初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2014年05月11日(日)
『地球を守れ!』

『地球を守れ!』(DVD)

2003年作品。原題は『지구를 지켜라!(地球を守れ!)』、英題は『Save the Green Planet!』。『浮気な家族』を観てしょんぼりしたので、気分を変えて楽しそうなのを観よう…と選んだのがこれ。『甘い人生』のファン・ジョンミョン出演とパッケージに書いてあって、これフィルモグラフィになかったよな…『浮気な家族』と同じ頃だけどカメオ出演でもしてるのかな?そして「ジョンミョン」?「ジョンミン」じゃなくて?と訝りつつ観てみたら、出ていたのは女優さんのファン・ジョンミンだった。『甘い人生』に女優さんの方も出てれば嘘じゃないんだけど、出てないっぽいんだよね…調べた限りだけど。そして特典映像での字幕は「ジョンミン」だった。微妙だわ!微妙だわ!

しかもね全然楽しい内容じゃなかった…パッケージ写真は楽しそうだったのに……とっても悲しい話だった……。あのねえ両方観てるひとにしか通じない話をすると、『ノストラダムス滅亡録 〜遺伝子の新世紀〜』を思い出しましたね!水橋くんが土を食べるやつですよ!内容はかなりトンデモなんだけど、役者さんの迫真の演技と切迫感溢れる演出で、いやこれあるかもだで…とつい引き込まれ、ツッコむ気が失せる。

地球が危機に晒されている!人間に姿を変えて地球に潜伏しているエイリアンがいる!そいつを捕えて秘密を暴き、地球を守らなければ!お手製の道具を駆使してとある要人を拉致し、拷問を続ける主人公とその恋人。事件を追う警察。徐々に主人公と要人の関係が明らかになっていくのだが……。

つくりとしては『星から来た男』の兄弟みたいでもあった。こどもの頃に受けた傷、失われた家族、狂気と正気の挟間にある真実。主人公の言動を信じていいのか?事実はどちらだ?それでは真実は?この揺さぶりの激しいこと激しいこと。ああ、主人公の悲しい妄想だったんだなと思わせられるような秘密が明かされたかと思うと、要人の的確な謎解きにあれれ、ひょっとして……?と迷いが生じる。果たして辿り着いたのは?主人公を演じるシン・ハギュンの瞳が印象的。殺人鬼の澱んだ瞳、愛する者を失った悲しみの瞳。薬物の力を借りて自分を奮い立たせ、妄想のなかで溌剌と敵を倒す。その弾けるような笑顔!沢山の魅力的な顔を見せてくれました。

要人役ペク・ユンシク、ひとり芝居のシーンは文字通り独壇場。マネキン用のワンピースを着てのアクション、笑えませんもん…もはや格好いいよ……。そして女優さんのファン・ジョンミンは主人公への愛を貫く心優しき曲芸嬢。タイツにバレエシューズの脚がクローズアップされるシーンが幻想的でもありました。はぐれ刑事と彼を慕うイケメン刑事のコンビもよかったな。

SFX、アクション、心理戦と見どころも盛り沢山。バラエティに富んだ作品でした。チャン・ジュナン監督、今月日本公開された話題の『ファイ 悪魔に育てられた少年』を撮った方でした。

いやはやしみじみした。兄さんは出てなかったけど、珍しいタイプの作品で面白く(悲しかったが)観られたしいいか…いつ出て来るんだ、端役だったらと見逃しちゃうかもと気が休まらなかったが。おーもりくんが十秒程出ている『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』を必死で観たことを思い出した(笑)。

おまけ:こっちでもピンポーン♪をディンドンダーン♪て言ってた。成程ー(『ダンシング・クィーン』参照)