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2018年12月21日(金)
カタルシツ演芸会『CO.JP』

カタルシツ演芸会『CO.JP』@六本木Super Deluxe

か、カレー食べたい。

コントと演劇の境界をさぐった(が特に結論は出さない)結果、ゴリッゴリのコントになりました。ということで安井順平、水を得た魚でございます。コントは「霊媒師」「万引き」「インタビュー」「転校生」「手術」「ボタン家」「名探偵」の7本。ブリッジとエンディングに小ネタがあったので、全部で10本弱というところか。カレーが! 食べたくなるんですよ! でもルーはシチューなのよ!(千秋楽迎えたのでオチを書く)

安井さんと板垣雄亮が安心と信頼のクオリティ、というのは了解済だが、薬丸翔と東野絢香の若手ふたりがまたよくてなー。間の良さもだが、羞恥心のタガを外すことにてらいがないようにすら見えた。いつも思うがイキウメは若くて巧い役者を見つけてくるのうまい。どうやって探してくるんだろう。それとも前川知大の演出妙技で、そのポテンシャルが開花するのかな。ナイロン100℃の役者さんたちにも思うことだが、リズム、間合い、テンポが徹底しないと出せない笑いには技術と訓練が不可欠なのだなあ、とゲラゲラ笑いながらもゾクゾクする。好プレー続出の緊迫したラリーを観ているようでもありました。ここという一瞬を逃すと、笑いの構造はあっという間に狂ってしまう。繊細な作業でもある。

コントごとに演者は違うキャラクターを演じているのだが、それでも各々の「地」が見えるように感じる。それを「芸風」というのかもしれない。安井さんはああだし(ずっといってるが「理路整然と罵詈雑言」ってキャッチ考えたひと最高)、薬丸さんはこれから他の作品で観ても今回のあれこれを思い出して笑ってしまいそうだし、板垣さんのはんなり口調が出てくるとホッとするし、東野さんは今後コメディの仕事がガンガンきそうな気がします。こういうところもイキウメの特徴で、出演者の未来を拡げるような仕事を外部に見せる律儀さがある。

「働き者」(とクレジットされていた)のイキウメンが裏方さんをやっておられ、観客の微笑を生んでおりました。森下さんは寒いなか外で案内をしているし、大窪くんはエントランスで朗らかに来場者を迎え、盛さんは諸注意アナウンスを任せられるしっかり者(当日パンフレットのイラストも素晴らしい)、浜田さんはふんわり気が利く接客をしていた。あの倍音出てそうなよい声で「席はお決まりですか……」「上着は預かりますよ……」「奥の方まだ空いておりますよ……」と声をかけるので、逆に客の方がオロオロしていた。ニコニコして見てしまいました。なんかすごい「劇団」ぽくなったよなあ、以前前川さんの実家で劇団員が猛烈なおもてなし(主に食の面で)を受けるという話を知ったとき、第三舞台の面々がツアー中に岩谷真哉の実家へ立ち寄りごはんを食べるのが恒例、という話を思い出していた。最年少の大窪さんがごはんやおやつをいっぱい与えられるとか、ファミリーぽくていいよね。

この場所のスーデラに来るのはこれが最後かな、移転先が無事見つかるといいなあ。前に出る相撲を思わせるプログラムの数々、有難うございました!