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2013年09月28日(土)
『猫背シュージ vol.6』、『冒した者』二回目

『猫背シュージ vol.6』@下北沢SHELTER

猫背椿×オクイシュージのミニトークライブ=『猫背シュージ』第六回。「構成とか雑務とかトークお手伝いとか」は楠野一郎さん、ゲストはSNATCH選抜メンバーの久保田くん、後藤さん、河野くん、門田くん。「猫背椿の美味しい料理をいただく会」はしばらくお休みのようですね、猫背さんからのお話は復帰後初の連ドラ『斉藤さん2』の現場の様子、そして育児についてなど。今回は夏に上演された、楠野さん作・オクイさん演出のSNATCH『プロジェクトB』についてが主な話題でした。反省会っぽく記録映像を流し乍らコメントしたり、各メンバーについてのアンケート回答を発表したり。『プロジェクトB』を観てるとより楽しめたかと思いますが、観てなくても解説があったので大丈夫だったかな。

タイトルからも判るように、ジャッキー・チェン映画へのオマージュが盛り込まれた舞台。JAC(現JAE)所属歴もある河野くんとオクイさんがジャッキー映画を観まくって、アクションの振付をしたそうです。実際のジャッキー映画と舞台の映像を続けて観るとそれがよく判って面白かった。そしてそのアクションを二倍速で流すと、よりジャッキーに見えるんだよ!と楠野さん。二倍速するとおおお、ホントだ!キビキビ!それだけ丁寧に振付を再現していたSNATCHの皆さんすごい〜と思いましたし、二倍速にしなくてもあのアクションが出来るジャッキーを改めて尊敬した…すごかった〜。あと『誘拐報道』の例のシーンのオリジナルを観て「こーれーかー!」と皆で納得したりした。当時観たけどこんな細かいとこ迄憶えとらんわ!(笑)楠野さんの映画愛を思い知りましたね。

とにかくアクションが激しかったので、「頼むから事故だけは起こらないでくれ」と思っていた、とオクイさん。その後「誰かは怪我すると思ってたけどね。誰も怪我しなかったのかよ〜」なんて毒づいてましたが、こうやってところどころ顔を出す、オクイさんのマジコメントを聴けるのも楽しいです。「じゃあやってみればいいじゃない!同じ予算でね!!」も名言(笑)。

あと千秋楽にオクイさんが飛び入り出演して、本人としては内緒で衣裳とか小道具とか作ってサプライズにしようと思ってて、実際うまく行った(と思っていた)そうなんですが、この日門田くんに「実は皆気が付いてました」と言われしゅんとしていた。かわいそうに…(笑)。その飛び入りしたときの扮装が『八つ墓村』のあれ(山崎努)で、楠野さん曰く「この山崎努が走ってくるシーンは日本映画史上最強に格好いいシーンだと思っている」と力説、実際の映像を流したらこれがまーーーーー格好いい!!!!!すっかり忘れていたけど満開の桜が散るなかを走ってくるのね…あの扮装、山崎さんの形相のインパクトが大き過ぎて全景をちゃんと観てなかったんだなあ。山崎さんの走る姿、桜の色彩、スローモーションの演出、どれもが確かにシビれる映像でした。改めて観られてよかったよ……。

で、「役者はの到達点は山崎努」「役者は皆山崎努を目指す」とオクイさんと楠野さんで盛り上がり、猫背さんに「松坂桃李くんとかも山崎努を目指してるの…?」といいツッコミをして爆笑を呼んでおりました。

SNATCH選抜メンバーはオクイさんにいじられ放題でかわいかったわー。舞台に立つと格好いいのにね!久保田くんのレミゼナンバー独唱でおひらきとなりました。

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『冒した者』@吉祥寺シアター

二回目。うーん、やはり面白い。照明の使い方もよかったなー。演者が持つ懐中電灯の使い方も。顔だけを浮かび上がらせる照明は、どの人物が誰に興味を持ち、何を疑っているかのガイドになっている。序盤の食卓の緊張感も、その後の登場人物たちの関係性を把握するのに効果的。一度乗ってしまえば、三時間超の長さが全く苦にならない。

皆かなりの早口なのだが、分析や説明も「分析のための口調」「説明として聞き取りやすい台詞回し」で語られるので、内容が聞き取りやすく理解も円滑。これは出演者の技量が高いと言うことだよなあ…哲司さんのモノローグの説得力も素晴らしいが、長塚くんの、講義を聴かされているかのような歯切れのよい台詞回しも見事です。これらスピード感溢れるものいいと、松田くんのゆったりした言葉遣いの交差がいいリズム感を生んでいる。松田くんは「ガッカリしちゃって」「僕みたいになっちゃうよ」と言った特徴のある言葉にはっとするものがあった。終戦から少したった、現代とは少し違う、ちょっと懐かしさを感じる言葉遣いや言い回しが心地よい。松雪さんの江戸っ子口調も素敵です。それが段々狂気を帯び、「気っ風がいいにも程が…」と感じてきた丁度いい頃合いで明かされるその根拠。やっぱりこの芝居は芝居らしい、構成がしっかりしている。

と思うのは、前日譚である『浮標』から続けて観ているからだろうか。『浮標』にはなんと言うか、三好十郎が妻を亡くしたときの混乱が芝居のなかにも感じられるのだ。ひとの死には絶対的に抗えないもので、簡単には片付けられない。その決着のつかなさが、むき出しで芝居のなかにあった。そしてその『浮標』の再演で死にゆく妻を演じていた松雪さんが今回違う役で出演していることが、こちらの「芝居を観る」心構えを整えてくれたように思う。

それにしても美声揃いの出演者でしたね。江口さんも、まことさんも、吉見さんの声も好きー。桑原さんの「自分も他人も年中悪を犯しているような、罪を犯してるような気がしている」かのような声色もよかった。そしてモモちゃんを演じた木下さんは、松田くん演じる須永と、言葉を超えたところで通じ合っているかのような声を持っていた。

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想像力が豊かなひと程疑心暗鬼になりひとを信じられなくなる。医者の分析も、多くの所見を資料に想像力を働かせ、患者を診断する。

若宮や織子のように「本式に診てもらっ」ていない不明瞭な診断や宗教を心のよりどころにし、それに依存するようになるひともいれば、舟木のように分析をよりどころに自分を納得させようとするひともいる。彼らは理解し合うことが出来ない、理解出来ないことは恐怖を生む。その緊張感をスリラーとして観ることも出来る。ひとは自分の信じたいことだけを受け入れがちだし、信じたくないことには何かと不都合を見付けたがるものだ。それが夫婦の関係や、金が絡んだ契約に及ぼす影響は絶望的なものだ。信頼と言うものが如何に脆いものであるかを思い知らされる。

舟木の姿には、鴻上尚史の『トランス』に出てくる「分析するしかないじゃない!ねばり強く相手を分析して、自分を強くするしかないじゃない!答えなんて簡単に転がってないのよ!」と言った精神科医のことを思い出す。二十年も前に観た作品なのに、彼女の叫びは耳に残っている。そして『冒した者』の登場人物のなかで私の心がいちばん寄るのは舟木なのだ。分析に限界はある、そのことには気付いている。しかし、「お前の神さまは人間をこんなふうに作ってしまったんだよ!」と言う台詞には大きく頷いてしまうのだ。

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まああとあれだな…先月からの日記を読んでる方はご存知でしょうが、ここんとこの自分のAICドップリっぷりが酷くてですね…当時と同じくらい、いや当時以上にハマッている気すらする。怖い!こんなに引きずり戻されるとは!何がきっかけになるか判らないものだわ…レインは麻薬のような声の持ち主と当時言われていたものですが、今実感している!こうやって薬物とかアルコール依存のひとは再発しちゃうのね。いや麻薬やったことないですけど。アルコールもからきしダメどころかアレルギーなので依存以前の問題ですけど。もうやばいよ…ずっと脳内で曲がかかってるよ。芝居とかそういう、他のことに注意がいってるとき意外は鳴りっぱなし……。

そんな状態なので、今コカインとか言われると過剰反応し、即レインのことを連想する訳で。薬物ダメ絶対!誰か柳子さんをリハビリ施設に入れて!この時代ってまだ違法じゃなかったのかなあ…はあ〜。レインも逮捕とかされてれば強制的に施設に入れられて治療を受けることが出来たかも知れないよね…それにしてもなんで捕まらなかったのか不思議だ。あんだけアレだったのに。それ言ったらスコット・ウェイランドとかなんでああもよく捕まるんだ(笑)要領が悪いのか。って、要領悪い方がいい!むしろ!事程左様にひとの死と言うものは受け入れ難く…と『浮標』に感じる混乱とは、に繋がる訳ですよ。ああっ何が繋がるだ!繋がってるって思うのは私だけだ!(泣)……ホントすみませんね。