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2010年05月09日(日) ■ |
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灰野敬二×山川冬樹@SuperDeluxe |
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灰野敬二×山川冬樹@SuperDeluxe
ロングセット、公開レコーディング。 SuperDeluxeのレーベル・目玉レコードからリリースされるそうです。すごく面白かった!どうなる?どういく?と必死で追っていて、あっと言う間の二時間。
面白かったと言うもののものすごい緊張感で、終わった時にはもうぐったり。真っ暗なフロアはどんどん暑くなる。録音もあったから空調止めてたんじゃないかな。だから風など吹いていない筈なのに、壁に張られたフライヤーが剥がれて落ちる。テーブルに置いてあるフライヤーの束がビリビリ言う。音圧がすごい。
山川さんの馬頭琴+ホーメイソロからスタート。しばらくして灰野さんが現れ、声を乗せていく。そっからはめくるめく世界ですよ…レイナルド・アレナスかって言う。もうあれよ、山川さんアポロン灰野さんセイレーンみたいな。南米からギリシャかい。適当に言ってます。声対声、心拍音対オタケビ、倍音対怪鳥音(イルカみたいでもあった)、シンバルキック対ハンドシンバル、ギター対ギター、猫対犬。最後のは手が滑りました。いやしかし灰野さんがニャー!と言い山川さんがワン!と言ってももはや何の違和感もない(え?)。
山川さんは心拍速度を意図的に変えて、繋いだ聴診器から音を出すんだけど、これが文字通り生きる速度を自分で決めているようにも見える。死ぬ迄の心臓の鼓動の回数はほぼ決まっていて、それはどのいきものも同じだと言うけれど、山川さんが鼓動の速度を変える時、そこに人間と言う存在は稀薄になり、どんないきものかすら曖昧になっていくようだった。“命”そのものを見ているよう。命が奏でる音楽が、光のように暗闇からぽつんと浮かび上がる。
シンバル蹴るのを空振りする山川さんや、暗闇なのにサングラスを外さず、楽器を持ち替える際ステージ上をうろうろする灰野さんの佇まい、心拍音に同期して光る電球等はインスタレーションでもある。これは音源には入らない。どうパッケージされるか楽しみでもあります。録音されたものを改めて聴く時、そこにはどんな音がなっているだろう?新しい発見もありそうだし、取りこぼしてしまうところもあるだろうな。その違いが面白いと思う。
それにしてもどうやって組み立ててってるのかなあ。ふたりの頭の中にはどう流れていくか、相手がこう来たらこう行こう、と言う感覚はあるのだろうけど。アイコンタクトも全くと言っていい程とらず、ひたすら自分と相手の音のみを探っていくふたりはとても格好よかったです。
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