I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
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2014年03月20日(木) ■ |
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『新しき世界』二回目 |
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『新しき世界』@シネマート新宿 スクリーン2
新宿での上映最終回に行ってきました。ああ待ち遠しかった!この一ヶ月って何だったんだ…来日ラッシュにも程が……しかも一軍ばっかりだったからな!仕事もちゃんとやってます!大人だから!映画館に行けないジリジリ感のなか、twitter経由で沼先輩たちによる考察やヒントや萌えを浴びるように読めたことはホントーに有難かったです。監督のインタヴューや本国でのレヴューもいろいろ教えてもらった……おかげでとても有意義なリピートになりました。で、それを確認出来たらますますまた観たくなる病が。ほんっと恐ろしい作品な!もうこの一ヶ月の転がり落ちっぷり、自分でも怖いわ!(満面の笑み)
あのときのあれがこの伏線、とかあの仕草にはこんな意味が、と言うところを注意して観ていくと再発見が続々。以下おぼえがき。まるっとネタバレしてますよ。
・煙草を誰と誰がいるときに誰が吸うか吸わないか、これホント大きなポイントだった ・葬式のときの動線とか誰が誰に寄ってくかってとこでも力関係が丸見えになるんだよね…注意して観てたらホントあからさまだった。厳しい…… ・で、ジュングかわいそう!となる ・喪章(腕章)の線の数の意味とかも教えてもらってから観たらいろいろと思うところが…せつない ・こうやってみると、おとなりの国なのに知らないことが多いわ韓国。ウチの実家(宮崎)近いから小学校で交流行事とかあったのに!書き初め交換会とかやってたのに! ・最近熊本出身のひととも話題になったんだよね。朝鮮飴ってお菓子あったよねえって。朝鮮漬ってのもあって、今思えばあれって白キムチだわ。ラーメン鍋とかチョンゴル鍋とか普通にスーパーにあったで(なんか日本用の品名になってたけどあれはそうだ) ・普通に北京鍋もあったよ(これは中国か) ・そういやウチの親は台湾からの引揚者で、帰るとき仲良くしてたおうちから食器とかいろいろ貰ったって言ってたわ ・いろいろ国がまざってますが、改めて九州って土地のことを考えましたわ
・話が逸れた。そうなんだよなー、外国の映画を観ると言うことは、作品を通してその国の文化や慣習を知ることでもあるんだわと改めて思いました。で、もっと知りたくなるね!
・初見ではジャソンとチョンチョンの関係性があまりにも感動的で、終盤はもうふたりのことばっか考えちゃってたんですが(笑)、リピートすると他のひとのこともそうだったそうだったと観られるようになってきます。ホントリピート出来てよかった…… ・課長やジュングのことが気になっちゃってなー。今となってはどっちもかわいそう! ・出所(てか証拠不十分で釈放)して誰も迎えにきてなかったときのジュングの心情を思うとつらしまだよ
・ここで改めて初見時思った、ホンの「手札の出し順が絶妙」ってことを思い返す訳ですよ ・「たら」「れば」の逆版と言うか、「登場人物があのときあのことを知っていれば、事態は全く違う方向へ転がった」「知らなかったからこういうことになった」と言うのが、時間を遡ることで判明する構成なんですね。事情を知ってから見直すと、その擦れ違いがまざまざと浮き彫りになる。それも数分、数秒単位の情報で
・特にすごいと思ったところを整理して書き出してみます。これもはや自分の頭の整理のためだわ ・チョンチョンたちが襲撃された場に何故ジャソンがいなかったのか?それは課長に呼び出されていたから ・課長はジャソンに「おまえが裏切ったと思っていた」と言う。過去に同じことがあった(部下に裏切られた)、と ・課長がそう思ったのは、シヌとソンムが警察側の人間だと言うことがバレて殺されたから。直後課長はジュングを呼び出してチョンチョンの(偽)情報をつかませる。ジュングは「毒を呑む」ことを決意し、チョンチョン一派(勿論ジャソンも含まれる)を潰す指示を出す ・その後シヌたちの情報が漏れたのは、ジャソンからではなくハッキングによるものだったと判る ・そのハッキングによってチョンチョンはジャソンが潜入捜査官だと言うことを知っているが、倉庫でシヌとソンムを惨殺した際それを隠したままにしておく ・ジャソンは裏切っていないと気付いた課長は彼を襲撃から救い、ジャソンが潜入捜査官だと言うことを知ったうえで手を下さなかったチョンチョンは結果命を落とす ・そしてチョンチョン葬儀後からのジャソンの動きの早さ、鮮やかさ ・チョンチョンの死によって迷いが消えた。課長の言うとおり「本物」になった ・この緻密な構成。登場人物たちの心の擦れ違い、ずれていく思惑……唸るしかない。恐るべしパク・フンジョン
・課長はチョンチョンを見くびっていたとも言えるなあ。デキるやつだったんだよ彼は…あの軽そうな言動の裏には、課長が想像しえない顔があったんだよ ・そーなんだよ、そこで前回気になっていた「会長の事故は仕組まれたものか?誰が仕組んだのか?」と言う疑問、やっぱりチョンチョンだなあと私は思いを強くしました ・「流通担当」ってところがあのトレーラーを調達するのに丁度いいと言う具体的な理由付けもあるにはあるが、それだけじゃなくて ・六年前のアホの子チンピラが何故ナンバー2に迄上り詰めたのか。ジャソンが一緒にいたからと言うのは間違いなくあるが、そのジャソンと北大門組のことをチョンチョンは「家族」と決めたからなんだろうなあと。ここらへんから妄想が酷くなりますので読まれる方は注意(この長文を読んでるひとがどこにいるんだYO!) ・一度家族と決めたからには絶対に裏切らない。絶対に見捨てない。韓国華僑であるチョンチョンは、ひと一倍この思いが強かったのではないか。そして家族を守るためには組を大きくするしかない ・なんかそう考えると、ラストシーンがますますせつなくなるよね。そんなこと考えなくてふたりで暴れてればよかった頃のこと ・ジャソンもなー、潜入捜査官だってことを忘れるくらい楽しかった瞬間があった筈だよ、チョンチョンと過ごしてたあのときはさ ・そして死の床でのあの対話ですよ。チョンチョンの言葉を受けてジャソンは「選んだ」 ・せつない……
・つったら課長もなー。ジャソンのこどもにプレゼント贈ったり、お悔やみ言ったり、シヌが死んだあと煙草やめたり、情を感じさせる部分がね…… ・部下を信じたい気持ちと職務と正義感と。そこには自分の利益がどうこうって感じないもの。昇給とか昇格とかに意義を感じてなさそうだもの ・誰も〜幸せにならない〜! ・つらい〜!
・で、チョンチョンも課長もジャソンを守るためにとった行動が命取りになると言う…… ・なんだ、ジャソンはセイレーンか。そーだよ海によくいたもんねー(真顔で)
・あとお楽しみ部分。メイキング映像見まくったので(web有難い。しかし限界があります!日本でソフト化する際日本語字幕つけて特典で入れてください!入れてください!)ファン・ジョンミン兄さんのアドリブ部分をニヤニヤして観られました ・ここもアドリブかよ…と言う……すごいわ……… ・あと倉庫でジャソンの身元がバレるかも?と言う場面、イ・ジョンジェさんの汗だらっだらはホンマモンだそうで。役者ってすごい ・あんな汗だらだら表情狼狽しまくり、潜入捜査官はボクでーすて言うてるようなもんなのに、それに気付かないふりをするチョンチョンの心情を思うと胸が潰れるわ!何度でも言うわ! ・携帯がチョンチョンファミリーはBlackBerry、ジュングファミリーはiPhone ・ごはんは皆で中華でわいわい!なチョンチョンファミリーと朝から優雅にステーキ!なジュングファミリー ・初見は組の若手が多過ぎて顔が憶えられなくて、この子どっちのファミリーなんだっけ?と区別するのが大変だったんだよね……。今回憶えてきてるから葬式とか病院でどっちがどっちにかたまってるか見分けがついたんだよ ・そして当然初見ではソンムのことはいじられ部下って目で観てたんで殺されたときホントにビックリしたのね(簡単)。だから今回は序盤からソンムのことすごい注意して観られたよ! ・ソンムの下くらいの、いぬみたいな子のことも気になりましたね。かわいいと言う意味でも(…) ・そしてジャソンが囲碁の先生と会ってるとき、下で待っててじゃれあってる部下が映るとこもな…ちょっとしたシーンだけど余韻があるよね。数年前のチョンチョンとジャソンがあそこにいる、と言う ・タメ口が聞けて、一緒に煙草が吸えるような仲ではなくなるときが来るんだなあと言う…… ・せつない
・そして指摘されて気付きましたが、ジャソンとチョンチョンの傷!同じ右手を怪我するんだ ・こういう対比、監督どこ迄意図的なのかなあ ・監督が「ジャソンはチョンチョンにとって幸福の象徴」とか言ってたのがね。こうありえたかも知れない自分、魂の双子ってなことも言っててね……(泣)
・あと余談ですが、初見でドスなの?と思った刃物はやっぱ刺身包丁ですよねーヒー ・監督が独身だと明言していたチョンチョンですが、左手薬指に指輪してる写真があったり、ジャソンに「ボスの奥さんにあげればいい」と言われたりするシーンがある。これ編集ミスとは思えないのでいろいろ考えちゃいますね ・でも葬式でいなかったもんね…これ決定的
ああ、なんて奥深く情深く罪深い作品。ここ迄ネタバレしといてなんだがおススメですホント!都内では六本木でまだやってます、気になる方は是非に!是非に!私もまだまだ観たい!
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余談。この最終日、ポストカードプレゼントがあったんですね。しかしわたくしもらえなかったのです。受付時にくれなかったので入場時にくれるのかな?と思ったらやっぱりもらえなくて。後ろにいたおねえさんに受付でもらったんですか?と訊いたらええと応えられガーン。とぼとぼ席に着こうとしたら、そのおねえさんがよかったらどうぞとポストカードを差し出してくださる。よっぽどものほしそうに見てしまったらしい(恥)。
いやでもあれですよ?この映画素晴らしいんですよ!?終わった後おねえさんもこの沼にはまってポストカードほしくなるかも知れませんよ!!??と心の中で叫んだが、ホントに言ったら気味の悪いひとなのでいえいえ終映後受付で訊いてみますから…と大人の対応を今更乍らにしてみる。しかしいいのいいのとそのままくださった……。有難うございます有難うございます。
終映後改めてお礼を言ったところ、にっこり笑っていえいえと仰った。どうでしたか?とは訊けなかった。が、楽しんで帰ってらしたようなのでよかった。ダメなひとはもうファーストカットからダメだろうし、この手の映画が好きな方ではあったのだろう…は、はまってるといいな……。
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