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2011年09月10日(土) ■ |
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シュヴァンクマイエル祭 |
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『サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―』@シアターイメージフォーラム シアター2
最新作!いやーんよかったー。あまいー。ほろにがいー。
シュヴァンクマイエルが実際に見た夢から着想を得たものだそうです。そもそもシュヴァンクマイエルの現(うつつ)の着眼点、視点がああですから、むしろ夢と言う約束ごとがあるとすんなり彼の世界に入っていける感じでした。前作長編の『Lunacy』や、その前の『オテサーネク』より苦しくはなかった。まあその苦しさもこの監督の作品の魅力でもありますが。…と書いてるうちに思い出したが、『Lunacy』はエドガー・アラン・ポーやマルキ・ド・サドの作品、『オテサーネク』はチェコの民話といったモチーフとなる原作があるんですよね。『アリス』もルイス・キャロルですし、『ファウスト』はあのファウスト。
(長編に限りますが)原作ものは「シュヴァンクマイエルの目に映ったこの世界」と言う解釈を観る感じだけど、オリジナルはそれを念頭に置く必要がない。あー、彼にはもともとこう見えてるんだ、とこちらもある意味素直に観られます。すると甘くてちょっと泣けるような切なさを湛えた世界が目の前に拡がってくる。
肖像写真のユングとフロイトは殴り合う。全ては無意識から為されること。現実で折り合いをつけられない出来事、現実で満たされない欲望は、夢の中で叶えられる。目覚めているのがつらかったら眠って夢を見ればいい。夢の世界が恐ろしくなったら目覚めればいい。目覚めることと眠ることで、ひとは全ての欲望を満たすことが出来る。そうすれば自殺する必要もない。夢の世界で泳ぎ続けられること、それがサヴァイヴィングライフ。
そうして迄生きていかなければならない、と言う強迫観念めいた感じはしない。置かれた世界でひたすら生き延びる、全てを受け入れたうえで生きていく。生まれちゃったしね、と言う感じ。生きることが使命ではなく運命ならば、少しは心も軽くなる。
物語の世界を視覚化するコラージュアニメーションはもはや職人芸。時間と手間が途方もなくかかる手法ですが、彼以外にこんなヴィジュアルを見せてくれるひとはもはやいない印象すらあるので、まだまだ元気に作品を作り続けてほしいです。また新作が観られて、そしてその作品がとても優しく残酷なものだったことが嬉しかった。
あと音がすごくよかったー。これは劇場の音響のよさも大きい。イメージフォーラムで観る作品の音っていつも印象に残る。
と言えば、これR18である必要はどこに?こどもも観ればええやん!気が楽になるよきっと。
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『アリス』@新宿K's cinema
移動時間30分。タイムテーブルからしてこの日しか観られなかったので間に合ってよかった。『ヤン・シュヴァンクマイエル傑作選』のうちの一本です。
劇場スクリーンで観るのは初めて。いやー大きな画面で観るうさぎのグロいことよ、最高です。あとこれはシュヴァンクマイエルの作品全部に言えることだけど、たべものがいっつもまずそう(笑)。出てくる料理やお菓子自体のヴィジュアルそのものではなくて、それを食べる行為をグロテスクに撮るんですよね。
こどものかわいさ、杜撰さ、残酷さ、不潔さみーんな描いてるとこが好っきー。
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『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 〜映画とその周辺〜』@ラフォーレミュージアム原宿
ここで初めてプレゼントキャンペーンの台紙とシールを渡される。今公開されている映画(新作+傑作選)と展覧会、計三枚の応募券を集めて応募すればプレゼントがもらえると言う……えー前の二会場どちらも応募券くれなかったよ!一日でコンプ出来てるのに!先に言えー!(泣)スケジュール的に渋谷→新宿→原宿じゃないと観たいものが観られなかったんだよー!
むなしい……。
それはともかく展覧会は『サヴァイヴィング ライフ』のメイキング映像や絵コンテ、日本の『怪談』とのコラボレーションによる木版画とコラージュ、過去映画作品で使ったオブジェ、立体作品や絵画も満載でギッチリ充実。エヴァのセクションもちゃんとあった。『怪談』は面白かったなー!チェコの古本等の挿画に日本の妖怪画を張り込んでいくコラージュ作品が、不思議とマッチしているのです。東欧の風景に紛れ込んだ東洋の妖怪たち。ちょっとかわいくちょっと不気味。
最後のセクションは細江英公が撮ったシュヴァンクマイエルの肖像写真。シュヴァンクマイエルに白いチュニックを着せ、そのチュニックと背景の白い壁面にシュヴァンクマイエル夫妻の作品とエヴァの肖像を映し込んで撮影したもの。シュヴァンクマイエルは「エヴァと繋がることが出来た」とコメントを寄せていました。
エヴァが亡くなってもうすぐ六年。彼女がいない初めての長編作品が『サヴァイヴィング ライフ』になったのは、自然な流れだったのかも知れません。シュヴァンクマイエルの「死ぬ迄生きる」日々。彼は今月4日、77歳の誕生日を迎えました。
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結構分刻みで動くスケジュールになり、暑さ+作品の内容から?途中クラクラしてきたので慌てて自販機でのみもの買ったりしました。遠足か。濃かった…いっぺんに見ると頭おかしくなる感じでした。面白かった!
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