合ったら、
今の関係にはならなかった。
もし、彼に奥さんがいなかったら、
会ったとしても、すぐに別れただろう。

彼の全部を好きで、
彼の全部を愛しいと思う。

かれの抱える全部を、大切にしたい。

だから、
私は、私の場所で、
彼に抱きしめられるために、
“好きなきもち” を持って彼に会いに行く。


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2001年10月12日(金)



 ふりんでオトクなこと。

久しぶりにお友達と恋のお話をしました。
彼と一緒にいるのも楽しいけど、
やっぱね、それだけじゃつまんない。

お友達とお話して、きゃあきゃあ言ったり、
一緒に悲しくなったり、
そういうのも、恋の醍醐味。

同情されたりとか、
非難されたりとか、
やめなって言われたりとか。

そういうのは、覚悟してるけど、
でもやっぱり怖いよね。
大切な友達だから、余計にいえないのかも。

だから、この日記はお友達にはナイショ。

だけど、一人だけ教えた人がいる。
彼女はネットで知り合ったお友達。
私の彼のことも知ってる、
私たちより、4つ年齢差がある年上の彼がいるお友達。

彼女は「がんばってね」とか、「やめろ」とか言わない。
本当なら自分の隠しておきたいような話も、してくれる。
だからきっと、何でも話せるんだね。


 * * *


私と彼は普通の恋人同士だけど、
やっぱり、普通とはちょっと違う。

彼が結婚していて良かったって思えることも、
結婚していなかったらいいのにって思えることも、
たくさんある。
結婚していて良かった・・・って言うよりは、
結婚していたから気づけたこと、かな?

・・・・
「あなたの貯金度テスト」っていうのをやったとき、
彼の貯金度は、20%。
普通なら、「20%しかない・・・」っておもわない?
けど、彼は「20%もある・・・」って言った。
経済観念が希薄というか、浪費家?(笑)
とりあえず、金銭感覚は庶民だと思うけど。

私は、恋愛の延長上に結婚があると思っているから、
経済観念の薄い人とは、おつきあいすらしなかったかも。
でも彼は結婚してるから、
とりあえずそこは奥さんの管轄。
私は、気にしなくていいもんね。

彼が料理が作れなくても、
洗い物以外の家事ができなくても、
そういうのは、気にしなくていい(笑)

普通は、気にならないのかな?
でも、私は気になるんだよね。
経済観念がしっかりしてないと、お金で苦労するし、
(私の父がそうでした(笑))
家事を手伝ってくれないと、疲れるもの。
(私の父が・・・(笑))


・・・・
手をつないで歩くのも、道端でキスするのも、
彼が結婚してなかったら、
普通にしてたんだろうな。

遠出したときは、手をつないでくれる。
物かげなら、キスもしてくれる。

いつもできないのは、寂しいけど、
でもその分、そのときが楽しみで、
手をつないでいられるのが嬉しい。

嬉しい気持ちは、
きっと、いつでも手をつないで歩ける人たちより、
ずっと大きいよね。
いつでも手をつないで歩ける人たちよりもずっと、
手をつないで歩けることがすごいことだって、
知っていられるよね。

手をつないでいるだけで、
こんなにシアワセになれるのって、
きっと彼が結婚してなきゃ知らなかった。


寂しいのも、楽しいのも、嬉しいのも、
全部今の彼だから、知ることができた。

そう考えると、
彼が結婚しているのだって、
悪いことばかりじゃない気がしてくるのだ。


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2001年10月13日(土)



 あいしてる。 ++言葉++

今日は彼とデートでした。

つらい気持ちを言いたくて、
この日記を綴ろうと決めたのですが、
その効果はあったのかしら?

それとも、
「あいしてる」って言わされたせいかしら?

「彼のことが好きだ」と言うことに対して、
色々なふっきれてしまったようです。
ずいぶんと、気が楽になりました。

これは良くない傾向かしら?(笑)


・・・・
彼のことを好きだと認めたくなくて、
抵抗して、もがいていたころ、
彼は私に、
「好きだ」
と言わせるのが目標のようでした。
「好き」と言わせた後は、
「あいしてる」
って言わせるのが目標でした。

私にその言葉を言わそうと、
彼は色々といじわるをします。

私は彼に、
「好きだ」
って言いたくなかったし、
「あいしてる」
って言いたくなかった。

けど、言いたくなかっただけで、
本当は「好き」だし、
「あいしてる」

先週、いろいろいじわるをされた結果、
ついに言わされてしまいました。

今日も、言いたくなくて、
いろいろと抵抗を試みましたが、
言わされてしまいました。

「あいしてる」


その言葉を聞くと、
それだけで身体の中から、
ホワホワしたものがこみ上げてきます。
あったかくなります。

その言葉を言うと
それだけで、
“飛んで”しまいます。


・・・・

私たちの関係は、
本当はそれだけじゃダメなのはわかってる。
けど、今日は考えないことにしました。

来週は会えないそうです。
「さみしい?」  って聞かれたけど、
「さみしくないよ」って答えました。

今はまだ、ホワホワしているからです。
さみしいのは、来週になったら考えます。




 * * * *

今日は、「ぬるぬるの入浴剤」を使いました。
入れるとお湯がジェル状になる入浴剤です。
・・・いいかも(笑)
まるで、ローション風呂のようでした。
また、買っておこうと思いました。

ホテルを出てから、
夜景のきれいな公園に行きました。
駐車場がたくさんあって、人が少ないので、
車でエッチしてても平気(笑)
で、なだれこんだのですが、
オバさんが見ていました(爆)

運転席のシートを倒して寝た彼の上に、
私がすわった格好で、
2人とも上半身は服をきたまま、
私はスカートもはいたままだったのでした。
で、終わって、
ふ・・・と見たら、

オバさんが!!!(爆)

覗き込んでいました(笑)
びっくり!(笑)
・・・まぁ、いっか(笑)

きっと、あのオバさん、
今日は興奮しちゃって、
ダンナと盛り上がってることでしょう。



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2001年10月14日(日)



 恋愛って、ナニ?

今日は友達の結婚お祝いを買いに行きました。
結婚するお友達と、私と、もう1人の3人。
結婚するお友達の家に行ったら、
彼も一緒にいてびっくり(笑)
その子の家で、お昼を食べて、
その後友達の彼だけを家に残し、
3人でお買い物をしました。

みんな時間がなかなか合わなくて、
一緒に遊ぶことはなかなかできません。
私が彼のことを好きになってから、
彼女たちに会うのは、2・3回目だったかな?
彼女たちは、
私が彼と会ったことがあるのは知っているけど、
それだけだと思っているはず。
私が、彼を好きになったことは、知りません。

実は、彼女たちに会うまで、
「結婚前の幸せそうなお友達を見て、
落ち込むんじゃないかな?」

って、思っていたんですが、杞憂だったみたい。

全く、全然落ち込みませんでした。


「私は、彼と結婚したいわけじゃない」
そう思っているけどね。

そう思っていても、
心は自分が思うほど器用じゃないから、
ひょっとしたら、結婚前のお友達を見たら
落ち込むんじゃないかと思ってたんです。

彼との“結婚”は望んでいないけど、
何かのはずみに考えたこともないの?って言われると、
考えたことはあるから。

それは、夢に見たことだったり、
私が想い描いたことだったりします。

夢ってほとんど覚えてないんですけど、
でも、めずらしくその夢は覚えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼と、奥さんと子どもたち。
お腹が大きくなった私。
私は、彼の家にも出入りしていて、
奥さんも、私のことは黙認みたい。
ありえるはずもない状況なんだけど、
不思議と現実感のある夢。

・・・なんでだろ?
目覚めたときはシアワセでした(爆)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから、
「あかちゃん出来たの」って、言う夢。
夢の中の彼は喜んでいました(笑)

・・・私、よっぽど赤ちゃんが欲しいのね(爆)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから、
「一緒に暮らしたら楽しいだろうね」って言う、
彼の言葉。

ホテルで一緒にご飯を食べているときとか、
スーパーで買い物をしたときとか
(他の友達も一緒だったけど)、
彼が奥さんとケンカしたことを知ったときとか。

きっかけはふとしたことだけど、
「一緒に暮したら・・・」
「結婚・・・」
って、考えることはある。

考えるだけ、無駄ってわかっていても、
考えちゃうよね。


“恋愛”ってしなくても、生きていける。
なくても生きていけるけど、
“恋愛”を知ってしまうと、
それがない人生って、すごく味気ない。

例えば“香り”。
生活の中で“香り”って、なくても平気。
平気だけど、森の香りとか、
雨の香りとか、花の香りとか、お菓子の香りとか、
それがあることを知っていると、
それがないと生活が寂しい。
それがないと、なんだか、
お散歩するのも、ご飯を食べるのも、
全部が味気なくなっちゃう。

部屋にお花を飾ったりとか、
いい香りの紅茶を入れたりとか、
かわいい傘をさがしたりとか、
会社を休んでゆっくりお昼寝してみたりとか、

無駄なようでいて、それがあると楽しくなる。
なくても平気なものなのに、
知ってしまったら、それがないと楽しくなくなっちゃう。
それがあるだけで、自分が潤っているような気がする。

“恋愛”って、そんなもの。


なんだか冷静に考えると、
“無駄なこと”のような気がする。
なくてもいいものなのにね。
なくてもいいのに、それがいきがいみたいに、
自分の中心になっちゃう。

そうやって、彼は私の中心にいる。
冷静に考えると、無駄な気がするのに。
この気持ちを手放すことは考えられない。


本当は私の恋も、
続けていくには色んな選択肢がある。
けど、私が方向を自分で決めちゃっている。
楽な選択なのか、バカな選択なのか
今は全然わからないけどね。

“結婚”はそんな選択肢の一つなのだ。
私が選ばないって決めた。


だから、結婚する友達をみても、
羨ましいって思わなかったのかな?
それとも、実感がわかなかっただけかな?
・・・ひょっとして、
昨日彼に会ってご機嫌なせいかな?(笑)

考えてもしょうがないことだけどね。



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2001年10月15日(月)
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