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2002年09月06日(金)
Nの企画『動物園物語』

Nの企画『動物園物語』@ザ・スズナリ


今年は『動物園物語』の当たり年なのか、判っているだけでも3ヴァージョンが上演される。オールビー生誕何年とか、そういうタイミングでは全然ないんだけど。

今回は青年団の永井秀樹氏のプロデュースユニット・Nの企画で、カムカムミニキーナの松村武氏を迎えての上演。ジェリーが松村さん、ピーターが永井さん。現代の大阪の設定に置き換えているので、ジェリーがイトウ、ピーターがコバヤシになっている。

大阪弁での上演と言うのが今回のポイント。確かにこの台詞量の多さ、会話のテンポを大阪弁に置き換えたアイディアは面白かった。笑える箇所が顕著になるので観客も入りやすいし、役者の力量もあってかぐいぐい引き込まれ、その緊張感が最後迄持続している。現代の設定としてイトウの部屋にあるものに電子レンジが加わっている事にも説得力がある。松村さんが脚色したそうだが、ここらへんは流石と言う感じ。

スズナリの両面使いって、初めて観た。ああ言うセットが可能だったのか!センターステージを組んで、客席がそれを挟む形になる。枯葉が敷き詰められた晩秋の公園にベンチが2脚。虫の声がずっと響いている。

しかしラストが疑問。公園に現れる写真群と音楽が唐突、半笑い(に見えたが)で去るコバヤシ、笑いのオチにしていること。犬の物語からベンチの争奪戦になる流れが非常に良かっただけに、あれはなあ…。


配布されたリーフレットに、今回永井さんにこの戯曲を提案したシアターガイドの今井浩一氏のコメントが寄せられており、今井さんがザズゥシアターの『ウェアハウス』を観てこの戯曲の面白さを知って…と言うような事が書いてあった。あー被ってんなあ、やっぱりあれか。私もザズゥは皆勤、CroMagnon(田口トモロヲ氏と中島陽典氏のユニット)の『ZOO』も観ている。

10月にはその本家が演出します。見てろよ(何を)しかし不安なのはキャパ。この戯曲でPARCO劇場は広過ぎやしないだろうか。閉塞感なんて言葉とは程遠い劇場なだけに、演出と役者の力でどこまで観客の集中力を持続出来るか。最もそこを得意とするふたりの演出家だけに、期待感もかなり高い。

で、『ダブル・スタンダード』のスタッフが判りました。宣美・鳥井さん、照明・倉本さん、音響・井上さん、舞監・安田さん。おっしゃ。