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2019年09月27日(金)
MANIC STREET PREACHERS THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS' 20th Anniversary Show and More(2日目)

MANIC STREET PREACHERS THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS' 20th Anniversary Show and More@Toyosu PIT


ミッチさんのブログを見て声が出た、ついこないだmouse on the keysを観に行っていたMARZの隣の山ちゃんに、team MANICSが来ている。というわけでライヴ後はここで打ち上げ。話は尽きず終電を逃し、久々のタクシー帰宅となりました。やー、マニックスがくるとタガが外れるな(笑)。それにしてもここ、数ある山ちゃん支店のなかで何故ここに……? というくらいの場末感なんですよ。この並びのビル、皆かなり古いんだよね。再開発の影響で閉店、移転したお店も多い。そういえばリッチーもいた頃、炉端焼で呑むマニックスの面々をミッチさんが撮っていたなあ。居酒屋の雰囲気を気に入っているのかもしれないですね、そういうのうれしいな。ちなみにジェイムズ、今日のMCではゴールデン街の話をしておりました。

週末ということもあり大盛況、そして外国人の観客がますます増えた。Rugby World Cup(RWC)のウェールズ戦を翌々日に控え、ラグビー観戦で旅行に来たらマニックスも観られるよラッキー、みたいなひとが沢山います。ウェールズのレプリカユニ、RWC-Tシャツ、ウェールズ国旗をマントのように巻いてるひとがいるわいるわ。キルトのひともいたらしいよ。そしてビールがどんどん売れるよ。


RWCに合わせ新宿に設置されたウェールズドームでは、観光案内や文化紹介とともにウェルシュケーキやウィスキーと一緒にウェールズ国旗の小旗も配布されており、それを持ってきてるひとも沢山いました。RWC応援用の筈が、ライヴでも役にたってる(笑)。そうそう、このドームではSuper Furry Animalsのキアン・キアランが音楽を手掛け、リス・エヴァンスが朗読をした作品も流れています。10/3迄やってます。


ツイート拝借、シェア有難うございます! PAブースにはレッドドラゴンも。もう祭りですわ。FAのアジカンから盛り上がりました。ゴッチが「憧れのバンドと一緒にやれて光栄です。マニックスは格好いい歳のとりかたをしてるなあと思う。僕らは彼らより10歳くらい歳下で、キャリアも10年くらい違うけど、僕たちもこれからの10年格好よく歳をとっていけるんだと思えるようになりました」みたいなことをいってました。マニックスのフォロワー、というかルーツというのがわかるサウンドで、ゴッチは英語でもMCをしていたので来日組の反応もよかった。

さてマニックス。前日同様じっくり聴かせる『THIS IS MY TRUTH〜』パートからスタートしましたが、やはり昨日とは熱の度合いが違って感じられます。そして改めてバンドのスケールの大きさを感じる。ステージ後方一面に映し出された青い空と白い砂浜、その静止画像に照明を重ね色彩を変えていく演出は、大バコでこそ映える仕様です。「I'm Not Working」の、ブルーからドーンパープル〜ドーンピンクへと夜明けのように色が変わっていく照明は本当に美しかった。空間を情報で埋め尽くすのではなく、空間そのものを色に沈めていくようだった。そこから聴こえてくるのがジェイムズのあの声ですから、なんかもう恍惚というか、陶然となりましたね。陶然といえば「Born a Girl」もやばかった。ウェールズのひばりは罪な声だわ。

そういえばスタジオコーストでやった2010年の『POSTCARDS FROM A YOUNG MAN』、そして2012年の『NATIONAL TREASURES』2DAYS(1日目2日目)も大きな空間に映えるセットだった。毎回アルバムのアートワークが魅力的で、そのジャケットを大きなバックドロップにするだけでもすごく格好いいんだよね。サウンドスケープも壮大。昨日もリンクを張ったアジカンのインタヴューでも語られていたように大きなところで観て/聴いてこそ、というのは理解出来ます。日本ではスタジアムでとはいかないけれど大きめのところで観られるとうれしい。で、追加公演でちっちゃいとこでやってくれるとうれしい(とかいうととれないんだけどね…前回BLAZEでやったときそうだった……)。

『THIS IS MY TRUTH〜』最後のナンバーは「If You Tolerate This Your Children Will Be Next」。1930年代のスペイン内戦について唄った重い歌詞ですが、今聴くと自分の国のことのように思えてきてつらかった。リリースから20年、この歌に新しい痛みが加わったように感じる。そうしてずっと聴き続けていくのだ、このバンドの歌をこれからも。

今日のジェイムズは左胸に日の丸、右上腕にドライグ・ゴッホのワッペン。ニッキーはスッピンかな? サングラスに装飾のないジャケット、白ジーンズとカジュアルな装い。おとなしめね? 寝起きっぽいね、時差ボケ? なんて思っていたら、途中お召しかえしてきましたがな(笑)。一日目と同じラメラメのアイメイクとチーク、そして豹柄パンツ!「特別なときにしか履かないんだよ」だって! あ〜祭りだわ〜。ウェールズ国旗がはためくフロアを見渡し「ここはウェールズか?」といったらウォオオオとウェールズコールが巻き起こり苦笑するジェイムズ、という場面もありました。「そんな君らに」と始まったのが「Sweet Child O' Mine」だったんですけど、ガンズの曲なのにすっごいシンガロングになって、ガンズの影響力…と思いましたよね……。それにしても、これだけのウェールズ人(まあイングランドやアイルランドやスコットランドのひともいたろうが)たちと一緒に、日本でマニックスのナンバーをシンガロングすることなんて二度とないんじゃなかろうか。そしてこんだけシンガロングになってもジェイムズの声はちゃんと聴こえるんだなー。「うるさーい! 私はジェイムズの歌を聴きにきたの! 合唱禁止禁止〜!」とかいうひとは恐らくだれもいない(笑)、一緒に唄うわ勿論。


わーおすそわけ有難い! もう泣くわ唄うわ笑うわでたいへんな「A Design for Life」。なんかもう冥土の土産かな? という……。

しかしこの日は、RWCが日本で開催されたからこそのサプライズがもうひとつ待っていたのでした。ジェイムズがシードルをびしびし振り回し乍ら(これよくやってるけどかわいいよね)スペシャルゲストだよーと招き入れた人物にウェールズ人狂喜、日本人ポカーン。大歓声のなか「You Love Us」が始まる。あのガタイのよさはきっとラグビー選手…大会中だから出場中の選手ではないだろう……ってことはOB? と戸惑いつつもキャーキャー唄う。



元ウェールズ代表、ジェイミー・ロバーツでした。名前を聞いたらああ! と思ったが、そんな頻繁にウェールズの試合とか観られないんで顔とか憶えてないよ。しかも私服でギターとか弾かれたら誰ってなるよ(いや、そもそもジェイムズが紹介したとき名前を聞きとれてない時点でダメじゃん自分)。終演後会った友人たちと「誰?」「わかんない!」とかいって笑う。しっかり演奏して唄っておりました。マニックスの本国における地位に思いを馳せたりもした(微笑)。



ニュースになる。


ご本人が後にツイート。二度目だったのかな?


RWCオフィシャルにRTされてイェーイ。

かつて自分の好きな音楽と好きなスポーツがここ迄リンクすることなどあっただろうか。ないよ! 動揺が激しいです。終演後唄い乍ら退場していくウェールズ人をニコニコ眺め、帰路につきました。

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セットリスト(setlist.fm


(画像おかりします、有難うございます)

This is My Truth Tell Me Yours
01. The Everlasting
02. You Stole the Sun From My Heart
03. Ready for Drowning
04. My Little Empire
05. Tsunami
06. I'm Not Working
07. You're Tender and You're Tired
08. Born a Girl
09. Be Natural
10. Black Dog on My Shoulder
11. Prologue to History
12. S.Y.M.M.
13. If You Tolerate This Your Children Will Be Next
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Hits & Others
14. Slash 'n' Burn
15. Your Love Alone Is Not Enough
16. La tristesse durera (Scream to a Sigh)
17. Everything Must Go
18. International Blue
19. A Design for Life
20. Little Baby Nothing
21. Sweet Child O' Mine (Guns N’ Roses cover)
22. You Love Us (with Jamie Roberts)
23. Walk Me to the Bridge
24. Motorcycle Emptiness
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“JUST LIKE BLOOD TRAVELS DOWN VEINS, WHAT I'M SEEING IS MY INNER SELF AND WHAT SEEMS THREATENING IS JUST THE ECHO OF THE FEAR IN MY HEART.” HARUKI MURAKAMI.
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「La tristesse durera」と「Walk Me to the Bridge」が入り「No Surface All Feeling」が外れました。やーどれも結構レア、聴けてうれしい。ていうか『THIS IS MY TRUTH〜』のナンバーをこんだけ聴けたのもレアよね。「S.Y.M.M.」は勿論「Born a Girl」とかさあ! そして「I'm Not Working」と「Be Natural」は今回のツアーが初披露だったとのこと、いやはや。結局「Nobody Loved You」はやらなかったなあ、あの内容だし、何か思うところがあったのかもな……。そして本日のクォートは村上春樹。過去に小野洋子、安部公房、草間彌生のクォートがありましたが、村上春樹は初めてかな。『海辺のカフカ』からのようです。

あー楽しかったね、あとはRWCを楽しんで帰ってほしいねえなどと話して解散。しかし今回彼らのお仕事(?)は、これだけでは終わらなかったのです。なんてこった! 以下次号。