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2004年06月01日(火) ■ |
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早稲田演劇博物館に行ってきました その2 |
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つづき。これがいちばんインパクトあった!
■市川團十郎家代々
十一代目市川海老蔵襲名を記念しての企画展、歴代の團十郎が勢揃い。やまこさんが言うには、團十郎は代々不可解な死を遂げるひとが多いそうで、成程確かに夭折したひとも多いし、初代なんて上演中、舞台上で共演者に刺殺されてます。ヒー!波乱万丈もいいとこです。
なかでも気になったのが八代目。絶世の美男、父親(七代目)の若過ぎる死による苦難の芸道、舞台の初日に自殺と、とにかく謎めいたひとだったようです。当時の人気は凄まじかったらしく、こんな死絵も描かれちゃうくらい。死絵(しにえ)ってのは今で言う追悼本みたいなものだそうです。これ画面が切れちゃってるんだけど、左端にはいぬやねこ迄もが「つれてっちゃいやあああ」ってわたわたしてるんですよ!(大笑)幽霊迄もが「まだこっちに連れてこないでえええ」ってな感じで鬼にすがってるし、すーごーいー。当人は「え?俺死んじゃったの?」ってな顔してるし面白過ぎる…。
そしてそして何よりインパクト大だったのは團十郎ばばあ。八代目の熱狂的なファンだった実在する人物だそうで、八代目の錦絵では、客席にそのばばあがいるさまが描かれていることも多いとか。上の死絵で鬼の右腕を掴んでるのがそうじゃないかな…素晴らしい。ばばあって呼ばれてるのもすごいが、その名称のままで博物館にコーナーがあるってのもすごい。ファンとはこうあるべきなのか?私もスズカツばばあとか呼ばれるように精進せねばならないか?……そ、それはちょっと………
他にも格好いい海老蔵コーナーとか、襲名の時に配られるおみやげとか(これがまたいいんだ!海老柄の扇子が品良くてステキ!)の展示もあって面白かったのですが、あまりにばばあに衝撃を受けたので記憶が薄れてしまいました(笑)また観に行きたいよー。
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■民俗芸能 常設。全国のお祭り、伝統芸能を紹介。お祭り写真家の方が撮り集めた、いろんなお祭りの模様が展示されていました
■日本の演劇 常設。古代、中世、近世、近代、現代に分けて、演劇の歴史を展示。能楽堂の模型もあった。時代が変わるにつれ改良が施されていく流れが興味深かった。昔は照明なんてないから、どうやって太陽光を劇場内に入れるかとか。シェイクスピアコーナーにあったグローブ座もそこらへんの工夫があって面白かったです。 能面を実際につけて遊んでみようってコーナーもありました。視界がすごく狭い!これで舞台上を動き回るのは大変だ〜。そのため舞台の床は、足の感触で方向が判るように、ある規則に従って張られているそうです。見た目も美しいけど、機能美としても面白いなあと思った
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そして今回博物館に行ったら…と楽しみにしていたのがこれ、
■閲覧室
蔵書が物凄く豊富なので、行く前に見たいものを絞っておこうと検索してたんですね。丁度『ダム・ウェイター』の原書を取り寄せたところだったので、和書(絶版)と読み比べてみたいからそれも〜とか、いろいろ。
で、なんとなく、なんとな〜く「早稲田だし…出身大学だし…」と“鈴木勝秀”で検索してみたんですよ。そっしったっらっ!『SWEET HOME』の上演台本が………ギャーッ!!!予想外のものが出て来たのでも〜トリハダが!あれですよ、カーブかシュートかシンカーか、ってミットを構えていたらバスケットボールが飛んできた((C)原田宗典。これことあるごとに使ってしまう…名文ですよ)気分ですよ!いや、過去戯曲が掲載されたレスペックのバックナンバーとかがあるかな〜って軽い気持ちだったんだよ…まさか出版されていないものが見付かるとは。全頁コピーさせて頂きました。ああ有難う有難う!
この『SWEET HOME』、なんと幻の柳美里さんバージョンの台本もありました(驚)こっちもコピーしたかったんだけど小銭が足りず両替も出来なくて断念、その場でスズカツさんバージョンと読み比べ。そうか、こっちではこういう終わりだったんだ…とか、階上の住人がこういう台詞を吐くんだ…とひとりでジンワリ。きたはらさんたちが読んでいるハムレット・ロズギル関連も一緒に見せてもらいたかったんだけど、閉館時間も迫っていたのでおっつきません、うわーん。
そうそう、大森くんがらみで知り合った方がこの『SWEET HOME』を観てたって最近になって聞いたりして…10年前のことが同時期に話題に出て驚いている。こういうことってあるんだねえ…。はあ〜また振り返ってますよ。
好きな作品だったなあ。決して再演はないだろう作品なので、思い入れも強い。今思うとキャストもすごかった。当時「○○さん(演出家)は『このキャスト、怖い。大当たりになるか破綻するかのどっちかだよ、自分には演出出来ない』って言ってたよ」って某さんに聞いたんですが…確かになあ。いろんな意味ですごい現場だったんだろうと…観られて良かったと今でも思います。
閑話休題。『ダム・ウェイター』和書(訳は同じなんだけど、解説とかが違う)も2種類見付かったのでこれもコピー出来てよかった。ここらへんは後日別枠で書きますわん。
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それにしても濃かった。お昼ご飯で1時間弱出たくらいで、ほぼ開館時間〜閉館迄いたのに網羅出来なかった!企画展も多いし、常設展示も随時入れ替えているようなので、また行きたいなあ。楽しかったです!
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