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2008年05月11日(日) ■ |
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『五月大歌舞伎』昼の部 |
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『五月大歌舞伎』@新橋演舞場
昼の部、『毛谷村』『上「藤娘」中「三社祭」下「勢獅子」』『一本刀土俵入』。歌舞伎の昼の部は11時からです。朝の部やんそれ。ねもい。んがー面白かったよー!
『一本刀土俵入』をちゃんと観るのって初めてだったんですがこんな話だったのか!泣ける!あちこちで鼻をすする音!早いひとは腹ぺこ茂兵衛がおっかさんの話を始めるとこからもう泣いてる。そこまだ序幕の第一場です。んでその後の第二場「利根の渡し」で茂兵衛がおいも食べてるとこでもさめざめと泣いてるひとがいて(客席の地明かりが明るいので結構見える)なんでここで泣いてるんだ…これから親方に会えるんじゃないのか……と思ってたんだけど、ここって茂兵衛がこの後どうなるか知ってるひとはむちゃ悲しいシーンだ!と観終わると判ると言う。わーん茂兵衛は結局関取になれずに渡世人になっちゃうんだよ!知らなかった!む、むくわれねえ…しかもお蔦さんとあんな再会、あんな別れですよ。多分もう二度と会えないよ。うわーん!(泣)
昭和6年初演の新歌舞伎なので喋りも口語体、芝居の流れも分かりやすい。演舞場で吉右衛門さんの茂兵衛は初めての上演だそうです。吉右衛門さんの茂兵衛は取的の時はすっげえ間が抜けてて腹は減ってるけど関取になるんだもん!お蔦さん恩に着ます!て感じでかわいかったんだけど、渡世人になってからは口調も仕種もがらりと変わってて何より出てきた時の凄みが…!わーん10年の間に何があったんだよ!と思わずにはいられませんよ…その、舞台に出てこないあれやこれやが滲み出てくるような姿。およよよよ(泣)芝雀さんのお蔦もはすっぱなのに情に厚くてステキングでした。染五郎さんはああいうニヒルな若頭似合うなー。
大向こうがバンバン飛んでました。こんなに多いのは初めて聴いたな。キメのとことか華やかでよかったなあ。お蔦が茂兵衛を「思い出したー!」のところで大ウケ。
『毛谷村』はもとが人形浄瑠璃。義太夫狂言になっての上演です。義太夫と役者のかけあいが格好いいですが昔言葉なので聴き取りきれない台詞が多かった…しまった予習すればよかった…。でも芝居の進みはコメディ的でとても面白かった。母親候補とこども候補と嫁候補にいっぺんに押し掛けて来られ、今日は妙な1日だ〜とかぼんやりしたり、太鼓を叩いてこどもをあやしたりする六助染五郎がオモロかったです。お幸と六助の金包みの投げ合いにちょっとした仕掛けがあっておかしいのー、マギー審司かと(笑)浄瑠璃の竹本蔵太夫さん(谷太夫さんかも。どっちか判らない)がジョシュ・フリースに似てて格好よかったです(笑)
おどり3つもよかった。完全暗転からぱあっと照明がついて、藤の花満開の舞台を開ける演出もよかったなー。福助さん美しい!「三社祭」は若手の染五郎さんと亀治郎さんの躍動感溢れる激しい動きと、リズミカルに踏み鳴らす足技が格好よかったです。
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