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2014年08月08日(金) ■ |
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『向日葵のころ 間に合うか?小林建樹、多分レコ発ライブ』 |
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8月12日、エンピツのフォームメールからこの日のライヴについてメールをくださったhotmailの方。お返事を送りたいのですがエラーでメールが返ってきてしまいます。お手数ですがご連絡先を教えて頂ければ嬉しいです。宜しくお願い致します。
(8月20日追記)連絡頂けました!有難うございました!
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『向日葵のころ 間に合うか?小林建樹、多分レコ発ライブ』@Koenji HIGH
小林建樹、青山陽一、エガワヒロシのスリーマン。「巨人動く!」とエガワさんが仰ってましたが、小林さんのレコ発ライヴでもありました。タイトルがタイトルだったものでドキドキしていたのだが、先月中旬新譜『Emotion』が無事完成、予約開始と公式サイトからアナウンス。安心して会場へ向かった次第(笑)。
トップバッターエガワさんはギターデュオ編成。これ迄バンド編成で聴いてきた楽曲をアコースティックな演奏で初めて聴いたのですが、歌の切実さが際立ってすごかった。真顔で聴いてもうた。エガワさんてトークが面白いんだけど、なんて言うかそのトークもどこか切実さを感じるんですよね…照れ隠しにも思えるところがあって。今回もトークでは面白いことばっか言ってましたが、歌いはじめるとうあー、音楽に取り憑かれてるひとだなあと思ってしまった。以前エガワさん、小林さんのことを「僕は音楽なくても生きていけるけど彼は音楽がないと死んじゃうと思う」と言っていたけど、その言葉は自分にも当てはまるのではないのかなと思いましたよ。
それは続く青山さんも同様で、お話はゆる〜いんですよ。「チューニングしてると話出来なくなっちゃうんでご歓談ください」とか言っちゃって。そもそも数十分の持ち時間で変則チューニング(しかも一曲毎に変える)の選曲をするところが流石です。セッティングに集中しちゃってMCが留守になってしまう…ソロでエレキの弾き語りなので、自分が喋らないとシーンとしちゃう(笑)。しかし演奏が始まると場の空気がガラリと変わり、あっと言う間に観客を惹き付ける。
この「のんびりニコニコ聴く筈が、あまりにも演奏と歌が凄まじくて気付けば真顔で聴いている」と言うのは今回の出演者全員に共通することです。「音楽に取り憑かれてる」音楽家の姿。ご本人は至ってリラックスしているようにお見受けしますが、その狭間にギョッとするような凄まじい表情を見せ、観客がいることを忘れているのではとすら感じさせる振る舞いを見せる。機を織る鶴の姿を見てしまったかのような気分になる。そうするうちに、彼らにしか立ち上げることの出来ない世界が眼前に現れる。
さて小林さんです、ソロ。ステージにギターがセッティングされているのを見てわーいとなる。ギター聴くのすごい久し振りー! 先月のライヴはサモアリと被ってしまって行けず、後日ご本人がこの日はギターでやったと日記に書かれていたのでガーンとなっていたのでした。ピアノマンの印象が強い方ですが、このひとのギターホント独特で格好よいんですよね。そのギター弾き語りで間髪入れずの冒頭三曲。ぶっとばされる。このリズムのなまり! また違う次元に行っとる!
カッティングのストロークと、ギターのボディを叩いて鳴らす音から編み上がるリズムのなまりがすごいんです。音を鳴らしてない間のリズムもちゃんとそこにあるんですよ。なんか頭のおかしいこと書いてるな…説明が難しい……あのーなんて言えばいいんだ、演奏者の頭の中には複数のリズムが鳴っていて、アウトプットしているのはギター弾いてるコードのパートとボディを叩いて作るパートのふたつ分なんだけど、あといくつかのリズムが同時に流れているの。その発音されないリズムは間として現れるの。その間と実際に出ている音のリズムでなまり…グルーヴが生じるの。これいつ頃からだったか…ピアノでも顕著になってたんだけど、十本の指で和音と単音を駆使するピアノではそこ迄間はクッキリ表に出て来ない感じだった。パーカッシヴギターだと音数自体が少なくなるからその辺りがすごくクッキリした。
いやもうこれには真顔どころか真剣に聴き過ぎて頭が痛くなりそうだった(バカ)。このひとり脳内ポリリズムたるや…この! これが! 音楽家の頭のなかで鳴ってる音をお裾分けしてもらっているこの有難さよー!!! それがここ迄ポップな音で響くことよー!!!
はああ、自分の文章力のなさがいやになるねー! 以下おぼえがき。記憶で起こしているのでそのままではありません。
・『Emotion』からの楽曲中心。ここ数年のライヴで演奏されたものが多く、演奏もこなれている…ふりをして、その場その場で新しいアイディアを組み込んでいるのでどんどんグレードが上がっている感じ ・なので、聴く度に楽曲の新しい顔が見える。本人もお披露目か練習かって意識の境目はあるのかないのか…間違えるとごまかすことなく弾きなおしたりするし、同じフレーズを繰り返して曲の前後を行ったり来たりするところもあるのだが、それ全部がもう作品になってるんですよね…はー……
・よく「アイディアはどんどん出てくるんだけど弾くのが難しい」って仰ってますよね。頭のなかの音に手が追いつかない感じ ・この日も「『光秀の定理』(だったかな?)を読んだりして明智光秀のことがすごく気になってて、そうなると大河ドラマ『明智光秀』の音楽とかどんどん浮かんで」「演奏が難しくて弾けないので今日はやらない(笑)」つってました。ちょ、いつか聴かせて! ・恐ろしいのはその手がライヴやる毎に追いついてってることではないか。本人そこ迄行ったときにはまたもう次の山に頭が行ってるんだろうけど
・「今回のアルバムは作曲もー、演奏もー、ミックスもマスタリングも全部自分でやりました。袋詰めもやったしい(笑)」「でもそういうの、なんかいいなあと思ったんですよね」 ・「前作『Rope』はあらかじめあった曲を選んで並べた感じだったけど、新譜はアルバム全体の構成を練って練って、レコーディングするときにはもう方向性もしっかり決まっていた」「だから、レコーディングは標識通りに道を作っていく感覚だった」 ・「だから一枚通して聴いてほしい」「近頃は配信とかあるし、アルバムを通しで聴くとかもうないと思うんですよね。自分もそうだし」「でも、そういうアルバムを作ってしまったんですねー(笑)」 ・「でも、飽きひんように、飽きられないように、興味を持ってもらえるようにと言うのは常に考えて作ってる」 ・「興味と言う山にしがみついてる。落ちると死ぬからね」 ・「発表してない楽曲もまだある、発表しないまま死んじゃったりすることがあるかも知れないので車の運転とかすごく気を付けてる」 ・死んじゃうとか言わないでー(泣)ことだまことだま。しかしいつでもそういう気持ちで作ってるってことですよね…音楽に取り憑かれてる……そりゃあの窪田晴男も脱帽する(ust参照)……
・「アルバムの曲はバンド(Drs:宮川剛、B:千ヶ崎学)編成とソロと、交互に配置してます」「今日は全部ひとりでやるけど」 ・「『フリージャズ』は今日はひとりでやりますが、ホントはひととやった方がいい曲です(笑)音源を聴けば判ります」 ・「YouTubeにMVもあげていこうと思います…今はMVて言うんですよね、昔はPVて言ってた。エガワくんにどうやって撮影して編集するのかとか教えてもらった」
・「『Rope』の売り上げを入れてる口座があって、それを新譜作る資金にしました」「なので『Emotion』の売り上げで、また新しい作品出せたらいいなって」「お金の話ばっかしてますがー、お金大好きですから(笑)お金、だいじですよね」 ・「新譜が出たって拡散してください(笑)最近拡散してって言うの好きなんです」「新譜が出来て、宣伝しなきゃ! て電話をかけ始めたんだけど、三人目くらいでもうイライラしてきてやめた」「今日は呼んでくれて有難うございますー、呼ばれなかったらいつ迄経っても出来上がらなかったと思う(笑)」 ・エガワさんはじめいろんなひとが「ライヴやらないし作品出ないし、こんだけの才能持ってるひとがなんでって!」と言ってましたがホントよね…でも自分のペースでやれるのがいちばんですけどね…… ・こちらも小林さんの作る音楽には取り憑かれてるんで待ちますしね。だから死ぬとか言わないでー!
・本編最後は出演者三人でTHE BEATLESの「All You Need Is Love」をセッション ・全員出て来たときは「久し振りだね」とか、世代、事務所が一緒でとか言う話、老眼の話(笑)なんかしてたんだけど、何故セッションにこの曲を選んだかと言うところからシリアスな話を小林さんが始める ・「ブライアン・イーノがデヴィッド・バーンに送った手紙ってのを読んで、うー、となって」「難しいことはよく判らないしどちらがいいとかも言えないんだけど、でも…その手紙で、死んだこどもを棺に、いや棺なんてものでもない、容れものに入れて持ってる親の話が…ぎいい、ってなって」「ジョン・レノンって本当にすごいなと思って」 ・祈りのような演奏でした。聴けてよかった。この場にいられてよかった --- - David Byrne - Gaza and the Loss of Civilization - 邦訳『ブライアン・イーノ デヴィッド・バーンへの書簡でガザ虐殺を激しく非難』|Fuck The Fuckin' Fucker ! ---
・演奏後、エガワさんがジョン・レノンの遠〜〜〜〜〜い親戚と言う話が出てどよめきが ・青山さんが「間に結婚が入ってるってことは血は繋がってないんだね」と冷静なツッコミをしてた(笑) ・「ジョンの魂を継承していきたいと思ってますよ! ハウスハズバンドもやってますし!」とエガワさん。また和ませてくれましたよ……感謝
にゃむじさんとも久々に会えたし、行ってよかったなあ。『Emotion』の販売はこちらから。是非聴いてみてください。
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セットリスト
01. 告白 02. 絵になる大人 03. 満月 (以上Ag、以下Key) 04. few(Instrumental) 05. 果実 06. フリージャズ 07. マリオネット(新曲/Instrumental) (07のアウトロと08のイントロがインプロで繋がってました。このインプロがまたもうねえ) 08. Spider 09. 禁園 10. 夜行虫 --- 11. All You Need Is Love(THE BEATLES' cover、w/青山、エガワ) --- encore 12. ブレス
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