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2017年08月19日(土) ■
『SONICMANIA 2017』その2
『SONICMANIA 2017』@幕張メッセ■SHOBALEADER ONE(SPACE RAINBOW) --- Strobe Nazard:Key Squarepusher:B Company Laser:Drs Arg Nution:G --- 本日の本命。四月の単独 からこんなに早くまた観られるなんて! うれしー! この日のステージは、真鍋大度率いるRhizomatiks Researchがヴィジュアルを担当することもアナウンスされていた。後方から全景を眺めるのもいいなと迷ったが、今回はやはりベースをガッツリ観たい、とスクエアプッシャーサイド(下手側)二列目で待機。 日英スタッフ入り乱れ、テキパキと機材を配置していく。なぜかバンド同様ローブを着たひとも幾人か。ステージ上で撮影するのかな、それ用の黒衣? なんて思いつつセッティングを見ていると、トムさん出てきはりました。しっかりローブ着込んでお面もつけてます。しかも何度も出たり入ったり、指示を出したりラップトップの画面を見たり。何度目かにはベースも抱えてきて、ずっと弾き乍ら話をしていた。ウォームアップの様子迄見られてラッキーと思うと同時に、セッティングのときからお面つけてるんだね…拘りなの…暑くないの……と観客半笑いで見守るの図。別に歓声も騒ぎも起こらず、「いるよ」「いるやん」とこそこそ声がひろがり、静かにスマホで撮影するという奇妙な光景。 それにしたって何度も出てくるなあ。そして雑然としすぎやないかあの配線……と思っていると、「0:20スタートになりまーす」とスタッフが走り乍らお知らせしてまわってる。20分も遅れるの? どうしたの? といささか不安になっていると、周りがスクリーンを指差してザワザワしだした。 (あんたたち、ですわね。皆素晴らしかったよー) (そしてやらかした航空会社に「どうも(英語ではThank youだった)」とかいうあたり、イギリス人っぽいわー) な、何それ……。日本語と英語のメッセージが交互に映り、リアムから移動してきたひとも増えたフロアは異様な雰囲気に。どうなる? 20分遅れで済むの? なんて思っていたら0:13くらいには始まった。はええな、大丈夫かよ。いや大丈夫も何もであった。トークボックスがセッティングされていたのにもかかわらず「Megazine」をやらなかったのでセットリストに変更はあったのかもしれないが、アナウンスがなければトラブルがあったなんて観客は全く気づかなかったであろうステージだった。この夏のベストアクト。「弘法筆を選ばず」というツイートをぼちぼち見かけたけど、けだし名言。 表情によるコミュニケーションを拒否するコンセプトなので、主にトムの運指をまじまじと見る。あっお面つけてる! と時々我に返るんですが、あまりにも演奏が凄まじいと音しか残らないというか、見てくれがーとかの要素が意識の外にいっちゃいますね。それこそがバンドの求めていることかもしれないが。とはいうものの我に返ったときはわー腕毛ほわほわーとかローブ着てても結局は弾きづらいんで腕まくっちゃうところ(というかローブを半袖仕様にしてるのか)が愛嬌だよね、かわいいかよとか思っておりました。前方なのでスクリーンは見づらい。レーザーさんがアップになったので目を移すと、あの手数で叩き乍らもときどきお面の位置をなおすという余裕もある。あなた腕何本あるのよ。二本ですよ。しかし何度もなおすなあ、さぞ邪魔なんだろうなあ、お面のサイズ合ってないのかなあなんて苦笑する。それがあながちシャレになってなかったことがのちに判明する。 四月のときからアレンジもかわってきていて、柔軟性がより加わりインプロ部分も増えている。「E8 Boogie」あたりからやべーやべーよとなってきて、終盤の「Delta-V」と「Anstromm Feck 4」ではもうなんじゃこのインプロ合戦という様相で歓声がわくわ爆笑が起こるわでフロアもカオス状態です。最初は人力再現すごーいとかニコニコ聴いてんだけど、だんだんそれどころじゃなくなってくる。もはや再現ではない。人間(いや地球外生命体だけど)VSマシンの闘いというか、人間(ちきゅうが以下略)がどこ迄マシンに近づけるか、あるいはマシンにどこ迄魂(、という言葉を使うなら)が込められるかの実験だ。 BPMが一定じゃないところにもろグルーヴが宿る。ドラマーが装着しているイヤフォンはモニター用で、クリック聴いてないと思うんだ……というか、あれだけ一曲のなかで減速/加速が激しく、その緩急をも聴かせる楽曲でクリック聴くのも意味がなかろう。そして地球外生命体とはいえ演奏者の指は計10本だから、リフにムラというか若干の強弱やズレが生じるのだがそこ! そこだよ! そこにグルーヴが生まれる! 「Tetra-Sync」のギターリフはたいへんそうですね(あれスクエアプッシャーのソロんときはベースで弾いてるよね)。Keyが片手の運指だけでは無理のある長いフレーズを左右1〜2本の指を交互に使って高速に弾きたおした場面では、あーそうやればいいんだ! とフロアがドッと湧く。それにしても、あんなにどよめきと笑い声が入りまじるフロアもなかなかない……。楽曲の多彩なポテンシャルが、プレイヤーのスキルによりこうも姿を現すものか。 張りたい動画いっくらでもあるんだけど厳選してひとつだけ(あげてくれたひと感謝!)、これがいちばんインプロから戻ってくる展開がわかりやすいかなと。 そうそうインプロといえば、「Tetra-Sync」のアウトロにベースで挟みこまれたのは、春から何度も聴いていたあのフレーズだった。2015年、「Iambic 9 Poetry」のイントロで演奏されていた第一楽章 。曲名がわからない(あるのだろうか?)ので勝手に名前つけて申し訳ない……泣いてもうたよ。 (20171023追記:動画ひとつだけっつってたけどこれ追加しとこう…その都度探すのめんどくさいという自分用) 火事場のなんとやらかフロアの熱を受けてか、プレイヤーの挙動もどんどん激しくなってくる。フロアを煽ったりガッツポーズしたり。に、にんげんくさい。まあそこはね、まずトムがそういうひとですからね。地球外生命体も人間のいいとこをとりいれていくといい(笑)。「Journey to Reedham」のときのお面の光がとってもかわいかった。彼らの気持ちを表しているかのようにキラキラしていた。カラフルでハッピー。「僕のたった一つ望むのは、僕の音楽が誰かのどんよりした一日をカラフルにすること、悲しい一日を愉快にすること。それだけなんだ」という言葉を思い出す。あれから十三年、彼は今どう思っているのだろう。 トムがときどきスタッフ呼んでたり、曲ごとにタオルで腕拭いてたり、機材をのぞきこんで調整し乍ら弾いていたりしてハラハラはしたものの終わってみれば機材トラブルもなんのその。皆さんやりきった! という充実感かホッとしたか、何度もおじぎをしたり手をふったりして帰っていかれました。ナザードさん万歳してた。やー、なんかお面ついてるのにメンバー皆笑っていたように見えたよ。心眼だいじ。そしてトムの投げキッス(したらしい)を見逃した。ガーン。 スクエアプッシャーにとってはプロジェクトのひとつ、という感じだろうしソロの方でもいろいろやりたいことは多いだろうけど、万全の状態でもう一度単独公演を観たいものです。しっかしこの日のライヴは素晴らしかった、最高だった。やりきってくれて有難う! ----- セットリスト(setlist.fm ) --- 00. Intro (20170914追記:そういえばこのopの曲って「MIDI Sans Frontières」 だったわ) 01. Coopers World 02. Hello Meow 03. Iambic 5 Poetry 04. Squarepusher Theme 05. E8 Boogie 06. Tensor in Green 07. Delta-V 08. Anstromm Feck 4 09. Tetra-Sync 10. A Journey to Reedham (7am Mix) --- Note: played on borrowed equipment, since the airline sent the band's to Beijing ----- その後。 #shobaleaderone
daitomanabeさん(@daitomanabe)がシェアした投稿 - 2017 8月 18 11:31午前 PDT
ライゾマ真鍋さんのインスタ。これ何だろうと思ってたんだけど。 まじかよ。機材全部ってことはお面とかそういう一式全部だよね……おそらく楽器も。ライゾマのクルーも加わって楽屋で機材組み立ててたってことか。お面のサイズが合ってないというのはあながち冗談になってなかった。そしてトムが本番前にベース抱えてたのは、少しでも楽器を手になじませておきたかったんだろうな。 といえば、四月の単独のときベースにオートチューナーついてるとかドラムはツーバスにツーハットとか言われてたので確認したかったけどそれどころじゃなくなって忘れてた。ツーバスは見えたけど。 痺れる現場……。一回きりのライヴはホントいきもの、鉄火場だわ。電気のあとくらいにフロアで真鍋さんご一行を見かけて、おつかれさまでしたありがとうございましたと心のなかで手を合わせました。・Zak Norman - VJ London ディレクター。セッティング時いろいろ指示出してたあのひとかな? スクエアプッシャーのあれやこれやもやってる方のようです。 ----- その他。・SHOBALEADER ONE | サマソニ2017 TOKYO LIVE REPORT クリマン公式のフォトレポート。・Squarepusher率いる地球外生命体設定バンドShobaleader One、航空会社の不手際で機材が北京に置いてけぼりという人間くさいトラブルに巻き込まれソニマニ急遽特別セットに変更 : アーメン速報 こんなまとめがつくられていた(笑)。・つのがいです #095【TV Bros.にて掲載中《夜のとばりのショバリーダーワン》】 手塚るみ子さんがスクエアプッシャーのファンという縁から実現した企画。ぎゃーいいもの見たー。ブロス本誌の手塚さんとつのがいさんによる対談も面白かった。トム『火の鳥』読んだそうだけど感想を知りたい。 直接のコラボは初めてですね。改めてビートインクさん有難うですよ! (20170826追記) ・Shobalerder One|Facebook 24日に更新されてた。“Many, many thanks to all those that came to the show. Fantastic night.”だって。上にも張った動画のツイートも載せてるし。いやほんとこの動画いいよね……。 SNSには積極的じゃない彼(ら)がこう書いてくれてるの、うれしくなってしまったよ。またきてねー!