I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
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2007年02月28日(水) ■ |
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『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』2回目とか |
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最近『THE FLOWERS OF ROMANCE』がヘヴィロテなのですが、これアルビニさんが録音したらどうなるかなーと思う今日この頃野口五郎。そんなアルビニさん、ストゥージズ33年振り(!!)の新譜の録音を手掛けているそうで、すごく楽しみ。リアルタイムで新譜聴くの初めてやでストゥージズ……。
IGGY POP & THE STOOGES、フジに来ます。さあてどうしよう。
そんなイギー・ポップが一時期滞在していたベルリンから始まるお話、『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』リピート。いろいろ考えつつ観た。
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『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』@新宿FACE
カメラが入ってた。オンエアもしくはソフト化の予定があるのかな。
立ち見でオーシャンヴューだったのでフロアとステージを両方観られた。くまさんグミのとこでもう泣いた。「Lift up your hands」で手を挙げる観客。全ての照明がカタン、と消えた後の静寂。やっぱりいい。このヴァージョンのヘド、好きだな。
あの暗転は、ステージが終わった寂しさと、これからどうなるのか判らないヘドの孤独(それはイツァークの孤独でもあり、トミーの孤独でもある)を感じて、暖かい気持ちになりながらも背筋に冷たいものが走った。放り出されて家に帰る。家?帰る場所はどこだ。そんな場所はあるのか?
この作品には沢山の壁がある。ドイツ人とユダヤ人を日本人が演じることに始まり、そのドイツ人が英語で唄うシチュエーション、日本人が英語で唄うこととそれに字幕をつけないこと。性転換に失敗してどちらともつかないジェンダー、最初からいない父親、ユーゴに逃げてもう会えないであろう母親、ヘドウィグが今どこにいるか判らないと言うトミー。中村中さんが演じるイツァークの意味。
ショウか、演劇か、ライヴか、観たままか、想像力を使うか、想像力を拒否するか、それとも拒否されるような提示だと受け取るか。
壁は決してなくならない。ひとつ越えても、また新しい壁は出来る。それはずっとだ。しかし、ベルリンの壁が28年後になくなったように、越えられるものもある筈だ。その繰り返しだ。ずっと解り合えないひともいる。それでも、と思う。しんどいことではあるが。
初日開けてからまーボコボコの感想やら何やらひととおり読みましたが、建設的な意見もあるし、そうでないものもある。勿論絶賛のものもある。全く相手の意見を聞き入れないものもあるし、自分のヘドこそが正しい解釈なのだから、間違っているこのヘドを導いてあげましょう、と言う意見もある。そのどれもが観たひとの思いではあるが、押し付ける前に考えることもあるな、と思う。ひとの意見を聞いた上で自分がどう思うか、も。
ここ迄賛否両論の作品は久々に観たなあ。現象としてもエキサイティングです。これは別に余裕がある訳ではないよ。観る側としても襟を正しつつ、自分の感覚を大事にしておこうと思うし、しかし両手ぶらりの感覚でもいようと思う。思い込みがいちばん危険。気付かされることも多い。
FACE公演はあと5回。
余談。立ち見の位置が、ヘドが入ってくるとこの真ん前だったので、あのメイクの山本くんをむちゃ間近で観てしまいました……。それにしても肌綺麗だったわ。美脚だし。ラストの中さんも近くで観られました、素敵☆
いやーそれにしてもよかったわ、あの旧リキッドで立ち見でオーシャンヴュー…ううう。
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