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2026年05月25日(月)
米原万里まつりあれこれ

本日5月25日は米原万里さんの命日。没後20年にあたり、さまざまなメディアで功績を振り返っています。そのあれこれをご紹介。というか自分で見る用にまとめ(沢山あるのでな……)。万里さんについての説明はここでは書きません(長くなるのでな……)。気になった方は是非作品に触れてみてくださいね。

・あの人に会いたい File No. 250 米原万里┃NHKアーカイブス
命日に合わせバナーに出ていたNHKの映像。

・時をかけるテレビ〜今こそ見たい!この1本〜 世界わが心の旅 プラハ 4つの国の同級生┃NHK オンデマンド
5月8日には、池上彰の『時をかけるテレビ』で『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を書くきっかけとなったテレビ番組が再放送されました。現在は配信で視聴可能。池上さんと『姉・米原万里』の著者でもある井上ユリさんのお話も、副音声で聴くことが出来ます。


『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は新装帯がつきました。

・今こそ読みたい「米原万里」没後20年特設サイト┃カドブン
出版各社が著作を特集。KADOKAWAが取りまとめています。









本の街・神保町では『米原万里まつり』を開催、関連イヴェント盛り沢山。東京堂書店ではなんと『米原昶の革命 不実な政治か貞淑なメディアか』が週間総合ランキング1位になっていました。すごいな。

・【イベント】神保町で開催される「米原万里まつり」にPASSAGEも参加します!┃PASSAGE by ALL REVIEWS
・神保町PASSAGEに、米原万里の読書世界が立ち上がる┃PASSAGE by ALL REVIEWS┃note
これは、単なる追悼企画ではありません。
米原万里の著作を紹介するだけでなく、彼女がどんな本を読み、どんな視点で世界を見ていたのかをたどる場になっています。

PASSAGEでは、カフェスペースPASSAGE bis!を活かしたユニークな催しも。なんと「米原万里食堂」が開く、しかもユリさんが調理、との報にキエーとなる。日頃から公式サイトの「米原食堂」を楽しく拝見しているものですから、あれが実際に食べられるとなればそれはもう、それはもう。

しかしこのおまつり、どのお店も参加申込フォームが見つけづらいんですよ。米原食堂も予約可と書いてあるのにその予約フォームが見つからない。今見たらあったけど当初はなかった。1日10食限定なんてすぐなくなるじゃん! と焦った末にPASSAGE bis!の問い合わせフォームに「どこで予約すればいいんですか!?」と鼻息も荒く質問を送ると(いや実際はちゃんと丁寧な文面にしましたよ……)「こちらで大丈夫です」と無事予約出来たという。他のひとはどうやったんだ…予約開始日時とか発表されなかったし、フォームもいつ出来たのやら……。

米原万里まつり、PASSAGE bis! での米原万里食堂に行くことが出来ました。調理は井上ユリさん。
万里定食:ボルシチと黒パン
オプションのミニデザート:ハルヴァ、紅茶、ジャム
『旅行者の朝食』読者にはおなじみのトルコ蜜飴=ハルヴァまでいただけるとは

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 0:46 · May 18, 2026

という訳で17日に行けました。そう、あのハルヴァも食べられたのです。夢のハルヴァ! うま、うまかった……しかし確かに何をどうやって作ったのかよくわからん……ピーナッツと砂糖を練ってそれからどうした、みたいな……知ってる味なのに今迄食べたことのない食感と風味。えーこれまた食べたいと思ったら(というか既に思っている)どうすればいいの。一度食べたら万里さんのようにその後ずっと取り憑かれることになるんだろうか、というかもうそうなってる、素朴で、でも滋味深く、きっと飽きない味。

ちなみにハルヴァ、無印良品から出版されている『人と物6 米原万里』で実物の写真を見ることが出来ます。こちらはスプーンで掬って食べるものだったようですが、今回出たものは板状に固めてあるもので、口中でホロリと崩れる食感がまたたまらないものでした。

・「世界を股にかけて活躍した、こんなかっこいい女性がいたことを知ってほしい」ブレイディみかこが読む、米原万里。┃MUJI BOOKS 「人と物」シリーズ
ブレイディみかこさんのレヴューも素晴らしいので是非。

思い出の写真や衣服(あの金色のブラウス!)の展示を観ながらのお食事、おいしかったです。蔵書も展示されており、プラハ時代の教科書やアルバムも拝見出来ました

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 1:02 · May 18, 2026

金色ブラウスの実物が見られるとは〜! というか、これを実際に着てたんかい、と派手さ(笑)。でも似合ってるんだなあこれが。写真や愛用品を、ユリさんがだいじに保管していたからこそ実現した展示。毛深い家族たちとのかわいらしい写真も。

PASSAGEの1階では通訳資料なども。当時RK手術のためモスクワへ行くツアーに同行する仕事があったことをエッセイに書いていたけど、多分その際のものかな、というものがありました。専門用語の訳文メモが沢山。ずっと探していたユリイカも入荷していてようやく購入出来てうれしかった

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 1:15 · May 18, 2026

貴重な資料が盛り沢山。PASSAGEには開店当初から通っていて、万里さんの棚から今入手しづらいものをコツコツ買い集めていたので感激もひとしお。万里さんと井上ひさしの棚主であり、ふたりの作品を保存し後世に伝え続けているユリさんの尽力に感謝。

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・【店内+オンライン】没後20年を偲ぶ〜韓国語翻訳を手掛けた李賢進トークイベント「なぜ、米原万里作品は韓国で愛されたのか?」┃CHEKCCORI┃note
翌週、23日はこちら。ユリさんもいらしてました。貴重な話がてんこもり。

米原万里まつり、本日はCHEKCCORIで韓国語翻訳を手掛けた李賢進さんのトークイベント『なぜ、米原万里作品は韓国で愛されたのか?』。李さんが初対面で「作品を翻訳させてください!」といったら「あなたは誰?」と訊く前に「いいわよ」と応じられたというエピソード、よかったなあ

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 23:01 · May 23, 2026

米原さんは「強弱弱強(강약약강)」ではなく「強強弱弱(강강약약)」だった、ともいわれているそうです。

日本では「なんでこの映画の邦題がこれなんだよ!」てのがあるけどそれは韓国側でもそうで、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は『프라하의 소녀시대(プラハの少女時代)』なんですって。『旅行者の朝食』は『미식 견문록(美食見聞録)』

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 23:07 · May 23, 2026

『嘘つき〜』は留学生時代この本を読んでいる子たちと「嘘には国それぞれの色がある(韓国も「赤」だそう)」という話題で盛り上がった、出会いの作品ということもあり原題通りじゃないとと抵抗したけど、わかりやすいタイトルじゃないと売れないから、と出版社が決めたそうです。当時少女時代が人気あったからというのもあるとか。
今は短くて薄くて内容が軽い安価な本が「売れる」のだそうで、ここら辺も日本と通じるものがありますね。「これ、ブログでいいんじゃないの?」という本もある。でも売れる。反面内容の濃い長編が売れなくなっている。米原さんのエッセイは読みやすく面白いものが多いけど、やはり長編が読まれ継がれてほしいという話をされていました。
万里さんの本は“痛快な姉貴”として親しまれており、文庫や電書になり売れ続けている作品もあるそう。関連本もあって、最近でも(複数の作家を取り上げたものではあるが)聖地巡礼本も出ていて、リッツァに会いに行ったひともいる(!)という話には驚きました。

Q&Aでは「共産圏での話が韓国ではどう受け止められているか」が興味深かった。やはり分断があり、反共教育を受けた世代は受け入れられないようですが、若者は「社会主義国にも自分たちと同じように笑って生活している少女たちがいたんだ」という興味をもって読まれているようです。食のエッセイ等は幅広く読まれているとのこと

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— kai (@flower-lens.bsky.social) 23:16 · May 23, 2026

米原さんのエッセイには、プラハ時代近所に住んでいた北朝鮮の家族との交流を描いたものがあります。朝鮮戦争で市民はどんな被害を受けたのか。韓国側からの資料にあたることは出来ますが、北朝鮮側のそれは現在知ることが困難です。米軍による空爆の激烈さがさりげなく書かれた「プラハの空の下で」が掲載されている『偉くない「私」が一番自由』、韓国では出版されて…ないだろうなあ……。アンソロジーのなかの一編だし。それを訊いてみてもよかったかな。


ムックも出ます。李賢進も寄稿されているようで楽しみです。

米原万里まつりは今月いっぱい続きます。私の心のなかではきっとずっと続きます。