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2004年10月07日(木)
山の手事情社『Yamanote7481 ―jam ゴールドブレンド』その1

山の手事情社『Yamanote7481 ―jam ゴールドブレンド』@青山円形劇場

池田成志、柳岡香里、清水宏。この3人はかつて(あるいは現在も)敬意を込めて何と呼ばれていた?ピンポーン。はい、キチガイ役者です。さて、それではそのキチガイ役者3人がかつて在籍していた劇団はどこ?

ピンポーン、はい、山の手事情社です!

フリーエチュード、ハイパーコラージュ、四畳半と、独自のメソッドを確立して来た山の手事情社。創立メンバーで現在も残っているのは、主宰の安田さんだけだそうです。20周年記念公演として、リクエストで選ばれた3演目『jam ゴールドブレンド』『夏の夜の夢』『オイディプス@Tokyo』を同時上演。『夏〜』は初演を観ているので、『jam〜』と『オイディプス〜』の2演目セット券を購入しました。うーんでも『夏の〜』面白かったから、余裕があればまた観に行きたいなあ。

『jam〜』は常連客にはお馴染みカタログシリーズ。山の手メソッドを紹介する演目です。稽古と言っても面白いんだよね…金とれるもん。勿論公開するためにきちんと構成されているし、衣裳やセットも高クオリティです。どんな内容なのかは観てもらうのがいちばんなのですが、出来る限りをご紹介。いやホント、観てほしいな〜(誰に向かって言ってる…)『演劇は役者、役者は肉体』がどういうことかってのが垣間みれます。

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1. 柳家花緑の落語十席
ゲストの花緑さんが、「私はスペシャルゲストなんですよ!スペシャルゲストなのに前説ですよ!」と言いつつツカミを担当。当日配付のリーフレットに記載されている古典落語10本の中からその場でリクエストを募り、一席打ってくれます。本日は『初天神』。親子で天神さまにお参りに行くお話で、子供が露店を見て騒ぐ、親たしなめる、子供だんごねだる、親渋る、と言った描写を活き活きと再現。父親、母親、子供の3役を勿論ひとりで語る訳で、声色も表情もころころ変わり、客席はすっかり花緑さんペース。
そこへいつの間にか客席にいた安田さんが立ち上がってご挨拶。以降マイクを持って進行を務めます。

2. 歩行・二拍子
歩く姿だけでも役柄と言うものは見えてくる。いろんなパターンの歩行をマーチングのように見せていきます。
二拍子は合図に合わせて瞬時に動きを変え、止まり、スローモーションで動く訓練。これには身体だけでなく表情の動きも含みます。役者は感情も身体もコントロール出来るようにしておかねばならないんですね。悲しいことがあった時でも舞台上では楽しいなって役をやらねばならない事もある訳です。ですから、この訓練を通して…と安田さんが説明を続けていたところ、

3. 清水宏のフリーエチュード
もうひとりのゲスト・山の手OBの清水さんが客席に乱入!「知るかそんなこと!なぁ〜にが山の手メソッドだあ!(安田さんいる前で言うし(笑))観た事のない演劇をやるんだ!」とド・ド・ド・ド・どテンション芝居がスタート。うおーなつかしー!(笑)清水さんがどんどん役者に振付し、台詞を口立てで振って行きます。勿論脈絡はありません。役の割り振りも感覚一発です。役者は即対応します。ゲロになれと言われた三村さんはげろげろげろ〜て動作をして、清水さんに「違う!説明するな!ゲロになれ!ゲロそのものに!」とダメだしされ。第三舞台の「ちくわを説明するんじゃなくて、ちくわそのものになるんだよ!」思い出した〜。早大劇研の根幹ですか。
ひとしきり舞台と客席(そう、客も油断出来ないのです。振付されました)を混沌に落とし込んだ後、「通すぞ!」。あっこれ『SPORTS』だ!思わず10数年前の記憶がフラッシュバック。見事に通せるんですよこれが…通った暁には拍手喝采。演劇のカタルシスを感じる時です。
出演者は全員舞台にいるんですが、ここでは清水さんについていける(笑)ベテラン・中堅の役者さんのみが参加。新人くんたちは体操座りで待機しつつ、とばっちりが来ないか、いつ終わるのかと半笑いで様子を見守っていました。

4. ジャムセッション
フリーエチュードの発展型。どう身体を反応させるかだけでなく、頭の中ではどうやってこの目の前の空間を掌握すべきか考え続けねばならない。それでいて感覚一発が何よりも勝る瞬間もある。まさにジャムセッション。当然はじき出されるひともいて、それがまた逆転する瞬間もたまらない。声が大きけりゃいいって訳ではないけど、声が大きい(と言うか、声を通す力がある)とひとの注意を引きつけられるよね。
この日は演劇ラグビー(台詞を言っているひとより前に出てはいけない。出たらオフサイドってことではじかれる)でスタートし、腰の低過ぎる旅館、セクハラばかりしている会社等、爆笑に次ぐ爆笑、ひー助けてくれー。腰の低過ぎる旅館は文字通り皆どんどん低い位置にはいつくばっていくんですが、ここで「はーいもっと低くしまーす、がらがらがら〜」と天井を下げる動作で切り込んだ山本さんに大ウケ。惚れました。

ここでくじ引きを行い4チームに分かれ、客席からお題を募ります。出た時事ネタは楽天、台風、ヨンさま。このモチーフを盛り込んで、ショートストーリーを作る作業が始まります。その15分間は客は休憩時間。

長い!続きは次回。