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2007年04月22日(日) ■ |
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『ウェルカム・ホーム!』 |
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Msquare's company『ウェルカム・ホーム!』@ウッディシアター中目黒
再演あってよかった。現代演劇の戯曲はなかなか再演されない。そしてこれは未完の作品だ。現在を反映してちょっとずつ更新されて行くのはアリだ。今回「ニート」と言う台詞があった。ああ、鷺沢さんはニートって言葉を知らなかったかもな、と思った。
テーマ、モチーフ、目のつけどころとそれを細かいところ迄観客に気付かせる丁寧さ。残された脚本を完成させた演出の小林さんの力も大きいと思う。初演の時よりは落ち着いて観られたので、改めて面白い作品だなあと思った。役者陣もよかったなー。
何年かごとに再演あるといいな。しかし本当は、作品で提示されている問題がひとつずつ解消されていき、ここで書かれていることが通用しなくなり、いずれ上演されなくなるのが理想。もしくは「ええ、こんなことがあったの?信じられない」と、笑い話として上演されるような。でも多分、そんなことはない。そういう意味では、再演がある毎に複雑な気分になるだろう。嬉しいけど悲しいみたいな。
でも、全ては無理でも、この中のいくつかは道が開ければいいな、と思う。この作品のすごいところは、これだけ問題が山積していても、何らかの解決策がきちんと示されることだ。それが偶然の産物や、時間が解決することであっても、「こういう手もあるよ」と見せてくれる。
上演されなくなっても、観客の心には残る。案外ちょっとした、どうでもよさそうな箇所こそが残るかも知れない。家族のスリッパが同じ形の色違いで、それを全員が履いている様子がかわいかったとか。
そういえばテキストで読んでないなあ。上演されたものとは構成が違うようだが、読んでみようかな。 『ウェルカム・ホーム!』鷺沢萠
(追記)あ、戯曲あった。『ばら色の人生 ―La vie en Rose』鷺沢萠
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