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2011年11月03日(木) ■ |
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『ヨコハマトリエンナーレ 2011』 |
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『ヨコハマトリエンナーレ 2011』
三ヶ月もやってるし〜なんて言ってたら最終週、結局この日しか行けず。前回(三年前)も同じパターンだった…学習してない。しかし暑くもなく寒くもなく、灼ける程晴れてもいないいい気候だったので移動も快適よこはま散歩。すごい歩いた。ひとつひとつの建物が大きいから全部近くに見えるんだけど、実際そこに辿り着くにはかなり距離があるんですよね。広々とした海も傍にあるため距離感が狂う港町の楽しさ。
一日しかまわれないので、横浜美術館と日本郵船海岸通倉庫にしぼって観ることに。横浜美術館開館と同時に入場、しかし結構な行列。流石に最終週で休日ともなれば混雑しています。となると時間とのせめぎ合いになるので自然と足が向く作品は、
1. 最初から観ると決めていたもの 2. パッと目がいくインパクトのあるもの 3. 名前に馴染みがある作家のもの 4. もともと知っているもの、過去観たことがあるもの 5. その他
となります。で、自分がだいたいこの区分で行くと、
1. 八木良太、田中功起、湯本豪一 2. イェッペ・ハイン、佐藤允、野口里佳 3. 立石大河亞、マックス・エルンスト、マイク・ケリー、ダミアン・ハースト 4. 荒木経惟、石田徹也、オノ・ヨーコ 5. 池田学、落合多武、クリスチャン・マークレー
と言うところ。横浜美術館所蔵作品もあるので、マグリットやロトチェンコ、マン・レイも観られた。歌川国芳は会期中の展示替えでもう観られなくなっていた。
田中さんは以前『六本木クロッシング』や『ウィンター・ガーデン』で観た作品が強烈に作家名とともに記憶されていた。今回映像作品を含むインスタレーションで、大混雑のため映像が観られなかった…それでも十分面白かったんだけど、帰宅後笠原出さんが個人的なベストは田中さんのビデオ作品とツイートされているのを読んでガーン。いつか観られる機会を待ちたい…しかし今回のために作ったっぽいものなので、今を逃したってショックは大きい(泣)。
落合さんはやはり『ウィンター・ガーデン』で観た作品がとてもかわいらしくユーモアに富んだもので、失礼乍ら名前を失念していたのにも関わらず作品を観た途端(前回観たものとは別作品だったのに)「あ、あの作家さんだ!」と思い出した。八木良太さんは無人島プロダクションがらみでチェックし続けていて、アナログプレイヤーを道具としてもサウンド出力装置としても追究し続ける姿が魅力的な作家さんです。今回の、ターンテーブルをろくろ使いして作った陶器と、その際に発生するサウンドの展示も面白かった。
そういえば八木さんも『ウィンター・ガーデン』に出展していた。今思うといい展示観たなあ…原美術館と言うそう広くはないスペースに、これだけ素敵な作品が集まっていたんだ。キュレーター松井みどりさんの慧眼に感動。
アラーキーのエリアは、亡くなる迄のチロ、亡くなってから一年のチロ、被災花、自身の古希、と言った、いつもと変わらないアラーキーの個人史。膨大な展示作品のなかにあっても、ぽっとした、静かな白い光を放っているようだった。混雑した場内でも、たったひとりで作品と向き合えるような静かな写真たち。いい時間を過ごせました。妖怪研究家である湯本豪一の妖怪画や昔のおばけ屋敷ポスターコレクションも面白かった。保存状態がいいものばかりだったなー。
オノ・ヨーコの電話がかかってくるかも!な『TELEPHONE IN MAZE』には行列が。鏡とアクリル板に囲まれた迷路のなかに電話が設置されている。以前回顧展で観たときは『テレフォン・ピース』と言うタイトルで、ブースがないものでした。「かかってくるかも?」と言うワクワク感を持って鑑賞出来る好きな作品です。これって「かかってくるかも」と言う思い(期待だったり、幸せな気分だったり)を持たせてもらえることで成立する作品だと思っているので実際通話出来なくても何の問題もないし、そういったコンセプトを作品に込めるヨーコさんの変わらないポジティヴさに感銘を受ける。
が、帰って検索してみたら、通話したひとの話が見付かりました。おおお!
・A SMILE IN THE MIND『今度はオノヨーコから電話がかかってきた〜!』
実際にかけてくるヨーコさんにまたも魅了されてしまった。そして展示会場から帰ってきても作品と関われる楽しさ。いい話を読めた、有難うございます!
反面こんなこともあったそうです(笑泣)ざ、残念だったね……。
さて今回いちばん印象に残ったのは、ノーマークだったクリスチャン・マークレー『The Clock』。ふらりと寄ったブースの入口には、24時間で一回のループ作品とのクレジット。どういうこと?と入場してみると……。
最初は、ああ、これ映画フィルムを編集してるんだなー、どういう作品なんだろう?と思っていたのですが、丁度午後2時が来たのです。2時、2時、2時のシーンが流れ出す。2時を指す時計台のシーン、男が腕時計で2時を確認するシーン、女が部屋の置き時計が2時を指すのを見るシーン、2回ポッポと鳴く鳩時計。その後も時間が進むにつれ、そのときを示すシーンが流れ続けるのです。映画作品から「その時間」のシーンをカットアップして編集したもの。それが24時間分ある…お、お、面白い!!!
うわー全部観たいヨー!と思ったものの、このままでは他の作品が観られなくなると30分程で退場したのですがああ観たい、残りも観たい!しかし開場時間は11〜18時、そもそも全部を観ることは不可能なのでは…と思っていたら、一日だけ24時間上映したとのこと。ぎゃー。
・『クリスチャン・マークレー「The Clock」24時間上映決定』
なんでも即完したらしい。トイレ等で出入りはオッケーだったそうだけど、ごはんとかどうしたのかしら……。『24』みたいに一時間ずつDVDでリリースとか、無理だよねえ…権利関係とか難しそうだし。製作過程を考えると気が遠くなる。個人的には観た30分のなかに『L.A. コンフィデンシャル』のシーンがあったのが嬉しかったです。あーまたどこかで上映してください!
クリスチャン・マークレーのインタヴューはこちら。
・ART iT『クリスチャン・マークレー インタビュー』
慌ただしく観ましたがホント『The Clock』に遭遇したのは収穫でした。前回より地味な印象だった横トリでしたが、予算が少ない等いろいろ大変だったようです。それでもやっぱり面白い作品に出会えたのは嬉しいことでした。
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