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2007年08月04日(土) ■ |
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Director's Choice『フォーエバー・ワルツ』 |
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PARCO Tryout 2007 ―ドラマリーディング・シリーズvol.1 Director's Choice『フォーエバー・ワルツ』@PARCO劇場
「人と人が触れ合った感情の記憶は、化石のように残ることもなくはかなく消えていく。時間とともに波にさらわれるよう、跡形もなく消え去ってしまうものだ。」
白井さんのコメントです。白井さんのチョイスする作品には、必ずこの側面があります。そのものがテーマだったり、隠れていたり。生きているか死んでいるかに拘りはありません。あるいは、“触れ合った感情の記憶”があるのなら、その人の生死は問題にならないのかも知れない。
それでも「あの時ああすれば」と言う悔恨のようなものは消えない。そして、その時に大きくのしかかるのが“死”と“時間”と言うものだ。
リーディングとは言え、演者は椅子を立って動き回り、時折マイクオフで話し、触れ合ったりする。照明は演者それぞれの頭上に剥き身の電球と、舞台側面から差すもの。バックには白いスクリーンが張ってあり、舞台上に設置されたプロジェクターを演者が操作してスクリーンに映像を映す。90分の上演時間が短く感じた。特にミステリーの要素が出て来たラスト30分はスピード感があった。
そのミステリーの面だけをとると、結構どろんとしたストーリーなんだけど、白井さんが演出するといい意味での清潔感が出るなあ。初舞台の小山田さんはちょっと緊張気味だったか、声のトーンが単調になりがちでしたが、佇まいが幼くて高慢ででもかわいい、と言うイーヴィ像で面白かったです。萩原さん、鈴木さんは流石巧い。
「将来上演してみたい作品をどのような形で具現化するかを試す」のが白井さんの狙いだったそうなので、実際舞台に立ち上がるのを待つのも楽しみです。
こちらの照明も倉本さんでした。
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