+++恋の味+++



 私と彼のあいだ ++大切にしたいもの++

私と彼のあいだ

私と彼のあいだには、
たくさんのものがつまっている。

抱きしめると、
押しつぶされて、押し出されて、

私たちは抱きしめあうことができるけど、

水の中で抱きあうみたいに、
まとわりつく全てはなくならない。

少しでもたくさん触れあいたくて、
他のものなんて、忘れてしまいたくて
強く、抱きしめる。
抱きしめられる。

彼だけを感じられる自分になりたくて、

私だけを感じて欲しくて、

抱きあって、
感じあって、
お互いに、追いつめあう。


めざした先にあるのは、

彼と、わたし。


たくさんの感情と
お互いの熱さだけ。



 * * *





私と彼のあいだには
とてもたくさんのものがあります。
それは、家族や、友達だったり、
仕事や時間だったりします。

でも、真ん中にあるのは、
“彼を好きなきもち”です。

私は、
“好きなきもち”だけ持って、
彼に会います。

彼に触れます。

彼は、
“私を好きなきもち”だけ持って、
私を抱きしめます。

私たちのあいだにあるものは、
その時だけ、
私たちのあいだから押し出されて、
お互いだけを見ていられます。

お互いだけを感じて、
お互いだけを抱きしめます。


そのときが過ぎてしまえば、
また、たくさんのものに囲まれて、
たくさんのものを抱えて、
“好きなきもち”を真ん中にしまいます。

本当は彼の生活の中にも、
居場所を探してしまいたくなるけど、
生活の中ではネットの私だけ。

彼が生活するのは、
彼の子どもと、奥さんと一緒の場所。

私は、私の場所。


もし、彼とネットでなく知り合ったら、
今の関係にはならなかった。
もし、彼に奥さんがいなかったら、
会ったとしても、すぐに別れただろう。

彼の全部を好きで、
彼の全部を愛しいと思う。

かれの抱える全部を、大切にしたい。

だから、
私は、私の場所で、
彼に抱きしめられるために、
“好きなきもち” を持って彼に会いに行く。


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2001年10月12日(金)
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