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2002年04月05日(金) ■ |
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『自殺サークル』 |
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『自殺サークル』@新宿武蔵野館2
あの、これから観ようと思っているひとはこれ読まないでください。いやホントに。読まない方がいいですよ。ホントに。
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内容が内容だけにひとりで行こうと思っていたが、イチにも一緒に行ったTさんと時間が合ったのでふたりで観に行く。「またこんなんかい」と思われたろうなあ(笑)
…いやあ、かかっている映画館が新宿ってのも凄いが、私は中央線を常時使ってるんだよ…54人の女子高生がホームから飛び降りるオープニングはもう大変ですよ…(て言うか、よく撮ったなあこれ)99分硬直して観ました。その他にも皮膚のベルト、母親の炊事シーン等(ここでの客席の反応は凄かった)、絵的にはかなりショッキングなシーンが満載です。それが牧歌的な音楽とミスマッチで、気持ちが逆撫でられる。
でも、不思議とツラくはない。何故か?
そもそも自分は自殺願望が物凄く強い人間で、しかしひとには死んでほしくないというかなり勝手な考えも持っている。だから集団自殺って概念が理解出来ないんですよ。何で一緒に死ぬ訳?と言う。それもあってこれと、まだ観に行っていないが公開中の『グローウィン グローウィン』は気になっていた作品で、観れば何か解る事があるかもなと言う興味があった。
で、何か解ったかと言うと、解りませんよ。
それはこの映画の構造にも原因がある。と言うか、解らないようにしている。で、解らなくていいと思う。自殺サークルが実際にあったのか、それの主宰が何で子供なのか(ここらへんついつい『QUIZ』を思い出しましたが)、あのアイドルグループって何だったのか、最後あの女の子は、渋沢(永瀬正敏さん)に肩をつかまれなければ飛び降りたんだろうかとか。
そこらへんはもう深読みするのはやめた。感覚で観た方が面白い。まあ自殺するひとの心理は本人にしかわかりませんよ。それは仕方がない。冷たいけどね。でも、死んでほしくはないんだよね。ごめんね勝手でねえ。
ジェネシスこと鈴木宗男(笑った〜。これワザと…だよね?このテロップ後付けなのかな)が出てきた辺りで「やばっ」と思ったけど、これは便乗ものだったからホッとした。ここで本気に終わってたら怒り狂ったよ(笑)ROLLYさんのうさんくささが映えていた。ホラー感覚を意識した脅かしのシーン(電話がいきなりなるとか、FAXが流れるとか伏線の様で伏線ではない)はいらないと思った。入れない方がむしろ良かったと思うんだけど。
石橋凌さんて初めていい役者さんだなあと思いました(失礼)。と言うか、雰囲気で見せる役者さんだと思っていたもので、こういうのも出来るんだーと感心した(すんません)。父親っぷりもよかったけど、息子が死んだあとに電話を受ける長回しシーンは観ていて本当に悲しくなった。と言うか、主役がここで死んでしまうとは…。黒田(石橋さん)が死んだ後の渋沢の働きっぷりも良かった。結局何も出来なかったのか、何かを変える事が出来たのか、最後の永瀬さんの表情には切なくなった。麿赤兒さんもいい味出してました。つうか改めて観ると麿さん、手が綺麗だ…南朋くんの手は遺伝だったのか(笑)あとさとう珠緒さんと宝生舞さんの贅沢な使いっぷりにはビックリしたー。ええっ、そこで終わり!?みたいな。
あー、うまくまとまらん。園子温監督、これからどういう路線で行くのかな。かわいい画ヅラは相変わらず良かったです。いやここ迄書いといてかわいいも何も!と思うでしょ!いやかわいいんだよ!ヒヨコとか袋詰めにされた女の子とか、咳払いばかりする子供とか。小技が効いてました。あと、ダイアローグがうまい。
意外に終映後話が盛り上がる作品です。語弊があるかも知れないが、前向きに観られる。勧めるひとは選びますが。
映画の中で使われていたサイトのアドレス、帰宅後勿論観に行きましたよ。つうか同アドレスで違う企業のサイトだったんだけど…ここ、アクセス増えてるだろうなあ(笑)とか言って、実はこの企業に何かあったりしてね。さて、『グローウィン グローウィン』はいつ行こうか。
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