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kai
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2004年01月10日(土) ■ |
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『おはつ』 |
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『おはつ』@新橋演舞場
う〜む〜〜〜〜〜。
バッサリ言ってしまえばバカップルの話なんですがね。曽根崎心中に憧れた労咳の女郎が、死ぬ迄に燃えるような恋がしたい〜!と周りを巻き込みまくって死ぬ迄のお話です。すごい迷惑な話です。うわ、ホントにそう言ってしまえばそれだけの話だ。
登場人物皆がはっきりした魅力的なキャラクターだし、話の運びもテンポよく進む。
なのに、なのに〜どうにも納得がいかない〜!何でだ?…きゃ、脚本に問題があるのか?死ぬ〜殺して〜いや殺せねえおまえが好きだから〜いやよいやよ私は直助さんと一緒に死ぬの!が延々続くのでもうええわい!と突っ込みたくもなると言うか…正太郎が可哀想過ぎてのう。おはつに肩入れ出来ない。いやもー死ぬんだし!となれば破滅型の方に向かうのも判らんではないけど、でもね〜そんなに直助がいいかね!
あれかな、「そりゃないよ!」と突っ込みながら観るのがいいんだろうけど、多分演じる側もそう思ってるのが感じられちゃうから嫌だったのかな。当事者が「これどうよ?」と思っているのが伝わってしまっては…対岸の火事として観ている観客と一緒じゃないですか。こういうのってひとごとだから面白いわけで。
せっかくの個々の役を使い切れてないと言うか…発想は面白いのに。エラそうですみませんが。マキノさん『浪人街』の脚本も手掛けてるんですが、どうなりますかね…いやこのひとにしては珍しいなと思うくらいの腑に落ちなさだったので。う〜ん勿体ない気がするなあ、これ。
役者陣は何と言っても沖田総司役の北村有起哉さん。明朗、爽快。平和主義そうでいて、商人あがりの侍をひと太刀であっさり殺す。ここはゾッとしたなあ。やっぱり『ハルシオン・デイズ』行こうかな…。
あと正太郎役の小市慢太郎さんがよかった。役柄もあるだろうけど、惚れた女のためにそこ迄尽くすか!あんた生きてればこれからきっといいことあるよ!おはつのことなんか忘れてしまえ!と肩をバンバン叩きたくなりましたよ!江波杏子さんも貫禄。格好いい。
佐藤江梨子ちゃんは、他で観た時はこんなにドタバタしてなかった気がする。こういう「キーッ私直助さんが好きだったのに!」と笑わせる役まわりは、裕美さんの演出らしいドタバタ感がハマればすごく面白くなったと思うんだけど。どうにもハナシが。そして演舞場って場にも…う〜〜〜ん、軽妙さと紙一重のうざったさが裏目に出たかな…。
松たか子さんはやっぱり巧い。おんなの狂気みたいなのがビシバシ伝わった。だから尚更嫌だったんですが(笑)
話のもどかしさを除けば楽しめた舞台でした。美術も衣装も照明も華やかでよかった。
休憩時間におみやげコーナーを見ていたら、「おはつ」と言うお酒が売られていて、製造元が佐々木酒造。こ、これはひょっとして…。つれが「これって蔵之介さんのおうちで造ったものですか?」と訊いたら「そうでございます!」。買って帰りました(笑)
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■『浪人街』のチケットとれた!よ、よかった ■『FAUST』も確保出来た。しかしこれ、DM優待で¥1,000割引!だったので嬉々として申し込んだら2階席だった…。う〜ん白井さんの舞台っていつも美術がいいから、全体を観られるってことで後ろでも…い、いいか…(と自分を納得させてみる)
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