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kai
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2001年10月26日(金) ■ |
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山の手事情社『Fairy Tale』 |
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1ヶ月振りの青山円形劇場。山の手公演ではあったものの、脚本は平田オリザ、衣装プランが加納幸和で、青年団やク・ナウカの役者が客演。実質P4の公演と言ってもいい。P4のホームグラウンドとも言える利賀フェスには行った事がないので、これはP4の活動成果としても興味深く観れた。
随分前からこの公演は決まっていたし、チケットを買ったのも9月ド頭。が、ここでも9月11日を境に演じる方も観る方も以前と違った頭で臨んだ所はあると思う。私は初演には行ってないので尚更だ。
明日テロを決行しようとしている革命家達の、最後の打ち合わせ。計画に納得していない者、革命理念はよくわかってないけど何故かやる気満々の者、早く家に帰ってヤリたい者。アジトになっている、普段はいわゆる社会人として生活している夫婦の家には、町内広報誌の編集をしてほしいとお隣さんが上がり込んでくる。リーダーの決断に納得いかない者の意見がひと通り出た所に、当のリーダーがアジトに到着。リーダーはクマのきぐるみを着ている。そうか、このグループのリーダーはクマなんだ…と言うトホホ感。
結局革命して何になるのか?そもそも革命って何なのか?安田さんが演出ノートに書いてる通り、政治目的のテロ行為はユートピア論にもなり、共存が無理なら棲み分けのシステムを考えなければならない。そのシステムが弱者への圧力にならない様にする為には?そんな事は可能なのか?それよりも家に帰ってごはんを作って彼氏を待ってセックスする方が大事じゃないか?そんなふうに論議しているうちに、何が本題かわからなくなっていくイライラ感や、男女のドロドロ感と言うか、直接的な行為は何もないのに(むしろ山の手メソッドでそれを“型”化している)そこはかとないエロさが立ち上がってくるのは、安田雅弘演出の醍醐味だと思う。やっぱり好きだなあ安田さん。鈴木勝秀さんと並んで好きな舞台演出家。
同時に複数の会話が舞台上に成り立つ部分や、無意識にひとを傷つける悪意のない故に罪な言動を意識的に使う手法等は平田オリザのそれだったが、山の手の公演としても面白いものだった。ただ、内容が内容なだけにかなり悶々として観た。明後日のカタログシリーズは毎回楽しい内容なので、これでバランスとれるかな。
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