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kai
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2001年11月17日(土) ■ |
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広い世界を見るのだ |
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映画はしごの日。
待ち合わせ前に新国立劇場のショップへ行って、6月に上演された『贋作・桜の森の満開の下』のプログラムを買う。当時交通費くらいしかない程の赤貧で行ったので、プログラムなぞ買えなかったのさー(トホホ)。いつか古本で見付けてやると思っていたところ、11月からショップでバックナンバーの販売を始めたとの事で、嬉々として初台へ。やー、思い出すな思い出すな。良かったよなー素晴らしかったよなー新国立のレパートリーに入れたのだからまた数年後にやってくれるかな。
ところで新国立、2003年のレパートリーに鴻上さんの『ピルグリム(仮)』が入ってるんだけどこれはあの『ピルグリム』!?(仮)となっているからには書き直すのだろうけど。キャストはどうなるのかな。
渋谷へ移動、さて何本観れるか。以下ネタばれありですよ。
『まぶだち』@シネ・アミューズ・イースト
本日初日で、予定外の舞台挨拶に遭遇。ラッキー。
タイトルのあっけらかんさとは裏腹に結構重たい中身。が、ラストはもの悲しさを含みつつ爽やか。担任教師の典型的な嫌らしさがいかにもって感じで閉口したが、その教師が時々真理をついたいい事を言うので、「なんでそれが判ってんのに生徒をああ扱うかねえ」と思う。その反面この教師はひょっとして偽悪者なのかなとも思わせられて、性善説を信じたくもなる。信じたくともそれが理解されない時も多い。理解しあえないまま別れたり死んだりしてしまうのは仕方のない事かも知れない。誰も責められない。
嘘吐きだけど面倒見はいい、でもそれは自分が必要ないと思われるのが怖いからと言う主人公の男の子と、その“まぶだち”二人の、風が吹けば飛んでしまう様な危うさは歯痒くもあり羨ましくもあり。
技術の教師の「え、ええ?な、なにっ?」って受け答えが良かったな。臨場感ありありでドキドキした。
『ソードフィッシュ』@渋谷パンテオン
トラボルタ、ああトラボルタトラボルタ。トラボルタって凄い名字だなあ。トラでボルタですよ。瞳がすんごいアイスブルーで綺麗だなー。でも下膨れちゃんで変な髪型なのなー。それが格好よく見えるのは何故なのだ!二挺拳銃ですよ!マシンガンですよ!映画談義ですよ!いやー…格好いいよ…カーチェイスんとことかもう最高!
爆破シーンは流石で、大画面で観て良かったなと思った。CGも格好いい。ハル・ベリー(ステキ〜)の胸もCGかと思う程美しー。ヒュー・ジャックマンってこんなに格好よかったのね(初見)。つうかスタンリーのハッキングシーンの楽しそうな事!水を得た魚ですよ!活き活きしちゃって!しかもすげー格好よく撮ってるし。「うお、かっこええ!俺もハッカーになるう!」てひとが増えるね(笑)いや実際楽しいだろうしね…。面白さを知ったら寿命縮まっても止めらんないかもな。
ところで最後のとこ、「ジンジャーの死体が見付かってない」ってとこで、違う方向で騙されてしまいましたよ…「え、ひょっとしてジンジャー=ガブリエルだったの?」とか思ってしまってね…最初は「え、ひょっとしてガブリエル=ジンジャーだったの?」だったんですけど。変装にも程があります。CG使っても無理っちゅうねん。でもジンジャー→ガブリエルだったら、ほら着ぐるみとかで何とかなるかなとか…1分後には全部間違いですよと思い知らされましたが。バカにも程がある<自分。
『スナッチ』のビニー・ジョーンズや『トラフィック』のドン・チードル(また捜査官だったねー。今度はFBIだけど)などキャスト的にも楽しめました。ビニー・ジョーンズのブルーアイズも綺麗だよねー。
しかしこういう映画はしばらくは観れなくなるんだろうか。映画だからこそこういうのが観たいものなのにな。『オーシャンズ11』も撮り直ししてるらしいし、どうなるのかな。
『GO』@渋谷東映
主要映画館では16日迄だったが、館を移動してロングランしてくれていたので助かった!
いやもうクドカン最高!演出最高!役者最高!おねえさん涙出ちゃったわ!話が圧倒的に面白い。ハズシのツボも面白い。キャラクターが皆濃くてねえ、おとうちゃんおかあちゃんがファンキー!窪塚くんは走る姿とドロップキック姿(笑)がすんごいのびやかで観てて胸がスッとする。柴咲コウちゃんも美形で裏表がなくて。
主義主張はハッキリある。テーマ的には重い。テーマがデカいとその意味を考え出してしまって話を追う集中力が途切れてしまう事があるのだけど、この作品にはそれがなかった。ストーリーにとにかく力がある。「これからどうなるの?杉原は、桜井はどうするの?」とぐいぐい興味を引っ張っていく。何度も繰り返されるナレーション「これは僕の、恋愛に関する物語だ」。さりげない台詞に深い意味、重みのある振りをして空っぽの言葉、「20円で売ってやる」程度の民族のアイデンティティ。終始ドキドキ、最後は笑顔。
クドカン節小ネタも随所にちりばめてあっておっかしー。「しゃぶしゃぶさせろよー」とか「おばちゃんに角がはえてんだよお!」とか「ヤス、牛乳飲むんだよ!階段落ちすんだから!」とか。くーだーらーねー!(大笑)でも絶対外せないよこれ!
あといろんなとこにニヤリとしちゃう役者さんがちょこちょこ出ていて面白かった。田中哲司さんとか温水洋一さんとか森下能幸さんとか。おかあちゃんに「ヤスだぁ!」と騒がれて「プライベートなんで…」と困り顔の平田満さんとか(笑)お、おもろすぎ。
この行定監督の作品って初めて観たのだけど、テンポがよくって気持ちよかったー。オープニングのキャスト名がガンガン出るとこでもうグッと引きつけられた。
主役ふたりに顕著なように、胸のすく爽快さ、気持ちよさ。快作。
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