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2002年08月10日(土)
『フキコシミツルとロイヤル室内バレエ団』

フキコシ・ソロ・アクト・ライブ『フキコシミツルとロイヤル室内バレエ団』@シアタートラム


「ひとりですし、バレエの公演でもありませんし。」が今回の広告コピーでしたが(笑)バレエネタはありました。女性用のバレエシューズを専門店に買いに行ったら「あなたバレエされるんですか?しかもこれ女性用ですよ?何に使うんですか?」としつこく訊かれ、なかなか売って貰えなかったそうです。「パン屋さんに行って『パンください』って言ったら普通にパン売ってくれるでしょ?バレエ用品店に行って『バレエシューズください』って言っても普通に売ってくれないんですよ!(怒)」…いや、そらねえ。そのうえ「あなたの足の形はバレエに最も向かない」と言われたそうで御立腹。

そんな数々の困難(?)を乗り越えた今回の公演は、ここ数年の中でも出色の出来!ネタは尽きませんな!使い方によってはすんごい高尚なモチーフで、芸術品に仕上げることも出来るのに、そうしないところがこのひとの面白いところ(まあどこをどうして芸術品て言うかの定義も微妙なもんですがね…)。風船と一緒に踊るネタも、普通に観てればすんごい美しいんだよね。でもその風船がコンドームを膨らませたものだったりするんだよね(笑)ああ大好きだね!シモネタの多さもね!男性客も多く、シモネタがウケるウケる。ネタをやったあとに自分を嘲笑するような素振りを見せるところに、このひとの冷めた目と言うか、モチーフを1回裏返して見る視点が感じられる。そこが信用できる。誤字の悲劇ネタはこれが顕著に出ていた。

照明やカメラ、スライドを効果的に使うのは毎回のことですが、なんでこういうの考え付くかねと思う同時に、考え付いてもよくここまで昇華させるなと思う。見せる事についての腕っぷしの強さと、真摯さが感じられる。双子の兄弟ネタは自分でも手応えがあったんだろう、2回出てきた。あれ、影の映り込みをあらゆる角度から試してみたんだろうなあ。これはホントに面白かった。恒例のボツネタ供養のコーナーも、本人「ボツネタだから面白くないですよ。僕が勝手にやりたいだけなんで、休憩しに行ってください」って言うんだけどやっぱり面白いんだよう。普段からこういうことばっか考えてんだろうか(笑)

あと個人的には、ブンブンサテライツの曲が3曲も使われててビビッた。しかも3曲目のあとにやったネタが『鬼』。普段中野くんのことを「鬼」と呼んでいるのでもうウケたウケた。「DRESS LIKE〜」はいい音響で聴くとこんなに粒子が細かいんだ!と感動したなあ。音のトビ具合とか面白い!いいなあ、このくらいのサウンドシステムで聴ければなあ。そこんとこ前提で中野くんも作ってるだろうし。『PHOTON』をちゃっちいコンポで聴いてると申し訳なくなるよ…。

そういえば誤字の悲劇ネタで、華道→火道をやった後ガスバーナーのガスを止め忘れていた。危ない危ない(笑)残りの公演気を付けてね!