I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2010年02月08日(月) ■ |
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GOSSIPのライヴにハズレなし |
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GOSSIP@LIQUIDROOM ebisu
思わずこれ迄の来日時の感想を読みなおしてしまった。 ・'07初来日 ・FRF'08
いやーこのひとたちのライヴにハズレはない。プロデューサーのリック・ルービンがメジャーデビュー作にライヴ盤を選んだってのはおっしゃ!と言う感じ。このよさがスタジオ録音盤に反映されんもんか…なんでだろースタジオ盤もいいんだけど、やっぱライヴなんですよ。スタジオ盤での狙ったかのようなチープなサウンドが、ライヴではすごいグルーヴを生むんですよ。なんて言えばいいんだー80年代のディスコサウンドって、シンセ音でペラく聴こえるけどゴキゲンなグルーヴがあったじゃないの、あれだよ!しかもそれが現代に鳴っててもレトロじゃないって言う。で、当然パンクが根っこにあって…あー何を書いてるのか自分でもわからないー。
今回大阪公演がキャンセルになって心配だったんだけど、いざ蓋を開けてみればリキッド満杯です。盛り上がったー。前回来日同様4人編成。ベースがサポートくんです。そして曲によってはブレイスに付いてたローディくんが一本指で単音シンセ弾いたりしていた。ブレイスのギターをとっかえひっかえチューニングし、こまごま楽器のケアもしつつ演奏も。何げに影の功労者(笑)。
それにしてもベスはセンスいい。ファッション(今回は蝶をあしらった(ミッキーマウス柄だったそうです、遠目でわからんかった)黄色のワンピース。細くて黒いベルトがポイント)、ヘアメイク(ブルネットのショートボブ、アイラインの入れ方も綺麗)と自分に似合うものを選ぶセンスもいいが、始終唄い続け、喋り続け、踊り続けると言ったフロアの関心をひきつけ続ける訴求力と言うか魅力が、ウィットに富んだセンスに彩られている。目が離せない。自己演出が巧いとも言える。そして大事なのは、その自己演出ってのに、きっと虚飾がない。だから沢山のひとが彼女のことを好きになる。オープニングも格好よくて。ハンナとブレイスがそっけない程ぱっと出てきてイントロを始め、まだステージに姿を見せないベスのヴォーカルが響き渡る。じらしてじらして、彼女が登場した時の盛り上がりといったらなかったですよ。うまいー!積極的にオーディエンスとコミュニケーションをはかるところもいいな、「ゲイって日本語で何て言うの?オカマ?オカマー!」「ファニーは?オモシロイ!」「チアーズは?カンパイ!」「トゥゲザーは?イッショ、ニ?イッショーニ?イッショニ!」キャラクターもとても強くしなやかでかわいらしい。
そんなベスのアイコンとしてのスケールも申し分ないんですが、このひとの何がすごいって歌ですよ。あれだけ動いているのに歌声に疲労が見られない。初来日時は、ちょっとピッチがよれたりとかあったけど、今回はそれもない。軽々と唄っている感じ。これは何げにすごいんでないかい…あの体躯で、あれだけ動いてて、あの歌ってのは。MC中でも曲間でもカヴァー曲を織り込む織り込む。で、その歌ってのがダフトパンク(One More Time!)だったりビキニキル(Rebel Girl!)だったりニルヴァーナ(Smells Like Teen Spirit!)だったり(あと他にもいろいろ…ミュージカルのアラジンの曲もやったよな)と、聴いてあっと思う曲ばかり、チョイスのセンスもいいんだなー。
はーなんかベスのことばっかり書いてしまうが、ちょうクールなレフティドラマーハンナの深胴に聴こえる重いのに確実なドラミングと、サウンド面での司令塔であろうブレイスの音数を極限迄減らしてヴォーカルを活かすギターやシンセのセンスもいいんだわよ。いいトリオだなー。
しかし何度聴いても「Standing in the Way of Control」には胸が熱くなるし、そこに「Smells〜」が入って来るところには涙が出てきてしまうな。カートの歌が今こうやって唄われていることに、いろいろと思うところがある。
ああーどうすればこの魅力をスタジオアルバムにパッケージ出来るんだろう。頼むよルービン先生。いやルービンじゃなくてもいいんだけど、セルフプロデュースでもいいんだけど。
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