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2003年07月10日(木)
ふいうちはビビる

『Hamlet』も観たことだし、野村萬斎さんの著作を読んでみようかなと思い本屋さんへ。新宿の、朝早くから夜遅く迄やってるあの本屋さんです。

『萬斎でござる』(朝日文庫)と『わたしはネコロジスト』(中公文庫・手のひら絵本シリーズ)を持って、50代くらいかな、白髪まじりの店員さん(男)が立つレジへ。

置かれた2冊の本をじーっと見ているその店員さん。動きが鈍い。

「…カバーはどうなさいますか?」
「1冊だけお願いします」
「…どちらにおかけします?」
「どちらでもいいです」
「……野村萬斎…」
「……?」
「…今、ハムレットやってますよね」
「は、はい?」
「野村萬斎、ハムレット」
「あ、は、はい」
「河合祥一郎の新訳で」
「ああ、ええ、観ました」
「どうでしたか、訳!(と言いつつ2冊ともカバーをかけている)」
「(…カバーは1冊だけでいいって…)ええ、耳に入りやすかったし、すごく面白い訳でしたねー、かなり好きでした」
「そうですかあ!(ニコニコ)有難うございます〜」

呆然としたままお店を出て、しばらくしてから「あ、そうだ。新訳ってもう出版されてるんだっけ?そのことを訊いてみればよかった」と気付いた。訊いてほしかったのかもなあ。いやでも突然こんな話振られたら動揺するって!

それにしても……あの店員さんは萬斎さんが好きなんだろうか、河合さんが好きなんだろうか。訳のことを訊いてきたから河合さんファンなのかな。

以前書店でバイトしていた時、自分の好きな本を買っていくお客さんに声かけたいなーと思ったことは何度もあったが、実際話し掛けられた方はかなり狼狽するんだなと実感しました…。

新訳は角川文庫から出ているそうなので読もうと思っていますが、さてどこで買おう。あの本屋さんで、あの店員さんがレジにいる時に買ってみようかなー(笑)