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2012年06月28日(木)
LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.4

LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.4@SHIBUYA-AX

マグミがこう言っている。もうその通りで、秘密も何も言葉に変換出来ない思いみたいなもので頭がパンパンですわ。だからもー何をどう延々書こうとも結局は内緒です。あの日あの場にいたひとたち全員が、一生の秘密を抱えて帰っていったんだ。マグミうまいこと言うわ。

具体的な内容についてはきっとこれから忘れていく。でも、あのとき感じた手触りのようなものは憶えておきたい。この前観た舞台作品で、長塚くんが書いた台詞を思い出す。「そういうのは、憶えておけば、いいんですよ」。映像が残っていなくても、音源がなくても、その思いを憶えておけばいいのだ。でもせめて、その手触りすらも忘れそうになるようなことに直面したとき(それは人生が続く限り絶対にあるものだ)のために、メモ的なものを残させてください。この日のことを思い出すだけでちょっとの間笑顔になる、ちょっとの時間辛いことを横に置いておける、それってすごく大きなことで、そういう思い出を持てたのはとても幸福なことなのだ。音楽が好きでよかった、このバンドが好きでよかった、同時代にこの音楽を聴くことが出来てよかった、そういうようなこと。

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・ARCHIVE | LÄ-PPISCH OFFICIAL WEB SITE
セットリストといい画像

(追加)・The Breathless: Thank You!the telephones、奥田民生!
マグミもドキドキしてたんだなあ

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・LÄ-PPISCH+奥田民生 25周年記念対バン企画「Tug of war Vol.4」に行った人! - Togetter
セットリスト詳細もこちら。このまとめ作った方も“内緒”のニュアンスを大事にされていて、なんだかジーンときてしまった

・佐々木美夏さんが観た『Tug of war Vol.4 / LÄ-PPISCH & 奥田民生』- Togetter
上のまとめと被っているところもありますが、僭越乍ら佐々木さんのツイートのみのまとめを作成させて頂きました

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・奥田民生 × 阿部義晴 × MAGUMI " I'm only sleeping " ~ " Bluebird "



アニキが3月3日のライヴ後FBに張っていてくれたもの。グッジョブ過ぎる。そうだービートルズと言う共通点があったんだわ。何せTag of warですし

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・レピッシュと奥田民生、一夜限りの新バンド結成で名曲連発! | NEXUS NEWS
「変幻自在なサウンドとやりたい放題のパフォーマンス」、そうそう(笑)。このシリーズのNEXUSライヴレポート、ずっと柴那典さんが書かれてますね。クラブミュージックに強い方と言う印象があったのでへええと思っています。
そしてのわー!となったのはカメラマンが緒車寿一さんだったこと。長年レピッシュの撮影をされてる方です

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以下おぼえがき。

・一応書いておくとアンコールの「ありがとう」はレピッシュのではなく井上陽水奥田民生の方です

・対バンVSではなく「LÄ-PPISCH & 奥田民生」と言うクレジットはこういうことだったのか。後日恭一が日記にこう書いていたけど、その“苦肉の策”がこんな形で結実すると言うところが、“流石我々!!”ですね、いやもうホントに

・twitterにも書いたけど、2008年の自分に四年後民生の「プレゼント」がライヴで聴けるどころか演奏がレピッシュで、それどころかレピッシュの演奏で「大迷惑」とか聴けるぞと言ってやりたい、十年前の自分に一ヶ月で四回レピッシュのライヴが観られるぞと言ってやりたい。そして二十年前の自分に、おまえが今夢中のバンドにはこれからいろんなことが起こり、悲しいことや辛いことが幾度となく降り掛かるけれど、それを通過した強さと笑顔を見せてくれるぞ、25年の時を過ごしたからこその音を聴かせてくれるぞと言ってやりたい

・とにかくいろいろあったのですが、ステージ上のこと以外で印象に残ったことと言えば観客の様子。レピッシュの演奏が始まったとき、民生が登場したとき、それぞれにいろんな反応があったけれど、それらが明らかにカオスに陥ったのは「プレゼント」からだった。ここからのフロアの雰囲気…歓声、どよめき、悲鳴、笑い声が凄まじい速度で入れ替わる、沢山の、それはもう夥しい程のさまざまな感情が入り交じった空気。これはちょっと忘れ難いものだった。今でも思い出すと鳥肌がたつ

・思い込みかもしれない。でも、直前の恭一のギターノイズから「きた、『プレゼント』だ!」と言う空気でフロアがピンと張りつめたように感じた。レピッシュのライヴに民生を迎えるとなれば、この曲をやらない訳がないと思っていたひとは多かっただろう。イントロが始まったときのわっ、と言う歓声には、「とうとうこれをライヴで聴けるときがきた」「しかもバックを務めるのがレピッシュのメンバーだ」「そしてこれは、上田現の曲だ」と言う、願いが叶ったこと、それが予想を上回る編成だったことへの繊細なニュアンスが含まれていたようだった

・あの高音を地声で唄い切った民生(まさに渾身、だった)、それを迎え入れ、共に歩を進めるかのような恭一、tatsu、矢野さん、奥野さんの演奏。それを舞台袖で聴いていたであろうマグミ。恭一言うところの“戦友”だ。そしてそれに聴き入る観客たち。現ちゃんへの悼み、曲を残してくれたことへの感謝。そしてその曲と言うものは、演奏されること、聴かれることで何度でも甦る。あの場には音楽への敬意があった

・続いて「マシマロ」、乗ってるバンドにしか出せないドライヴ感で一気に後半戦へと走り出す。ここからレピッシュと民生(カヴァー含む)のナンバーを交互にやっていく訳ですが、まあまさかここ迄ガッツリ組むとは。リハを二日やったと言っていたのでこれは結構共演曲があるのだな、「プレゼント」と何だろう…と思ってはいたが……イントロが鳴る度ものすごい歓声が上がったのだけど、やはりそれが最大になったのは恭一が「大迷惑」のあのリフを弾き始めたとき。あのときの会場の混乱っぷりは筆舌に尽くし難い。驚きと歓喜が入り交じったどよめき、悲鳴、叫び、それらが波状で爆発した

・恭一は得意満面な笑顔。後ろの段差があるエリアで観ていたのですが、そこからでも恭一が満面の笑みだったのが判ったよ。自分視力はかなりいい方なのですがそれだけではないな、恭一の口が大きいからだな(笑)そしてきっと、笑顔の伝達力みたいなものがすごく大きかったんだと思う

・で、この辺り後日落ち着いてくる毎に思い返していたんですが、今のレピッシュの演奏、すごくいいんです。いや前から演奏力のあったバンドだけど、そしてそれがバカ度のせい(おかげ)で伝わりづらいところも魅力なんですけど、今の編成、演奏力とはまた別のアンサンブルと言うか…プレイヤーの呼吸が合っている感じ。矢野さんのドラミング、奥野さんのピアノ、オルガン(ときどき巧過ぎて我に返るが(笑)いやほら現ちゃんの演奏はそりゃもう独特のものだったから)と、恭一、tatsuの演奏のバランスがしっくりきている

・雪好が辞めて、矢野さんを迎えて、現ちゃんが辞めて、増井くんがPercやKeyを兼任して、現ちゃんの追悼ライヴでは松本大英がマニピュレーションを担当して、と言った紆余曲折を経た上での今だ。しかも唯一埋められていなかったパート、Saxを今では奥野さんが吹いている(笑)

・こうなると今年出すと明言された新譜も楽しみで仕方がない!

・レピッシュの面々による民生の曲の演奏がまたよかった。「演奏すげー巧いバンドだな!」と改めて思った。勿論巧いだけじゃない。「イージュー★ライダー」での民生、マグミ、恭一のハモりや「MATSURI・365」での民生と恭一のギターバトル。これを巧いだけで片付けられるか。技術、プレイヤーの華、阿吽の呼吸、そして必ずある毒とユーモア。マジックが必然的に起きるかのようなこのメンツ

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セットリスト(秘密です)

01. miracle
02. COMPLEX
03. HARD LIFE
04. サイクリング
05. ハーメルン
06. ANIMAL BEAT
07. LAULA
08. ガンジー
09. パーティ
10. I'm only sleeping
11. The STANDARD
12. 息子
13. さすらい
14. プレゼント
15. マシマロ
16. スモーキンブギ
17. リックサック
18. イージュー★ライダー
19. MATSURI・365
20. 大迷惑
21. MAGIC BLUE CASE

encore
22. ありがとう
23. パヤパヤ

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数日経ってもまだ引きずっていて、気付けば頭の中で曲が鳴り、ステージとフロアの光景が浮かんでくる。

そうそう、オープニングが素敵だったんです。照明が徐々に落とされ、蝉の声が聴こえてくる。遠くからはお囃子。お祭りがやってくる。やがて雨が降りだし、夕立になり、夜へと向かう(追記:マグミによるとこんな意味合いがあったんですって)。長めのSEに聴き入る観客。そしてメンバーが現れ、大歓声で迎えられる。まるで初夏の一夜の夢のよう。

でもその後のことは、確かに本当に起こったこと。この夜に立ち会えたことに感謝します。