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2006年05月03日(水)
ハシゴ

『タイタス・アンドロニカス』@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

再演。若干のキャスト変更と、若干の演出変更があり、非常に燃費がいい舞台になっています。怒涛の展開が恐ろしくサクサク進むので、観るのに体力使いますが体感時間は短い。シェイクスピアの何でもあり感が満載!アホかと!(暴言)いやもう凄く面白い…。

落ち着いて観るとあれだよ、元はと言えばタイタスがブイブイ言わせてタモーラの息子を生け贄にしちゃったり(いやしきたりとしては必要なことと判断してのことでしょうが)、ラヴィニアをサターナイナスの嫁に!て提言したりと結構うっかりさんですよ。息子を戦争で失って…と嘆いた直後に、怒りにまかせて生き残った息子を殺しちゃったりするしな!勢いがあり過ぎます。

突っ込みどころをあげれば切りがないのですが、まあ戦争や政治が絡むと誰も止められなかったりするよね…と嫌な教訓を得ますね…。あとひとの復讐心は底知らずってことか。最後の殺し合いは展開早くて失笑しそうになる程です。人生てそんなもんだ!ひとって結構簡単に死んじゃうね!うらみつらみは連鎖するけど決していい方向には行かないね!

虚しい…人間て本当にアホだ…。しかしふと気付けば、観客はローマ市民の役回りと神の視点を与えられている。全てを目撃することは出来る。が、何も出来ない。ひとのことアホだとか言ってる場合じゃあない。

滑稽にすら見える陰惨な復讐劇。しかしそこでむき出しになる感情にひとは動かされる。それが芝居であっても。体現出来る役者がいれば、その光景は本物だ。鋼太郎さんのタイタスは素晴らしかったです。再演組の小栗くんは、意気込みが伝わる色悪エアロンでした。そしてシェイクスピア作品の最後に出てくる生き残り、起こったことを伝えていく役回りのマーカス役・壤さんがすごく良かったです。

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『予感』@ユーロスペース2

ohanaのヴィデオクリップを、せっかくなので(?)映画にしましょうとなったものと言えばいいのか…廣木監督作品として上映されました。脚本も廣木さん。

これは…当て書きなのか?(笑)楽しく切なくほんのりモテモテ。問題は全く解決しないまま終わるけど、ほっこり笑顔で観られます。やあータイタスの後に観るとホッとするわ〜。

冬の光景と、きれいで素敵なおんなのコ。廣木監督は不機嫌なおんなのコの顔を魅力的に撮りますね。

オオヤさんとおーもりくんのトークショウ付でした。バンド組んでフジロック出たいって言ってました、マジすか!出るなら土曜か日曜に出てください!(笑)