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2001年12月07日(金)
語りの芸術

古舘伊知郎TALKING BLUES 14TH『脳』@PARCO劇場

「全て脳で説明がつく」。

この極論(だがある意味正論)から始まったTALKING BLUES、今回は図版データの表示も多く、難しいかもと思わせるこのテーマをいかに面白く解りやすく見せるかと言う所にかなり労力を感じた。その説明に結構な時間を割きながらも腹を抱えて笑ってしまうオモロネタ満載。ハシモトシノブネタは涙が出る程笑ったよ!

『この仕事は天職だと思っている、耳と目で対象物を察知すれば、それをすぐさま言葉に展開し乱射出来る。が、「時には絶句したい、言葉の前に立ちすくみたい」とも思っている。』

ここ数年のTALKING BLUESには、古舘さんの個人的な「悲しみ」が色濃く出てきている様に思えるのは気のせいだろうか。ただ、それが妙にしみったれた私小説にならずに、「重み」を持った作品として伝わってくる所に面白さを感じる。

1年に一度しか上演(?)されないのは勿体ない。時事問題が多く盛り込まれる事もあり、再演と言う形をとる事は出来ないだろうけど、歴代のTALKING BLUESにはまた観てみたいと思うものが沢山ある。特に一昨年の『お経』は凄かったな。語りが“芸術”に昇華する様を聞いた感じがした。また聞きたいなあ。