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2011年07月25日(月)
『chaotic, exotic tour 2011 final』

『chaotic, exotic tour 2011 final』@Shibuya O-WEST

途中地震あったみたいだけど全く気付かず…てかこのライヴ、す、す、すごかったよ!!!!!いやー行ってよかった、って言うかチケットとれてよかった……。

kowloonのレコ発ツアー『metallic, exotic tour 2011』。mouse on the keysと一緒に回ってて、この日のファイナル『chaotic, exotic tour 2011 final』(metallicがchaoticになりました)にはtoeも参加。まータイトル通りカオスな凄まじいライヴであった。ライヴを控えての、3バンドのインタヴューはこちら→・SMACK『INTERVIEW 中村圭作(kowloon)×川崎昭(mouse on the keys)×山㟢廣和(toe)』

トップバッターはtoe。流石の兄さんの貫禄であり乍らすんごい緊張感とあやうさでよかった…。山㟢さんが痩せてて、顔つきもなんだか変わっていて、それに反して(即して?)演奏の入り込みっぷりもすごかった。心配ではあります。いっぺんにいろんなことがあったものね……。すごくいい演奏だった。

二番手mouse on the keys。行けないイヴェントやオールでのライヴが続いていたので結構久し振りに観たんけど、すごいことになっていた。様子が変わったらしいことはwebからの情報や映像でうっすら知ってはいたけれど、実際観ると腰が抜けますわ。セッティングや編成は変わっておらず(この日も映像や照明に独自の美意識があった)、登場こそ皆さんスーツでバリッとクールだったものの、そっからがまー!か・な・り!アグレッシヴなパフォーマンスになりました。川崎さんあっと言う間に汗だくになってジャケット脱いでるし。Dr側から観たもんで(いやー堪能したー)Keyふたりの様子はあまり見えなかったんだけど、音はバキバキ正確に届いた。サポートのホーンふたり、ネモジュンと佐々木くんもソロ吹きまくり。

演奏のラフさはむしろ減ったくらいなんです。なのに何故にこうも攻撃的に聴こえるようになったのか…気合いが目に見えるようになったから?基本川崎さんの指揮が行き渡ってる進行なんだけど、そのなかでどんだけ暴れるかみたいな不文律がメンバー間に出来た感じ。あとやっぱり川崎さんが以前にも増して(って、これ迄でもあんた音デカいよ!だったのに・笑)ジャイアンドラムになったこともあるのか。それがすごくいい。てかこの1〜2年で川崎さん太ったと言うより体重増えた?増やした?馬力上がった+音がより太くなった感じです。もーあれよ、そりをひく犬みたいよ。フロアから「アキラー!」と野太い声が飛んでおりました。いやーあのドラムは男も惚れるよね。

MCでハンドマイクを掴んだ川崎さん(しかも立って喋るからなんか政治家みたいなのよ・笑)が「3.11のときは欧州ツアー中でリバプールにいて…」と言う話を始めた。9月リリースのDVDについて「タイトルの『irreversible』は、自分たちが3.11以前にはもう返れないと言う意味を込めた。それと僕、この欧州ツアーでヘッドバンギングし過ぎて、て言うかヘドバン歴20年なんですけど、頭痛が酷くなって、MRI撮ったら脳の上の方の毛細血管が切れてきてるんでもうヘドバンはやめなさいって言われたんです。だから以前の僕には戻れないと言う意味もある(笑)」と言っていた。「もうなりふりかまってらんない。何するかわかんないよ〜?」なんて言い出して、最後の曲ではフロアにダイヴしてしまいました。おまっ頭に気を付けて!

出囃子もよかったなあ、ミッシェルか!てなくらいにアガったわー。なんだっけあの曲…サントラの……『イングロリアス・バスターズ』で引用されてたやつだっけ?気になる!(追記:『続・夕陽のガンマン』ost「The Ecstasy Of Gold」でしたー!メタリカもカヴァーしてる、SOIL & "PIMP" SESSIONSも出囃子で使ってるあれです!『イングロリアス・バスターズ』で引用されてたのは「続・荒野の1ドル銀貨」で、『続・夕陽のガンマン』はタランティーノが大好きな映画だった。いろいろ混同)

と言う訳でフロア騒然(笑)こんなん直前にやられてどうすんの…いやでも一緒にツアー回ってきた訳だし、そもそも自分たちのレコ発ツアーだし、これは相当なんじゃないの?と言った期待感でパンパンに膨れ上がったところに出てきたkowloon、これまたすごいライヴを見せてくれたのでした。いやごめん、3年振りに観たのでこんなことになっていたとは…ちょーいい!ちょーいい!即新譜買いました!

1曲目、新譜にもゲスト参加している吉田一郎(!)が挨拶もせず出てきてゴリッゴリに弾いて挨拶もせず帰っていった。この無愛想っぷり最高でした。もうここからあっと言う間にひきこまれた。トリオなのに何この音の太さ!でもピアノはとても軽やか。て言うかこのグルーヴの上を自在に走るこのピアノ、圭作くんすごい。ベースラインは鉄兵くんが直にベースで弾くところとmicroKORGで鳴らすところがあって、この鳴りがいい!変拍子は基本かってくらいにあるんだけどバリバリに踊れるし、1曲ここでこう転調するか!てな曲があった。うわ、鳥肌。圭作くんは演奏に没頭するあまり何度もメガネを飛ばしていたので、ey吉野さんのようにバンドでとめるといいと思います(笑)。数曲ゲスト参加の、松村拓海さん(Fl)の演奏もよかったー。

アンコールは会場数量限定販売(即完だったらしく買えなかったよー・泣)のカセットテープ収録曲、motkの「最後の晩餐」をkowloonが演奏。ギャー!いやさ…先述のインタヴュー頁で何げに川崎さんが鬼発言してるじゃないですか、「(ラムダッシュのCM曲で)作ったのが難し過ぎて、うちのメンバーだと無理だと思ったんで、圭作君にお願いして」って。え、清田さんだって新留さんだってすごいじゃないの…圭作くんてどんだけ巧い子なのよと思っていたんですよ。3年前の印象があまり残っておらず(キャーごめんごめん!)。そしたら「最後の晩餐」のあのパッセージを独自の解体で聴かせたのにはたまげた。すごかった……。

kowloonライヴの途中から新留さんが圭作くんにドリンク持ってってあげたり袖から満面の笑みで観てたりしてたんですが、このアンコールでは川崎さんが出てきてフロアを煽るわまたダイヴするわでエラいことになっていた。何度飛び込んだか…川崎さんは大分デキあがっているようだった(笑)。二度目のアンコールでは両バンド入り乱れてもう一度「最後の晩餐」!もうむちゃくちゃですがな。川崎さんはクラウドサーフでフロア上をいったりきたり、ときどきステージに戻ってきて演奏。そのうちいきなり視界に清田さんが入ったかと思うと、走り込んだスピードのままフロアに飛び込んでしまったよ。予期しない方向からひとが降ってきたのでその位置のお客はギャーてなってた、よく落とさず支えたよ…えらい(笑)。ネモジュンも大暴れしておった。

そのうちどこから湧いたか(てかこんなにいたのかとビックリ)カメラマンが10人近くステージに群がって写真を撮っていた…ちょ、それ、どこに載るの!教えてー!映像も残してるよね、撮ってるよね?今回のツアー映像YouTubeで公開されてるんで、この日のも出してー!

それにしても、kowloonもmotkも大化けした印象である。いやこれ迄も好きだったけどさ…可能性っていくらでも隠れているもので、それはプレイヤーの才能とこころひとつでいかようにも拡がっていくものですね……。どちらも前に出る相撲を思い切りとったら角界が崩壊したみたいな勢いであった(もう少し洒落た例えを考えたい)。

本人たち「内輪感溢れる対バンですが」なんて言ってたけど、対バンはこうでなくちゃ!と言うライヴだったよ。なんつう大人げない対バン!内輪でこんだけしのぎを削ることの出来るレーベルって素晴らしいじゃないの(今回のkowloonの新譜はメジャーから出たけどね。圭作くんももごもご言ってましたが・笑)。3バンドともにドラムが大人げない程に音がデカく喧嘩上等なところも最高でした。そして川崎さんがトラ化するとチバなみだと言うのを思い知りました(わかるひとにはとてもわかりやすい例え)。

あまりにすごいもの観たんでこちらも脳からなんか出たようで、セッティング込みで3時間半くらいあったんだけど全然疲れなくて、終わった後も興奮のあまり買う予定ではなかったTシャツを買い込み(隣に「アンコールでやった曲が入ってるのはどれですか?」とmotkのCD買ってったひとがいて嬉しかった!)0時前だと言うのにガッツリラーメン食べてあー幸せーと帰宅してガーと寝て、起きたら身体中痛いわ胃もたれしてるわでなんなのと言う……いやあ、ホントすごかった。現場に居合わせた感ありありでした。観ることが出来てよかった!!!