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2012年10月12日(金) ■ |
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mouse on the keys『machinic phylum TOUR』 |
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mouse on the keys『machinic phylum』TOUR@UNIT
メインのツアーは久々、『machinic phylum』のリリースパーティです。これ出たの七月だから随分待ちました。夏はフェスシーズンなので、そちらへの出演が多くなりますね。
しかしこの構成演出と演奏はフェスでは観られません。メインでドップリ観られたのは2009年のO-EAST、前作『an anxious object』のツアー以来。映像から何からデザインコンセプトのしっかりしたバンドなので、メインのツアーだと明確に世界観を体験出来るのがいい。ライヴそのものがひとつの作品として成立するような。
と言えば、このライヴは観たかったなあ。会場どこだろう?天井から吊るしたキューブに映像を投影、35秒くらいのとこで観られる光景が白眉。↓
今回の会場であるUNITがまたそのデザイン的な面をしっかり見せられるスペースだったってのもよかった。ステージとフロア間に降ろした紗幕に映像を投影し「Completed Nihilism」で幕開け、「Spectres De Mouse」に入ると同時に紗幕を落とす演出、格好よかった!『The Downward Spiral』ツアーのときのNINみたいだったー。これは盛り上がりました。ステージ奥の三面スクリーンがメイン、途中両サイドのフロア壁面にも投影。照明ともども格好いいのなんの。UNITは直方体のハコなので、投影スペースが確保出来るのがいい。映像そのもののクオリティも観る度にあがっている。
演奏も、作りに作り込んだ完成度の高い楽曲を寸分違わぬ演奏力で再現、と言った当初のスタイルからインプロ度が増し、各プレイヤーの自由度が高まり、それがどんどんいい形となって変化していっている。以前のスタイルも大好きではあったが、何度もライブを聴いていくうち、確かにすんごく格好いいけど今後どうするのかな…ずっとこれで行くと、いつか行き詰まりそう……等と余計なお世話なことを考えてしまってはいた。そんな懸念はもういらないねー!昨年の欧州ツアー前後からその辺りスコンと風通しがよくなったような印象があります。ここに到る迄、曲作り含め随分模索もしたようですし、すごい練習もしたのだろうなと思います。バンドが育つ、そういう場を見ていけるってのも嬉しいことです。「Forgotten Children」前のインプロ、DVD『irreversible』では「untitled」となっている曲の化けっぷりはすごかったで。ネモジュン、佐々木さんのソロ含め、インプロから曲を展開させていく腕っぷしが格段に強くなり、柔軟さも増した。
あと今回、元来の緻密さに加え、全体的に丁寧に演奏しているように感じました。音が流れたり潰れたりしなかった。BPMをノリで早くすることなくしっかり弾いている+叩いている印象がありました。その分音のひとつひとつが重い。足跡がクッキリつく、と言う感じ。そのおかげで曲の展開や和音、ストローク、音符の動きを、聴く側も捉えることが出来る。丁寧、と言うキーワードは『machinic phylum』でも感じられたのですが、今回過去の曲含め全体的にそうなっていたところに興味がわきました。
いい楽曲にいい演奏。鬼に金棒、いやはや隙も死角もありません。あるとすれば演奏していないときの川崎さんの挙動くらいか(笑)。アンコールで登場するなりゆ〜〜〜〜〜っくりフロアに倒れ込み、ゆ〜〜〜〜〜っくりクラウドサーフしてました。ゆるい…おもろい……。フェスからの新規のお客さんを意識してか、メンバー紹介やサポート紹介が丁寧でした。
ゲストのVladislav Delayも格好よかったです。あと、えーと今回、ステージに群がるカメラマンが目に入らなかったのもよかったです…いやその、格好いい写真が沢山撮られてアップされて、それを観られる嬉しさは勿論あるのですが、過去motkのライヴで、それで押しのけられたり視界に立ち塞がられたりしたことが一度や二度ではないので…この辺り、難しいとこですよね……。今回特に映像込みでの空間を大事にしたのかな。だとしてのことなら正直嬉しい。
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