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2002年02月05日(火)
いや〜な気分になるのに面白いって作品あるよね…

大森南朋くん出演作品狩りは相変わらず続いています。もはや観た順番すら憶えられなくなっています。た、多分この順だと思う…。

『サザンウインズ トウキョウゲーム』監督:鴻上尚史
『Looking For』監督:鶴巻日出雄
『駆落ち/Kakeochi』(NHKハイビジョン)監督:兼歳正英
『続・平成夫婦茶碗』(日本テレビ)演出:長沼誠
『sWinGmaN』監督:前田哲
『コワイ童話3「ラプンツェル」』(TBS)演出:藤尾隆、平野俊一
『復讐―THE REVENGE 消えない傷痕』監督:黒沢清

今回も通行人、医者の卵、植字工、結婚詐欺師、通行人、編集者、ちんぴらと大忙し。オモロポイントは、ロン毛にビックリのスクリーンデビュー作『サザンウインズ』、巻舌結婚詐欺師の『続・平成夫婦茶碗』、3秒くらいしか出ていないのにちゃっかり女連れだった『sWinGmaN』かな。

作品では『復讐』が印象に残った。久々に黒沢監督の作品観たけど変わってないね!(つってもこれ'97年作品だけど)黒沢節満開の、ひきの長回し撮影多用。主役の哀川翔さんですらバストアップのショットって2割くらいしかなかったような…

この監督はホントにひとがいや〜な気分になるツボを知っている。怖いというより不快なんだよね〜(誉めてます)。冒頭の銃撃戦もずーっとひきの撮影で、出演者の動線を追い続ける。カメラも殆ど固定。あまりに長く回すので、ついつい深読みしがちになる。あの後ろにいる車は追手なんじゃないか?あの部屋の奥には誰かがいるんじゃないか?結局は何ごとも起こらず、自分の思い込みでこれまたいや〜な気分になるのだけど、それが監督の狙いなのかも知れないな。

音も全体的に残響が少ない。銃声も、レンガでひとの顔面を殴るシーンも鈍くて乾いている。悲鳴も少ない。気持ちが悪い。

哀川さんはひたすら格好いいです。声があんななのに(ご、ごめん)腹に隠しもってる決意みたいなもんがありありで、どこにも属すのをやめた一匹狼がとても似合う。自分の味方も利用するだけしてあとは知らん、みたいな情のなさが最高。でも、彼が遂行する復讐は、その“情”から生まれたものなんだけど。切ない。あのラストシーン、どこへ向かっていたんだろう。待っているひとなどいない朝比奈温泉か。

大森くんはヤクザの組員。いちばん下っ端のちんぴらで、組員皆がスーツ着てる中ひとりだけ赤のスカジャン、迷彩柄のパンツ、編み上げブーツ。結構な茶髪だったと思う(前髪は金髪に近かった)。全編通して出ている。ひきっぱなしの映像なので表情等は殆ど判らず。返り討ちを喰らって「いったぁ〜い兄貴〜!」て泣くとこと、組員同士で手作りダーツするとこ、組長のタバコに火をつけ損ねるとこがかわいかったです。

胃が重くなりたい方は是非。意外にオススメです。あんま続けては観たくはないけどね!