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2019年07月09日(火) ■ |
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downy & THE NOVEMBERS Presents『情けの首』 |
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downy & THE NOVEMBERS Presents『情けの首』@Shibuya WWW X
彼らは誰に向けて演奏していたのか。そこには誰もいない? いや、いたとすればただひとり。フロアにいるひとへ、でなくても私は構わなかった。この場に立ち会わせてくれただけで充分。ましてや、こんな音を聴かせてもらえた。アンコールがなかった(基本いつもないそうだが)のにも素直に納得出来た。あんな演奏の、あの「弌」のあとに何をやれというんだ。公演は終了ですとスタッフがいうと、戸惑うように鳴らされていた手拍子が拍手に変わった。 --- Vo, G:青木ロビン B:仲俣和宏 Drs:秋山タカヒコ VJ:zakuro Ableton Live + Push:SUNNOVA --- SUNNOVAさんはサポートということだけど、もはや欠かせないメンバー。
downyには『情けの庭』、THE NOVEMBERSには『首』というライヴシリーズがある。2017年12月8日、THE NOVEMBERSを迎えてCLUB QUATTROで行われる予定だった『情けの庭』は、青木裕さんの体調不良により延期になった。翌年の3月19日に裕さんは亡くなり、その日の夜、downyはWWW Xで演奏していた。
・downy自主企画「情けの庭」がメンバー体調不良で延期┃音楽ナタリー ・downyの新ワンマン「砂上、燃ユ。残像」急遽決定┃音楽ナタリー ・downy青木裕、48歳で死去┃音楽ナタリー
「約束だったから」「あの日以来のダブダブ(WWW X)でね、」とロビンさんがぼそり。過度に感傷的になることはなかった。四人はフロアを見ていない、ひたすらお互いを見ている。呼吸を、指先、喉、舌、爪先を合わせることに集中している。猫の目のようにくるくる移動するビートの起点、増幅していくグルーヴ。いつにまにか全員がステージの内側を向いている。力が入りときに歌声が裏返ってしまうロビンさん(珍しいのでは)、バランスを失いそうになる程前のめりになる仲俣さん、激しくしかし的確に裕さんの音を送り出すSUNNOVAさん。そんななか涼しい顔でハードコアビーツをホイホイ繰り出す秋山さん……ときどきそれを見て我に返る(笑)。そうだ、秋山さんの演奏どうなってんのってのを見たかったんだ。
低めに組んだシンプルなセット。シンバルはライド、クラッシュのみ。あとはハイハット、スネア、フロアタムってとこか。全体的に肘と手首の反動で軽々叩いているように見えるが、ひとつひとつの音がクリアで粒立っており、その全ての圧が高い。あとブレイクどこよという連打で全くリムにひっかからないというところもすごい…なんじゃありゃ……。そこで再び我に返る、えっとドラムがあんまりすごいんで注目しがちだけどそこにぴったり(ホントぴったり!)寄り添ってるベースがすごくねえ? あまりにも見事なコンビネーションなのでその様子を見たいと首を伸ばしたが、ステージが高くフロアに段差のないWWW Xは余程いいポジションをとらないとステージ奥が見えないのであった。下手側にいたのだが、結果秋山さんの方をガッツリ向いている仲俣さんのお尻をひたすら見ることになった。自分でも必死に何を見てるんだろうと思ったが、まあ仕方がない。
そんなこんなで感情が行ったり来たりで忙しかった。そしてVJに色の記憶がない。このバンドのステージは、空間全体が鮮やかな色彩に染まる印象だったが……今回はモノクロ基調だったのだろうか。ロビンさんは白いシャツ、あとの三人は黒の上下だった。
「じゃあね、バイバイ」というMCのあとに演奏されたのが「弌」。ここでプレイヤーの様相が変わる。仲俣さんがフロアを向く。厳密にはフロアの上を見ていた。そこに誰かがいるかのように。有線のイヤモニをモニターに直結していたようだが、そのコードがふわりと揺れる。ロビンさんも立奏。爆音、また爆音。音が塊になって飛んでくる。鼓膜が痺れるような感覚。
ロビーでSmashing PumpkinsのTシャツ着てるひとを見かける。「1979」の歌詞を思い出す。“どこで死ぬのか知らない 塵になるんだろうか 忘れ去られて、この星の土のなかで ご覧の通り ここには誰もいない”
----- セットリスト --- 01. コントラポスト 02. 葵 03. 凍る花 04. 春と修羅 05. 海の静寂 06. 左の種 07. stand alone 08. good news 09. 㬢ヲ見ヨ! 10. 弌 --- どちらもセットリスト公開してくれるの、有難い。 先攻のTHE NOVEMBERSは初見。お噂はかねがね……うっかり手を出すと噛みつかれそうなすごみ。Vo.の小林さんは赤いアイラインをひいたスタイリッシュな装い、高音で迫力を出せるという稀有な歌声。耳に刺さりました
・客入れがマニックスの『THE HOLY BIBLE』まるまるかけるやつでファーとかなってた。終わったら続けてデモver.がかかったのでアニバーサリー盤ですね…うれ、うれし……。前述のスマパンTのひとといい、あー近い〜と勝手に嬉しくなるなど
・翌日調べて納得というか合点がいったというか、仲俣さんて2012年当時後藤まりこのサポートやってた方だったか…千住くんとバッキバキにやりあってたあのすごいベースのひとね……
(20190714追記:めっちゃ色あった(笑)。自分の心情が反映されたんだなー)
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