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2012年09月05日(水) ■ |
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『東京福袋』 |
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東京芸術劇場リニューアル記念『東京福袋』@東京芸術劇場 シアターウエスト
東京芸術劇場のリニューアルオープンを記念してのショウケース(詳細はこちら)。吹越満、山田広野、近藤良平、3軒茶屋婦人会出演の回を観ました。
トップバッターは吹越さん、挨拶もなしにいきなり出てくる。無愛想な振りして「こんにちはー」「神経質なもんで(と台の位置をなおしたり)」「NODA・MAP初日なのにこっちを選んでくれて有難うございます」とボソボソ言いつつ自らセッティング。その後「5秒後に真っ暗になります、3秒後すぐ明るくなります。5、4、3、2、1、はい!(パン!と手を叩いて暗転)」、そして本編。ぎゃー格好いい、ユルさと鋭さのギャップがたまらーん!
ソロアクト『スペシャル』でやった、吹越さんの右脳と左脳と身体能力がいっぺんに観られる「稽古が必要な大変な作品」と「稽古が必要ない楽な作品」の二本を披露。坊ちゃんとアルゼンチンババアがキッチンでダンス・ダンス・ダ〜ンスのネタ大好きだったので嬉しかったー!いやもーこれホント面白い 。こちらが「稽古が必要な大変な作品」な訳ですが、そうだよ難なくやってるようだけど、吹越さんには背後の映像は見えていないんですよね。すごい緻密、ちょっとズレたらパー。スタッフクレジットに映像操作の方(富所浩一さん)の名前が出ているのにも納得です。「稽古が必要ない楽な作品」はワンアイディア、カサカサ傘袋を繋げたものをフーフー吹いてどんどん伸ばすネタ(この説明で解るのか)。じわじわくる笑いの前者とドッとウケる後者、ショウケースとしてもお見事。
当日配布のパンフレットに「私は『福袋』というものに『中に何が入っているのか分からないがその膨らみに値段の割にお得感を抱き購入するのだけど結局ガッカリする』というイメージを持っている。この『東京福袋』はとても親切だ。ガッカリされてもこちらの責任は多分小さくて済む。」なんてコメントしつつ、しっかり練り込んだものを素っ気なく出してくるひねくれっぷりも素敵です。去り際もらしくてよかった!12月の『ポリグラフ』が楽しみです。
続いて『山田広野の活弁天国』。何故このラインナップに山田さんが入ったのだろう…おーもりさんがインディー作品に多数出演していた頃、それ絡みのイヴェントによく一緒に出ていたので、こちらには馴染み?がありましたが。十年くらい前から見てはいる訳ですが、佇まいが全くと言っていい程変わらないわー。今回も後ろ髪が伸びてる以外には衣裳から何から全く変わっていない!映画の作風も変わってない!(笑)それにしてもここで松蔭浩之の結婚披露宴用映像作品を観られるとは思わなかった……。
十分の休憩を挟み近藤さんの『ハレ』、「芸術劇場のオープンを祝う なんやかんやのハレ舞台」。ピアノ演奏に始まり、ブルースハープやリコーダー、ギター、ウクレレ、あとなんだっけ「コンドルは飛んでいく」でよく使われる南米の管楽器もこなす近藤さん多才!間にちょっとだけ踊ったりもしつつ、「さ〜あ今日は踊らないぞ〜」なんて言って客席を沸かせます。途中から松本じろさんが加わりデュオ編成、即興演奏等も。「踊れや」「まだ踊らんのか」なんてボソボソツッコミを入れるじろさん面白かった。最後はユルキメで踊ってくれました。
さてトリの3軒茶屋婦人会『3軒茶屋婦人会的音楽会』。この名義で音楽会てことは、あの三人がゴージャスドレスに身を包んでシャンソンとか唄うのかしら…と思っていた裏をかいてなんとタキシードで登場。ところがあれれ、大谷さんと深沢さんだけですよ。なんだか様子がおかしい。「篠井さんがまだ来ていないんですよ〜!」えええ?
深沢さんも大谷さんも挙動不審、しどろもどろ。しかし舞台に立つ者の性か、振る舞いが芝居がかって見えたので「…ひょっとしてネタなのか?」「しばらくしたらドレス姿の篠井さんが『お待たせ〜☆』とか出てくるんじゃないのか?」と、こちらもどう観ればいいのか困惑。来てない理由を話さないまま携帯に電話をかけたり、その留守電に皆で呼びかけましょう!「早くきて〜!」なんてことをしばらく続けたので、篠井さんの身に何かあったのかとドキドキした……。別仕事の撮影が押していると判って正直ホッとしました…こういうとき最悪な事態を想像する癖がついている。欠席は残念だったけど篠井さんが無事ならいい!
そんなこんなで篠井さんの欠席裁判みたいになりつつ、かしましオジバアちゃんふたりの危うく楽しいショウが進行。「篠井さんが今トラムでやってるお芝居(『すうねるところ』。これ私明日行くんだ…)が休演日だからってんでこの日にしてもらったのに!」「篠井さんが『敢えて女装じゃなくてタキシードなんてどう?』って言ったからこの衣裳にしたのに!」「アタシのは東京衣裳よ(大)」「アタシは自前よ!学生のときに買ったやつよ!(深)」(その後ふたりとも実はチーフがティッシュなのとバラして爆笑)「篠井さんがいるから婦人会に見えるのに、アタシたちふたりだけじゃただのオジさんだわ!(深)」「こんなめでたい催しに呼んで頂いて野田さんホントに有難う(大)」「野田(よびすて)が全部選んでるんじゃないわよ!(深)」等々、もう大ウケ。挙動は不審だけどトーク運び、客の転がしっぷりは流石です…しかしハプニングだよなあ、おふたり背中は汗ビッショリだったんではなかろうか。面白転化である意味貴重なものを観た。
と言う訳で「篠井さんが稽古や本番で来れない間アタシたちふたりだけで練習してたのよね!好きな歌を唄うわ。鬼の居ぬ間にってやつよ」ってことで「サマータイム」やらのスタンダードナンバーを交互に唄い上げてくれました。深沢さんの歌には大谷さんがウクレレで、大谷さんの歌には深沢さんがピアノで伴奏。「近藤みたいには弾けないけど!楽器出来て踊れて振り付け出来て…儲かってるんでしょうねえ〜(深)」終始逆ギレ気味の深沢さん面白かった…オネエエンタメの強さを見た。と言えば『紅姉妹』が某賞を受けたときの話もしてくれたんですが、そのときのエピソードにもジンワリさせられました。
終盤篠井さんからお詫びのFAXが到着。「FAX!今どきメールじゃなくてFAX!(深)」文面が縦書きで、うわ〜篠井さんだ〜って感じでほっこりした。いやはや楽しかったです 。
新しくなった芸劇はオレンジがキーカラーかな?全体的に明るく温かい雰囲気になり、トレードマークでもあった巨大エスカレーターが消えていました。個人的にはアトラクション的な景観で好きだったんだけど、安全性を重視すると設置を続けるのは厳しいのでしょう。山田さん以外の全員がネタにしていたようにNODA・MAP『エッグ』も初日を迎え、いよいよ始まったと言う感じです。野田さんの『劇場の灯を消してはいけない』を心に留めつつ、新しい芸劇の未来に期待。
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