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2021年01月04日(月)
『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

『新 感染半島 ファイナル・ステージ』@新宿バルト9 シアター5



『犬どろぼう完全計画』はホントいい映画だった…あのときのしっかり者がますます立派な子に! 『ソウォン』でも名演だったそうで(幼児が性被害に遭う作品なので覚悟が出来ず観られてない)……イ・レ、今後も楽しみよ〜!

原題『반도(半島)』、英題『Peninsula(半島)』。2020年、ヨン・サンホ監督作品。『ソウル・ステーション/パンデミック』『新 感染 ファイナル・エクスプレス』は2018年に早稲田松竹でまとめて観たんでした。父親が亡くなったすぐ後だったりなんだりで感想書いてないわ。というわけで『〜ファイナル・エクスプレス』のその後が描かれたのが本作です。

本国ではコロナ禍で閉鎖されていた映画館が再開したタイミングでの公開だったそうですが、日本は日本で二度目の緊急事態宣言が出るかも、という不安な日々のなか公開。お正月映画としても盛り上がり必至の大作に水を差されたような気持ちにもなり(ヒットしてほしいが動員どうなるかな)、今観ると、という感慨もありました。ウイルスが蔓延したばかりに国を捨てることになり、避難先では差別を受け、ヤバい仕事に手を出して……。631部隊のひとたちだってそう。世が世なら穏やかな一生を過ごしたひとばかりだろうに。あの憎らしい大尉だって軍曹だって、勘が良かったり機転が利いたりと、優秀な軍人だったんだろうよ。「日本に向かっていた筈なのに(入国を断られて)行き先がわからなくなった」というのも示唆的です。ようやく辿り着いた香港にしても、今は……。かの地に実際にいるであろう移民たちはどうしているのだろうと思う。

『シン・ゴジラ』で東京が壊滅するシーンを観て涙が出たように、うっすらとはいえ知っている街(今回はソウル)が廃墟になっているのを観るのはクるものがありました。本国ではどう受け止められたんだろう。

前作ではよく練られていた、非常時に表出する人間のエゴ、それでもなくならない他人を思いやる善性といったドラマ部分は薄れた印象はありますが、主人公が消えない後悔を糧に前に進む、その過程はしっかり描かれていたかな。耄碌していたじいちゃんが実は……! ってとこにもジーン。カン・ドンウォンを筆頭にアクションがデキる役者が揃っており楽しめました。楽しいって言っていいのか? という逡巡もあるけど、そのためにフィクションはあるのだなとも思う。

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・新 感染半島 ファイナル・ステージ┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております。パンフに載っていない配役も網羅していて有難い!

・『新 感染半島』の超絶ドライブテク少女!天才子役イ・レに注目┃シネマトゥデイ
無免許……そりゃそうだ。でもマニュアル改造車をバッキバキに操れるツラ構えなのよ〜ホント格好よかった!

・バニラバニラ高収入♪ なアドカーって韓国にもあるんだなあと思った。そんでゾンビ対策になるんだな(笑)

・それにしても邦題。そもそもは前作『부산행(釜山行き)』を『新 感染〜』なんて邦題にしちゃったのがなあ。この件に関しては随分物議を醸した(ツインは他にも悪質なやらかしが多いので、正直自分が観たい作品には関わってもらいたくないな……)。今回GAGAに配給が変わったんで期待したけど、あの作品のその後ですってのは宣伝したいから全部入れのますますなんじゃそりゃってな邦題になってしまったんでしょう。しょうもない