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2003年11月20日(木) ■ |
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NYLON100°C 25th SESSION 10 years anniversary『Haldin Hotel』 |
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NYLON100°C 25th SESSION 10 years anniversary『Haldin Hotel』@本多劇場
10周年記念公演にこういうのを持ってくるかね…ケラさんらしいと言うか何と言うか。結構ドシッときた。
ホテル・ハルディンのオープン日、宿泊客に配られたカード。「10年後の今日、いらしてくださったお客様は無料でご宿泊頂けます」。10年後そのカードを手にホテルにやってくるひとたちは、何が変わっていたか、何も変わっていないのか、それが幸せなのか不幸せなのか。
登場人物の誰に感情移入するかで感想は変わってくるかもしれないが…。あの状況下では、どれがいちばん楽だろう?平熱のまま気が狂うか、酒に逃げるか、死ぬか。狂ったもん勝ちとは思えない。頭がおかしくなって、自分の心の中だけで暮らせればそのひとは幸せよねえとか平気で言うひとがいるが、そんな簡単なもんじゃないだろう。
最後は収束しきれてない感もあった。まあまとまらないところがいいのかも知れないし、まとめられる程人間都合よく出来てはいない。
役者陣と演出の信頼関係が強固な印象のあるナイロンなので、本筋からどんどん逸脱していく部分こそが面白いこともある。個人的には「アリをどんどん捕まえます」がツボに入ってしまって、笑いすぎて腹筋が痛くなった(笑)あとは救急隊員が「どへぇ!」と言った、と言うところ。そういうもんかもなあ。本当に切羽詰まっているとか、必死なひとの行動って、端から見れば滑稽だよ。だって他人事だもんな。本人以外にその思いが解る筈もない。ケラさんの作品には必ず出てくるモチーフだ。「偽善者ぶるな」と言われているようで、ドキッとする。
健康を解散して、プロデュース制としてナイロンを始めたのに、今はまた劇団仕様になってるもんなあ。ケラさんは役者に愛があるなあといつも思う。
このタイトルを聞くとどうも平沢進氏を連想してしまう。曲が使われるかなーと思ったけど、それはありませんでした。
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