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kai
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2008年08月24日(日) ■ |
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『八月納涼大歌舞伎』第三部とか |
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■えーっ 『スカイ・クロラ』は押井監督が娘に向けて撮ったものらしいですよ…ちょ、それ娘さんに伝わらないかも知れない!多分お父ちゃんはめっちゃあったかい話として撮ったんだと思いますが! まあ、いい話ですよ…前向きにとればね……しかしそれを受け取らせる方法が奥ゆかし過ぎます!ひとみしりか!(笑) 伝わるといいですね……(余計なお世話です)
■五輪男子バレー アメリカが5大会振りの金メダル。いやはや決勝すっごい面白かった。いい試合だった。 ずっと言ってるが、近代バレーがつまらなくなった原因は、アメリカがリードブロックをあみ出したこととバカ協会がお金欲しさにテレビに合わせたルール改正ばっかしてるからです。が、ここに来てリードでコミットなみにどシャット出来るようになってるんですよ!元来リードってワンタッチ用で、拾うための緩衝材的な扱いだったでしょう、それが、止まるんですよ! 攻撃のスピードが速くなってるのに合わせてリードも速くなってるってことです。…すごい。進化してる。それを目の当たりにした…感動した……リードブロック嫌いって長年言ってごめんなさい(しかしワンタッチとして使うやり方は今でも嫌いだ。きっとずっと嫌いだ)。バレーって競技はまだまだ面白い。いやそれにしてもアメリカのセンター陣は素晴らしかった。 そのうち女子もブロードが使えなくなる程速くなるんだろうなあ。 ところでアメリカ、ボールやホフがまだナショナルチームでプレーしてるってのが嬉しいよー。昔東レバレー部の練習見学によく行ってたんですが、その時ボールが東レでプレーしてたのね。すごいいいひとだったよー。ホフも東レにいた選手。 監督も、大会期間中とても悲しい事件に巻き込まれてしまったけど(酷い話だ…)優勝出来てよかったね……。 日本は今回はまず出場出来たってだけでもすごいじゃん!これからですよー(泣)繋がるといいなあ
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『八月納涼大歌舞伎』第三部@歌舞伎座
第三部、『紅葉狩』『野田版 愛陀姫』。
『紅葉狩』は勘太郎くんが大役です、更科姫。扇を何度も落とすし声は嗄れてるしでハラハラしました…が、踊りは大きく華やか。踊っているうちに実は鬼なんですってのがちらっと出てきた後の所作、その後鬼女の本性を現して、平維茂と立ち回りを演じるところは鬼気迫るものがあり格好よかった。今回ラッキーなことに6列目ド真ん中の席で観ることが出来たのですが、ただでさえ音響がいい歌舞伎座なので音の迫力は勿論のこと、足で鳴らす音の振動迄伝わってすごかった。
マスターのタさん曰く「勘三郎さんとこは代々喉が弱いんだよね…きっと遺伝なんだろうね」。あららそうなのかー。思えば勘三郎さんも声がかすれ気味であった。巳之助くん大きくなったねーなんて話す。
『野田版 愛陀姫』は『アイーダ』の翻案もの。上演が決まった時「マドンナで映画になりましたよね」とか言って笑われる。そりゃ『エヴィータ』じゃー!そんな訳でちらっと予習して行きました…。
これを歌舞伎でやる意味はとか考えるとツッコミどころも多いのでしょうが、野田秀樹が書いたもの、と考えると違和感なく観れると思います。「ああっそんなつもりじゃなかったのに!」とか、出来心とか保身とか恋心故の小細工が全部裏目に出る辺り、公人と私人の葛藤、自己犠牲の要素。ラストは『パンドラの鐘』を思い出して泣けた。これは埋められて死にゆく駄目助左衛門と愛陀姫にも、「死んだように生き続ける」濃姫にも共通する。
あと野田版歌舞伎は役者さんが皆とても楽しそうなのがいいです。福助さんのはじけっぷりとかな。あーもうほんっとムカついた、あの役(笑)で、ああいうインチキが自分を本物だと勘違いして、一時的であろうとも世界を掌握したと思い込んでしまう愚かさと怖さも野田さんはよく書く。その後に破滅するだろうって予感も書いておく。濃姫がお嫁に行く先を聞いてハッとする観客が殆どだろう。この辺は舞台を日本に置き換えて史実とリンクさせた面白さが出ていました。
台詞劇にしただけある言葉の強さと、それを発する役者さんの力を感じられる脚本だと思います。オペラの音楽を封じて翻案するのだから、こういうところは必須なのだとは思いますが。勘三郎さん演じる濃姫の情念、三津五郎さん演じる信秀の、ひとの上に立つ者が持つ強靱な人物像は流石でした。
堀尾さんの美術がよかったです。書き割りを屏風のように折り畳んで使い、場面転換も鮮やか。音楽は、ヴェルディとマーラーの曲をどういう意味合いで使っているのかが判らなかった。
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