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2017年07月29日(土)
『FUJI ROCK FESTIVAL '17』1日目 その2

ホワイトいい感じに埋まってます。AVARONからおりてきたので、下手側にするっと入れてスピーカー前二列目をキープ、ウエーイ。何せ三回キャンセルしてますから、今回はホントに大丈夫だよね? えらいはやくから来てるけど取材と観光終えてそのまま帰っちゃったらどうする? 会場入りしてる? と数日前から気が気じゃなかった。ここにいる殆どのひとがそうだったでしょうよー。ジョシュが膝の古傷を悪化させ、杖をついているという話も伝わっていたので不安はふくらむ一方でした。それだけに、スクリーンに「NEXT UP QUEENS OF THE STONE AGE」の文字が映し出されたときの歓声はたまらんもんがありました。スマホでそのスクリーン撮ってるひとも多数。そりゃ撮りたくもなるね。何年待ったと思ってんだ!

ちなみにQは2002年のフジ(初来日)と2003年の単独(12)を観ることが出来てます(うーむ我乍ら文章が若い)。ジョシュ単体でいうと2010年のThem Crooked Vulturesで来日しているのでまあ、別に日本を嫌いなワケではないと思う…思いたい……。

ちなみにキャンセルのうち一回はSoundgarden絡み。SGは今後についてまだアナウンスしていない。時間が解決してくれることって実はそうそうない。それでも時間は必要だ。そうなってしまえば今がそのとき。そして、彼らはやってきた。

■QUEENS OF THE STONE AGE(WHITE STAGE)

大!歓!声! ジョシュが杖をついて出てきた。あああやっぱり調子わるいんだ、とヒヤリとするも、笑顔で杖を高く掲げる。応える観客、またもや凄まじい歓声。メンバーも皆笑顔。そしてあのリフ、ミリオネア!!!!! えらいこっちゃ、阿鼻叫喚です。センターすごいことになってるっぽい、次々フォトグラファーピットからひとが走り出てくる……モッシュピットからセキュリティにひっこぬかれた=助け出されたひとがそれだけいるってことです。まあ、そうなりますよね(凪)。

続いて「No One Knows」、怒涛の叫びがあちこちから。文字通りウオーてなもんです。何に笑ったかって、そのまま前奏が大合唱になったんですよね。

My baby and the boys nailed Japan so hard 🇯🇵 #fujirock

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ジョシュの愛妻(ずっとラブラブねえ)、ex.The Distillersのブロディ・ドールがステージサイドから撮影してくれてました! キエー感謝! シンガロングがステージにも届いてますね。てか声が野太い(笑)。

このイントロシンガロング、欧州でもそうらしいんですが(例:2014年レディング)、つい先日のこれを思い出しました。うれしい+かんきわまる+まちきれない=歌詞のないとこからも〜とにかくうたわずにはおれん、という……。どのくらいのひとがこの、イントロから唄う風習? を知っていたかは判りませんが、まあ知らないひとも唄うよねこれは(笑)。極めて自然発生的だったというか、何度もいうがもううたわずにはおれんってやつでしたよ。私もゲラゲラ笑い乍ら唄いました。楽しい! 楽しい!

しかしふと我に返ってまず思ったのは、あれ、音ちいさい? ということ。スピーカー前にいるにも関わらず。そもそもアルバムの「〜Millionaire」の音源が、最初ちいさくてブレイクを境に爆音という演出なのですがそれを考慮したものかな……とは思うものの、中盤くらい迄やっぱりちいさく感じた。これは…自分の都合もあるかもしれん。二年前のブンブンの音が未だに記憶にこびりついてるってことだ。ホワイトはあれが標準みたいな思い込みが出来ているのかも。じき慣れた。

ゴリッゴリのリフがゴリッゴリに連発されるゴリッゴリのゴリッゴリで、感想といえばもう最高かばっかりなんですが、ふと思い出したのは、アベフトシが亡くなったときに鮎川誠が寄せたコメント。「リズムを刻みながらリフを入れていくスタイルっちゅうのは、ほかからお呼びがかからんギタリスト」「ひたすら刻む。それがロックの基本っちゅうのはみんな当たり前と思っとるけど、どうしても派手なところに目がいってしまう」「そうやって弾くのはストイックやし大変やし」。バンドに必要とされ、バンドサウンドに献身的ともいえる音を出しつづけるギタリストについて。リフの積み重ねが強度に繋がる、バンドならではの音の塊について。

Qには最大三人のギタリストがいる。曲によっては三人がユニゾン、あるいは三度、五度違いで同じリフを刻む。刻みまくる。ときには絡み合う。ゲストを多数迎えて活動してきたQ。旧友ニックがいない今、長年「ジョシュのプロジェクト」というイメージがあったQ。しかし、今回観たのは「バンド」だった。バリッときめたスーツとともに演奏もスタイリッシュなトロイ、曲に応じて楽器を持ちかえ、レコードのサウンドをライヴで甦らせるディーン、ワンパクか! といった挙動乍ら安定のベースを弾くマイキー。五人が一体となったかのような音の塊。「Sick, Sick, Sick」とかもー、低音のリフでゴリッゴリに進んだあとにはペンペン草も生えませんってな破壊力でした。戦車か。この日のハイライト。

そしてセオドアのドラム! 長年デイヴ・グロールのイメージがしみついていた『Songs For The Deaf』からの楽曲を今の音で聴くことが出来た。特に「A Song For The Dead」はデイヴの音からやっとこ更新出来ました。ソロもよかったねー。おっもい音がもたって聴こえたりもするのですが、いやいやこのリズムが低音リフのボトムだわ。まとわりつくような粘っこさなんですよね。何せ石器時代の女王様、恐竜の歩みで地面もめりこむ重さです。最高か(何度いうか)。

で、ジョシュ。いやーもうーキャーってなもんでな〜。はー。193cm(だそうで。調べた)の長身でくねくね踊り、コームをとりだし乱れた髪をなおすアクション。この俺スタイル、笑いと紙一重のカブキもんだわ。ファッションからして50's(敬意を表して今年はスカシャツ着ていきましたよ!)、その容姿はプレスリー、とクラシックなアメリカを感じさせる格好よさ。あれよね『欲望という名の電車』のスタンリーとか演じさせてみたいですね(笑)。冒頭杖を掲げるアクションも非常に劇場的。それがいちいちキマるもんで、このひと何考えてるかほんと判らない。人間性も見えない。でもこのひとのつくる音は信用出来る。そういう意味では本当に不思議なひとですね。音楽に背景を求めてしまいがちなリスナー(自分もそうなりがちだ……)を拒否するようなスタイルを見せ乍ら、それでも会えなかった十数年を一瞬にして埋めてしまうドラマを用意してくれた。

杖のアクションは演出だったの? と思ってしまう程に踊り、ステップを踏んでいたジョシュの動きがだんだんぎこちなくなっていく。「ラブソングだよ」といって始めた「Make It Wit Chu」はエレピの弾き語りで座奏、このメロウな流れはいいなーと思ったけど、膝の状態を考慮してのことだったのかもしれない。最後の「A Song For The Dead」ではふらつく場面もあり、やっぱりかなり悪いのかも……と思う。そうなるとあのタコ踊り(と呼ばれていた・笑)も、痛みを見せないためのカモフラージュだったのかな。いやあ、しかしあの踊りには笑かしてもらいました。ショウマンシップだね……。装飾なしのステージ、照明も単色の切り替えでシンプルな効果。それでもシビれる格好よさ。ロックバンドの真骨頂、見せていただきました。

三日後、八月のショウのキャンセルがアナウンスされました(Queens of the Stone Age Cancel Outside Lands Set Due to Injury | Pitchfork)。相当キツかったのだろう。それでもきてくれた。有難う、しっかり休んで治してください。そして今度は単独できてください!

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セットリスト(setlist.fm
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01. You Think I Ain't Worth a Dollar, but I Feel Like a Millionaire
02. No One Knows
03. Monsters in the Parasol
04. Smooth Sailing
05. I Sat by the Ocean
06. Misfit Love
07. Burn the Witch
08. Sick, Sick, Sick
09. Feel Good Hit of the Summer (with "Clint Eastwood" (Gorillaz) snippet)
10. If I Had a Tail
11. The Way You Used to Do
12. Little Sister
13. The Vampyre of Time and Memory
14. Make It Wit Chu
15. My God Is the Sun
16. Go With the Flow
17. A Song for the Dead
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Note: ''First it Giveth'' and ''The Evil Has Landed'' were on the setlist, but not played.
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・QUEENS OF THE STONE AGE | FUJIROCK EXPRESS '17
ちょっとやってる曲とかに間違いがあるので画像用として。

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その他。

・ごはんとおやつ
OASIS:プリンスホテルのフランクフルト、ステーキプレート
AVALON:朝霧食堂の朝霧シチュー
FOH:ルヴァンのカットチーズ
FOH:ロータスカフェのアイスコーヒー
ORANGE CAFE:ジャイタイのライチアイスティー
FOH:さくらぐみのマルゲリータピザ
BLUE GALAXY:葡呑の稲荷寿司としじみのみそ汁
一日参加では限界がある。こんだけしか食べられなかった…こんだけとかいうか。いや、シェアして食べてたりするんです(いいわけ)。
久しぶりにさくらぐみのピザ食べられたよーやっぱうまいねー! Ben & Jerry'sのアイスクリームは今年はいなかった。OASISのおにぎり屋さんが二年ぶりに復活してたけど食べられなかった。
ワールドレストランがなくなって、その分飲食エリアが広くなってた。パエリア屋さんはどこにいったんだろう(泣)。でも新出店のおいなりさんがおいしかった。色とりどりでかわいくてインスタ映えしそう。

・越後湯沢駅
近年はおみやげだけじゃなくて野菜も買ってかえっている。今年はズッキーニと万願寺唐辛子、うまーいおっきーいやすーい。神楽南蛮がなかったのが残念。
『を待ちながら』のチケットをとらねばならなかったのでWi-Fiあって助かった。年々便利に、そして国際的になってってますね。

Sake to me baby

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ジョシュがちいさな袋さげてて気になる。何買ったの! てかブロディのインスタ面白い……日本を楽しんで帰られたようでよかったです。

うえーい楽しかった。また行けるといいな!