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2020年01月13日(月)
『エクストリーム・ジョブ』

『エクストリーム・ジョブ』@シネマート新宿 スクリーン1


「犯人を挙げるか、チキンを揚げるか!」ってキャッチコピー、うまいこという。笑って笑って111分、年明けに観るにはピッタリの映画!

2019年、イ・ビョンホン監督作品。原題は『극한직업(極限職業)』、英題は『Extreme Job』。入場時、前に並んでいたふたりづれが「監督、イ・ビョンホンなの!?」「多才ねえ!」と驚いていたが、役者さんのイ・ビョンホンとは同姓同名の別人です。署のお荷物で解散寸前の麻薬捜査班。麻薬密輸組織の張り込みに最適なフライドチキン店を買いとり偽装営業を始めたら、そのお店が大繁盛。張り込みどころじゃなくなってしまった捜査班はどうなるどうする? もうこの設定だけでオモロいやん…あらすじ読んで絶対観ようと思ったやん……笑う気満々で出かけていきました。

いやー笑った笑った。とにかくおかしい。そのうえちょっとした人情、ちょっとした勇気、ちょっとした(でもこれだいじ!)正義のエッセンスもふわり。そしてちょっとした哀愁もね。麻薬捜査班の5人にそんな背景があるなんて、だからあんなに打たれ強いのねとわかったときに沸き上がる、労働者へのちょっとした、しかし大いなる敬意。彼らは身体を張っている。そしてそれを悪用しない。だから署長はなんだかんだいいつつも待ってくれるし、後輩は憎まれ口をきき乍らも情報を流してくれるし、妻はいつでも(ときどき揉めるが・笑)夫の味方なのだ。そうして見ると、この5人のツラ構えの味わい深いこと。麻薬組織のボスにいい放つ班長のキメ台詞、胸に響きました。刑事もチキン屋も零細企業でせっせと働く労働者だよ!

それにしてもこの5人、アニメに出来そうな顔立ち含め、キャラクターも際立ってた。困り顔のセントバーナードみたいなリュ・スンニョン、前髪パッツン(韓国映画やドラマ観てると必ずいる。流行り、というよりよくあるスタイルなんだろうけどオモロかわいいよね)チン・ソンギュ、アホの仔犬みたいなコンミョン。役を離れたプロフィール画像を見て驚かされたのはイ・ハニとイ・ドンフィ、全然雰囲気が違う。しっかりホンに寄せている。密輸組織のボスを演じるのはシン・ハギュンなんだけどこれがまたいいキャラクター。このひとってこういう戯画的な人物も素朴な市民も絶妙な色をつけてくれますね。かわいさと怖さが表裏一体、そんで意外と腕っぷしも強い。アクションシーンが映えました。

最後の大乱闘は「いや、それにしても強すぎ」とは思うけど、コメディアクションはそうでなくちゃ。壮快! 笑いは常にリズミカル。逃げても逃げても投げにくる、殴っても殴っても起きあがる。「ゾンビ」のあのポーズが出たときには歓声に近い笑いが起こりました。一件落着、よかったねーとひと息つこうとしたときに「せっかく初めての逮捕だったのに、何も憶えてない!!!」をブチ込まれたときはまだ攻めるか! ともはや感嘆。

そしてキム・テソンによる音楽! 『パルプ・フィクション』における「Misirlou」のようなサーフギター、パワフルなブラスナンバーとドライヴ感あふれるゴキゲンなサウンドトラックでした。いやー、エンディング曲、ホント血が滾った。『1987、ある闘いの真実』の音楽もこの方なんですね。

はー楽しかった。あつあつのフライドチキンのように、心がじんわりあたたかくなりました。腹も減りました。

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・エクストリーム・ジョブ┃輝国山人の韓国映画
いつもお世話になっております


「カルビ味」、再現されてました。ウチでは無理!(笑)どっかのお店とコラボして売ってほしい〜(他力本願)

・よだん。シネマート新宿のエレベーターで乗りあわせたひとがマニックスの「Motorcycle Emptiness」聴いてた(イヤフォンから音ダダ漏れ)。うふふ、声かけそうになっちゃったあぶないあぶない。同じフロアで降りたので、『エクストリーム・ジョブ』を観たマニックス好きが少なくともふたりはいたのよね。うふふ