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2016年03月21日(月)
Joan of Arc 20 Years Anniversary Japan Tour

7e.p. presents Joan of Arc 20 Years Anniversary Japan Tour@TSUTAYA O-nest

対バンはmouse on the keys、こちらは十周年(十年目?)。二十年選手でもヘンテコに瑞々しいJoan of Arc、十年選手でも生きがいいmouse on the keys。数々のインディーバンドを紹介し続けてきたnest二十周年記念公演でもあります。みんなおめでとうおめでとう、そしてありがとう〜。楽しゅうございました!

先攻はmotk。ホーンゲストなしの三人編成でしたが、川崎さん側のステージ袖にマニピュレータらしき方が。「Reflexion」とか、楽曲によってsxやtpのソロが入るパートが三人だとちょっとさびしくなっちゃうんですね。リズムに変化をつけることで対応してはいるものの、基本的にその部分はリフになる。ホーン入りを聴き慣れているとちょっと我に返るのです。今回はマニピュレータがその部分に音を入れていた。ホーンのフレーズそのままではないのでいいアクセントになってました。VJも兼ねてたかも。そういえば先日のUNITも今回も、川崎さんが演奏前にイヤフォン装着してノートPC操作する場面がところどころあったけど、あれは何なんだろう。シンセとして使っているようには見えなかったが……イヤフォンも演奏始まると外してたので、モニターでは使ってなかったと思う。だいたいあの演奏でイヤーモニターもなかろう。

ほぼ二列目だったので、間近で演奏を観られた。そもそも毎回なんであんまり見えないんだっけ? と思っていたのだがあれだ、座奏だからだ。JOA観てたときさっきよりやたら視界いいなあ、なんでだ…と思って今更乍ら気付いた。三人とも座ってるから低いんだわ(笑)。スタンディングだとフロアに傾斜がかかってないし、ちょっと後ろになるとなかなか見えないわね……。今回は三人の手元や表情をじっくり観られてよかったなー、清田さんの眉がだんだん減ってきているようなってヘンなとこ迄気付いたなー。まあそれはともかくエラい迫力でした。音圧もすごかったし。タイトなドラミングでずれていくスネア、ゆるむシンバルのナットを川崎さんが曲間に、演奏し乍らなおす。あれだけ叩けばねえ、そりゃねえ。清田さんが単音弾くときの指は、ねこが獲物を爪でひっかけるような仕草だね。ねずみバンドなのに(笑)。あとどの曲だったかワンフレーズずらして本編に入ったやつがあったなあ、セッティングし乍ら叩いていた川崎さんの拍が動いたとき、咄嗟に新留さんが合わせた感じだったか。ブリッジ部分をインプロで進めていくときはアイコンタクトがあるけど、のってくると全員目閉じている場面も。練習好きとしても知られていますが、もう身体にたたっこまれてるんだろうなあと思った。

「Joan of Arc、ハタチ。おめでとうございます! 我々も十歳なんです。ハタチと十歳じゃあ、ねえ……僕らもあと十年は続けたいんでがんばっていきたいです」。頼もしい!

後攻Joan of Arc。「JOA20」とかたどられたバルーンがステージ後方に飾られました。かわいい。当方Owenをうっすら聴いていた程度でJOAのメンバー構成もよくわかってなかったんですが、キンセラ弟は今はいないんですね。で、キンセラ兄さんは脱力ヴォーカル脱力ダンス、ふわふわと気持ちのよい音を奏でているかと思えば突然鬼神のようなギターを弾くのだった。よ、読めない! どう展開するか見えない! そういう意味でもスリリング。時間を忘れましたよね……。

7e.p.のツイートで紹介されていたフェイクギターってなんだ? と思っていたのですが、実際に見てようやくわかった。メリーナが演奏するギターはのっぺらぼう、つまり弦を張っていないギターなのでした。本体もギターそのものじゃなかったような…素材も軽いものなんじゃないかな。そのギターをコツン、コツンと叩く音色でスタート。フェイクギターは打楽器だった! しかし個人的にはどんな楽器も、声すらも、空気を叩いて震わせ音を出すという意味では打楽器だと思うんだよな。そんなことを思い出させてくれるプリミティヴなステージ……と思いきや、飛び交うシンセ音、そこへたたみ込むドラムとギターリフから生まれるグルーヴはかなり強力。なんでこのメンバーが一緒にバンドやってるんだろう…と思うような、好き勝手やってるというか思い思いの演奏スタイル、連想するのは鷹の爪団。そんな彼らは音で一体感を見せてきた。楽しくてぐふぐふ笑いがもれる。ノイズ大会で大団円でした〜。

キンセラ兄さんの挙動はおかしくなる一方で、森を徘徊するくまのよう。終盤は前方のオーディエンスの首に巻くコードをまきつけたり、頭をつかんで乗り出したりしていた。お客がみっしりだったらあのままクラウドサーフしたかったのかもしれんが……。motkで耳がやばくなったのでセッティング間にさがっていたのですが、あのまま前にいたらキンセラ兄さんに頭つかまれてたのかと思うとホッとした反面惜しい気もした(笑)。や、なんかご利益ありそうじゃないの、キンセラ兄さんのシャクティパット。

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・文化を作り上げた名店ライブハウスO-nestの20年を店長らに訊く - インタビュー : CINRA.NET
「海外のアーティストは『すでに大きくなった人たちを大きいところで観るもの』っていうイメージだったと思うんです。だから『ライブハウスでも海外のバンド観れるんだ!』っていうのは驚きだったし、それによって、洋楽が好きな日本のアーティストも集まってきて、ネストにひとつの潮流ができてきたんだと思います」
「同じ夜はないと思って仕事してください」
いい記事! そういえば初めて観たnest公演って岸野雄一社長のイヴェントだったなあ、岸本店長になってから今の路線が固まったんですね。確かに2000年代に入ってからはUSインディーの巣窟ってイメージがある(ネストだけに)。これからも個性的なブッキング期待してます!
そうそう、nestのごはんおいしいってどこそこで聞くけど、ごはんだけ食べに行ってもいいんですかね…(本末転倒)あのバースペース、交流の場としても魅力的です

・ライブハウス「SHIBUYA O-EAST」が「TSUTAYA O-EAST」に | BARKS
そういえばこの界隈、TSUTAYA傘下になってからTポイントたまるんじゃなかったっけとふと思い出した。どこで提示すればいいんだっけか、ついつい忘れるんだよねえ…今回は入場時にレンタルサービス券がもらえました