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2003年06月14日(土) ■ |
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『舟越桂―森から来たささやき』展 |
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『舟越桂―森から来たささやき』展@東京都現代美術館
なんか現美にしては珍しい(苦笑)混み具合で、客層もいつもと違う家族連れが多数。何だ?と思ったら、もう一方の展示室でのジブリ展が初日だったのでした。お、ついでに観てみようと思ったが、あっまーい。三鷹のジブリ博物館同様、混雑緩和のため、事前に日時指定の入場券をローソンで購入しておかないと入れない仕組み。すごすごとひきさがり。時間があれば観てみたいなあ。
しかしこちらも盛況。舟越氏の作品をじかに観るのは初めて。使用する木は楠。新しい作品に近付くと、木の香がほのかに残っていてなんとも心地よい。目の部分は木彫りじゃないよなあ、何なんだろうと思っていたら、頭の部分を後ろからくりぬいて、大理石の目玉をはめこむ仕組みだそうだ。確かに像の背後にまわると、寄木細工のように外れるようになっている。ちょっと『ドラゴン・ヘッド』を思い出してしまいブルブルブル。意外と脆いつくりだそうで、手をのばしてしまいそうな欲求を我慢我慢。
多くは胸像だが、丁度身長になるくらいのスタンドに置かれ、ランダムに配置されているので、時々ほんもののひとと間違えそうになって「あっ、ぶつかりそう、すみません」って感じで振り返ったら像だったりした(笑)
なんと言うか、ひとの“気配”がある。森に静かに佇んでいるひと。夜、閉館後のここに忍び込んだら、像たちのひそひそ話が聞こえてくるのではなんて思ってしまった。
モデルはいるにはいるが、その人物の顔と言うより、存在感、内面を表現したいとのこと。こちらが勝手に思っているのが、女性の基本顔が甲田益也子さんに似てませんか?いそうでいないよなあ、と思っていたけど、これに気付いてからは、妙にこの彫像たちが人間くさくみえてきて、親近感を持てるようになったり。勝手な言い分ですけどね。
いやでも甲田さん本人は妖精みたいな感じですけどね…あんな美しいひとがいるんだーと以前実物見た時は感動しましたよ。なんかねーふわーと霧をまとっているような美しさでした。
なので人間くさいってのはちょっと矛盾してるかも。とは言えああいう人間は実際にいるのだなあと。支離滅裂になってますが。
あと森村泰昌さんにやたら似ている像が一体あって妙に気になった(笑)
数点、ドローイングと彫像を並べて配置したものもあった。雰囲気が微妙に違う。ドローイングでは穏やかな表情だったのが、彫像になると険しくなっているものもある。彫る過程で何かあったのかな、と深読みしてみたり。
ドローイングは、像を彫る前の構想スケッチとして、絵だけではなく作者の言葉も沢山書かれていた。しっかしこちらのクオリティも恐ろしく高い。面白かった。
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常設展示もかなりさまがわりしていて楽しかった。ギンズバーグの詩とリキテンシュタインの挿画作品が入っていたぞー。新しかったためか作品解説のカード(親切にも作品個別の解説カードが置かれるようになっている)は見付からなかった。まだ出来ていなかったようで残念。
しかしいつ行っても、ここが所蔵している上田薫氏の作品『なま玉子 B』が観られないのなー。観たいー。大事にしまわれてるのかしらん。1年に1回くらいはお蔵出ししてください、マジ頼みます。大好きなのよー。
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