I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
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2019年10月14日(月) ■ |
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TOWER RECORDSのPenguin Cafe |
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Penguin Cafe ソロピアノ・ライブ&サイン会@TOWER RECORDS Shibuya 7F
こんなに近くで演奏聴けたの初めてでもう感激。前の席のひとはずっと泣いてた…わかる……。そもそもピアノソロで聴く機会も初めてだよ! アーサーの情熱的な側面が際立ってた。明日のバンドセットも楽しみだよーなんとか開演に間に合いたいよー。
もともとは12日に印旛 HEAVY DUTYで全感覚祭、13日にさい芸で『まなざし』『蜷の綿』、15日に東京キネマ倶楽部でPenguin Cafe、の予定だった。mouse on the keysは全感覚祭で観られるし、14日のLIQUIDROOM(Emotional Riot)はやめとこう、と思っていた。そのうち台風19号の接近に伴い、全感覚祭がどうも危ないんじゃないか……とザワザワし始める。野外だし、僻地なので交通も怪しい。10日午後に全感覚祭の中止が発表。んーそれじゃあやっぱりリキッドに行こうかな、とチケットのチェックなんぞをしている流れで、このインストアライヴのことを知った。それが11日の真夜中。その日の午後に『SHIBUYA全感覚祭 - Human Rebellion -』が発表になる。なんと場所を渋谷に移し、7ライヴハウスのサーキットイヴェントにするという。
・マヒトゥ・ザ・ピーポー『懐かしい未来 第5回 Human Rebellion』┃晶文社スクラップブック マヒトくんの連載コラムに経緯。
どうする、オールだけど行ってみるか? 電車は動くのか? 考えているうちに台風がやってきた。明けて日曜日、埼京線が殆ど動かず、さい芸に行くのは断念。夜は家でRugby World Cupを観る。日本がスコットランドに勝つ。うえーん勝ったよおとーさん! 宿沢さん平尾さん! オールに出かける気力が尽きる。軟弱者ですまん…すまん……。それにしてもGEZANとその界隈のバイタリティと機動力に驚嘆しきり。協力したライヴハウスの度量も素晴らしい。気が早いけど、来年の全感覚祭が本来の場所で無事開催されますように!
そのころ、ペンギン・カフェの面々はこんなことになっていた。
北京経由で羽田空港に到着する迄47時間。本来は朝霧JAM(これも中止になってしまった)出演のため土曜か日曜に着いていた筈なのだ。嵐のなか来てくれて本当に有難う。
そんな訳で、月曜日は渋谷へ出かけることにした。山手線はまあまあ動いていた。しとしと雨のなか、TOWER RECORDSに辿り着く。新譜『Handfuls of Night』のアートワークにもなっている、ペンギン越冬隊に扮したArthur Jeffesの立て看板が飾ってある。フロアの一角に、30席くらいのパイプ椅子。近い! にこにこと現れたアーサーは黒いシャツ、黒いパンツ姿。袖はまくっている。こういうラフな格好でグランドピアノを弾くっての、格好いいじゃないの〜。『Handfuls of Night』からのナンバーをメインに、作品解説をしつつ一曲一曲を丁寧に弾いていく。結局何曲弾いたっけな……30分くらいは演奏してくれた。「Perpetuum Mobile」のピアノソロを聴くのも初めてだ。軽やかなリフレイン、力強いタッチ、従来は弦で弾かれる、その震えを鍵盤で表現するようなトレモロ。
南極と、そこにくらすペンギンたちのことを描いた新作は、曇り空と白夜を感じさせる。吹雪かずとも寒さは厳しく、生きていくには過酷な場所だ。それでも何故か憧れのようなものを抱いてしまうのは何故だろう。アーサーの曲にはその謎を解くヒントがあるように思う。今回のライナーで触れられてもいたが、アーサーが音楽の道へ進むことを決めたのは、北極探検隊に参加したからなのだ。
--- ・Penguin Cafeの音楽から紐解く、国籍やジャンルの「壁」の話(20170726)┃CINRA.NET 2005年ごろ、「BBC Two」(英国放送協会・BBCのテレビチャンネル)の企画の北極探検隊に参加したのがきっかけです。実は僕の曾祖母の最初の旦那さんがスコット隊長(ロバート・スコット。南極探検家として知られるイギリスの軍人)で、その企画は当時の探検を体験するというものでした(現在犬ぞりで南極には入れないため、北極を旅した)。 氷しかない世界で数か月間を過ごすという経験を通して、チームの全員がこれからの人生について考え、大きな決意を抱いてイギリスに帰りました。僕はそのときに音楽を勉強することを決意して、大学で作曲の勉強をしたんです。 ---
ノーマンズランドであること、北極と違いどこの国にも領有権がないこと。おしくらまんじゅうをするペンギン。彼らを照らす太陽と、彼らに吹き付ける冷たい風。アーサーの奏でる音楽には、それがある。
前述のひとはずっとはらはらと泣いており、ハンカチが手放せない。連れの方が励ますように、とんとんと背中を叩いていた。こっち迄ジーンときちゃった。そういいつつ自分も涙ぐんでましたが。演奏が終わる度に観客の方を向いてニコニコと挨拶していたアーサー、気付いていたかな。
thank you for coming, といったらありがとう、と日本語で返してくれた。とても柔和な空気をまとったひとだった。このひとからあんなにも静謐で、それでいてドラマティックな音楽が生まれるのか。不思議なようでいて納得もする。サインが入ったCDはたからもの。だいじにします。明日も聴きに行くよ。
こういうポーズがさまになるよねー。貴重なひとときを有難うございました。
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