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2009年09月19日(土) ■ |
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『青木さん家の奥さん』と東大学食 |
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青年団『青木さん家の奥さん』@こまばアゴラ劇場
青年団と南河内万歳一座、お互いの戯曲を交換して上演してみよう企画。続いては青年団の「世界一静かな『青木さん家の奥さん』」。
の筈が。
どこが静かじゃ、こんなやかましい青年団初めて観たわ。序盤こそ例のブツブツ同時多発会話が発生し、きたきたと思ったのも束の間。その後のパワフルでラウドな展開は、南河内とタメ張る騒々しさでした。身体的な違いを感じたのは、瓶ビール20本入りケース×2+米10キロ×1袋+ミネラルウォーター2リットル入りペットボトル×2を、南河内の連中はしっかり持てていたが青年団は持てなかったところか(笑)。そしてプロレスはなくともビニールスティックで殴打しまくりです、娘さんが若い男を(笑)。そんで細身のおとこのこたちが本気で取っ組み合いをすると、受け身が出来ずに(そう見える)連日生傷が絶えない上演になるのではないでしょうか…ははは。
そして、アドリブがないとこの芝居は80分に収まるんですな。勝村さんが出たやつとか、すげー長かったよな……(笑)。
予想外に静かだった南河内版『S高原から』もそうでしたが、劇団のカラーに無理矢理引っ張り込まず、きちんと戯曲の本質を伝えることに細心の注意を払っていたようでした。冷静に見極めている。そしてどちらも、それにちゃんと対応出来る実力を持った劇団員が揃っている。今回青年団は海外公演と日程が被ったため若い劇団員で構成された座組だったそうですが、これが皆さんイイ役者ばかり。層の厚さを思い知らされました。
さて戯曲の方ですが、平田さんが新規に構成。初演は20年前のものなので、現在性が薄れている部分がある。その辺りが今様に変わっていました。マンションが増え(それでも青木さん家の奥さんは“団地”に住んでいる)、コンビニが増え、商店街が減り、酒屋の配達が減っている現状。南河内版では、何故配達するのにこれだけ特訓をするのかの事情を先輩たちが告白し、配達のプロとしての誇りと心意気を示すシーンが終盤にありましたが、青年団版はそれを中盤に持って来ていた。アルコール依存症の住人がいる家に笑顔で「毎度!」と配達せねばならない申し訳なさと苦悩は、「売ったらこっちも罪になるから、注文が来ても配達しちゃいけないよ」とさらっと流される。新入りバイトは「指示待ち」くんで(しじ町の住人(笑))、ある意味空気を読まない。そしてニセ青木さん家の奥さんが登場してしまうばかりか、加えてふたりの“美人”姉妹も登場し、彼女たちもニセ者であると言う引っかけがある。
もともとベケットの『ゴドーを待ちながら』の要素を持っているこの作品ですが、今回の青年団版で、その色がより濃くなったようにも思いました。青木さん家の奥さんは現れない。伝令が来る。奥さん今日留守にするから配達には来ないでって。明日また来てくださいって。残された酒屋の店員たちは、嬉々として特訓を始める。それは多分、明日も、明後日も続く。
あー、『朝日のような夕日をつれて』思い出した。個人的なアレですが。
それにしてもニセ姉妹を演じた田原礼子さんと村井まどかさんのザ・ピーナッツのカヴァーは素晴らしかった。なんかね、もうピッチが全く一致しているかのような歌声だった。わあー、ザ・ピーナッツみたい、と思ったら、ホントにザ・ピーナッツの歌だったんですね…知らなかった。その後、ニセ青木さん家の奥さん演じる申瑞季さんを加えて3人でキャンディーズを唄うのですが、これまた素晴らしいユニゾン!感動した……。
アゴラ劇場は駒場商店街の中にある。『青木さん家の奥さん』の風景が似合っていました。
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■アゴラ劇場の最寄り駅は駒場東大前駅 ……と言うことは、東大の学食でごはんが食べられるのではないか。と調べてみたら、なんとキャンパス内にフレンチレストランがあることが判明。行ってみました。ランチ800円、ドリンク付けて1,000円でおいしいごはんが食べられました。窓から見える景色は草むらで、すずめが沢山いた(笑) やー、学食らしい学食を狙っていたのだが…。しかし流石東大、国立なのにこんな小洒落たレストランがあるのか
■たまに食べたくなる学食 安いしねー。 以前の職場は上智大学の近くだったんで、時々学食におひる食べに行ってました。学参や教材を作る会社だったんで、資料探しで図書館もよく利用していたが、数年後学生カードがないと入館出来なくなってしまいました……。 派遣で行ってた会社に社食があったのは結構楽しかったにゃー
■あ、そんで 東大の入口に、学生サークル劇団の公演案内立て看板があったんだけど、それが『スナフキンの手紙』だった。遊眠社じゃなくて第三舞台なんだ〜と思った(笑)
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