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2013年09月23日(月) ■ |
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『建てましにつぐ建てましポルカ』 |
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ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』@本多劇場
楽しかったっ、ほっこり。タイトル通り、建てましにつぐ建てましで迷路のようになったお城に招待された貴族が迷う話です。このワンアイディアで押し切るところがすごい。貴族はとにかくパーティやってる部屋に辿り着きたい一心でめちゃがんばる。その間由緒ある貴族と新興貴族のいがみあいやら乞食やら怪物やらお姫さまやら騎士やらメイドやら出て来て、しまいには悪魔も出てくるんですが、貴族の思いはただひとつ、とにかく面倒なことは見なかったことにして、パーティに行きたい!
かわいい…かわいそう……かわいいそう………。
お城で迷うってだけでこんだけ面白いものが。緩い難題が次から次へと降り掛かり、これどうすんの、最後どうなるの…と思ってたら、どうにも、ならなかった!見ないふり見ないふり、関わりたくない!パーティ行きたい!お城の後継者争いとか、魔法で呪いでとか、言ってこないで!聞きたくない!聞かなかったことにする!貴族がワイングラス持ってるとルネッサーンスて言いたくなる、言ったらどうしようなんて思って髭男爵の功績って大きかったんだなあと思ったりもしました(笑)。怪物もかわいらしくて。あの…緑色のゴン太くんみたいなの……わざわざ作るその熱意も素晴らしい。千秋楽後はどうするの、捨てちゃうの勿体ない、でも使いまわしには出来なさそうなあの個性。いっそぬいぐるみとかストラップ作ってグッズ販売すれば当たるんじゃないの、私あったらそれ買いたい、とか余計なこと迄考えるくらいですよ!
そして桃…パン……黒胡椒のローストビーフ………。腹が!減るわ!!
緩くて牧歌的で、意地悪なひとにもどっかしら愛嬌があって、ひとつひとつのディテールがこまやかで、とにかくかわいらしい。「貴いですぞ!貴いですぞ!」が自分内ではやりそう(笑)「鷹の紋章ですぞ!」「狼の紋章ですぞ!」ていちいち言うのとか。劇団の皆さんも客演の役者さんもそのキャラクターとして見てしまう、道ばたであったら「あっ、ピートだ」とか言ってしまいそう。
井ノ原くんの出演舞台『昭和島ウォーカー』を観たのが上田誠さんとの出会いでしたが、劇団公演を観たのは初めて。いやー楽しかったです。滝本晃司さんの音楽もかわいかった。終盤からタイトル通りのポルカが流れ出すのですが、これがまたいい感じに物悲しくてね。エンディングの曲とか笑い泣きしそうなせつなさでした。
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