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2008年05月05日(月) ■ |
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『東京流れ者会特別編 Vol.15』とかNIN新譜『The Slip』とか |
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ヨタロウ with メトローマンス・ホテル『東京流れ者会特別編 Vol.15』@表参道FAB
そして今日も50代がいるバンド。『Porca Miseria!』発売記念ライヴ。ヨタロウさんは元気だった。でも同時に、ヨタロウさんの弱いところも見てしまったのでつらかったな。でも仕方がないんだ。これからこんなことはもっと増える。めそめそしてもいられないんだけど、やっぱりまだまだつらいよね。また雨だった。
HONZIが亡くなってからもう何をすればいいか判らなかったと言っていた。残されたライヴ音源を何度も聴いていた。HONZIの曲を形にしたい、HONZIにアレンジしてもらいたかった曲を完成させたい。アルバムには、HONZIの音も入ってる。でも完成してなかった曲もあって…『ファントム』でコンサートマスターをやっていた工藤さんと知り合って、ヴァイオリンを演奏してもらえることになり、レコーディングを進めた。すげーがんばった。工藤さんは毎回いたずらっこのようにフレーズを変えて演奏するHONZIのライヴ音源を聴いてコピーしてくれた。勿論彼女の色も加えてくれた。永久欠番なんてHONZIは望んでいないので、彼女の曲を工藤さんが弾いてくれて……等々。「薔薇より赤い心臓の歌」を唄った時、泣いていた。
いろんな国のトラッドソングを唄う。ジューイッシュ、アイリッシュ、三木鶏郎もね。唄うことで伝えられて行く。作ったひとはもうどこにもいなくても、歌は残る。
そうやって、唄い継がれて行ってほしい音楽は沢山ある。形がないからこそ、永遠の命を持つかも知れない。憶えているひとがいれば、それは生きている。
地上に出ると雨は止んでいた。
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さて40代のトレント・レズナー、むちゃむちゃ走ってます。新譜『The Slip』が出ました。10曲、トータルタイム43:45。公式から行ける特設サイト(http://theslip.nin.com/)にメールアドレスを入れると、フリーダウンロードページのアドレスが送られて来ます。ええ、フリーです。フォーマットもいろいろ選べるようになってます。.torrentにも公認で提供されています。好きなとこから好きに好きなグレードのものを落とせばええがなと言う。高音質のものもフリーです、イエーふとっぱらー。7月にCD、アナログでも出るそうです。
こうやって音が散らばって、それを耳にするひとが数百年後にいるかも知れない。トレントのことを全く知らないひとが、CDプレイヤーでもなくMP3プレイヤーでもなく、今の私が知り得ないハードを使ってこの曲たちを聴いているかも知れない。
音源は数百年のうち消え去っていたとする。それでも彼の曲が伝わっていたとしたら?その音はどんなものになっているだろう。メロディーのみ?リズムのみ?サウンドスケープとしてどういうふうに残っているだろう?トレントの音像構築力はすごいものだと言うのは私でも解る。しかしそれが、彼の作り出した形式でなくとも――例えば鼻歌で伝えられていたとしても――それはそれで何だか嬉しいことだな。そしてそれって現実に起こりうることのような気もする。
数百年後。その頃はもうトレントも、勿論私も死んでいるけど、今私が聴いている音をずっとずっと後に誰かが聴いているかも知れないと思うのは楽しいことだ。その誰かと私が会うことは決してない。
まあそんなことはいいんだ。今、この環境で、この音像をトレントの望んだ形で耳に出来ることはとても嬉しいことだ。
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