Desert Beyond
ひさ



 春ありがとう

大学でのアルバイトは石を削るものから
本の引用文献を集める仕事にかわって
パソコンを使って間違いを探したり編集したりで
かなり瞬きが少なくなる。目が疲れる。
明日からはシダ植物の温室の管理もすることになった。
てくてく歩いていってあたたかい温室へ。
温室の中は土の匂いがしたよ。
温室管理の方法を教わるために今日は朝8時半起き。

安い豆腐は豆腐というような豆腐じゃない。
なんというのかなぁ。寒天っぽい固まり方。

かつおのたたきが安かった。
ゆっくり食べたらおなか一杯になるような大きさ。
たった250円だったよ。
いつも行くスーパーマルナカの決算セールなんだって。

スポーツニュースで長嶋が言いこと言ってた。
亀田興毅のリングでのインタビューの映像のあと
僕らはあの個性を殺しちゃいけない、って。
日本の文化って個性とかちょっとはみだしたりするものを
執拗にはじきだしちゃうようなところがある。
のびのびとみんなが頑張れればいいと思う。

なんだか昨日の夜あたりから胸がいたい。
心の問題じゃなくて、心臓あたりがさ。
僕に万が一の事があったら
たぶん誰も気づかずにしばらく経っちゃうんだろうな。
この日記もしばらくあけたことあるし
メールやなんかも返さなかったりするし
ぴたりと音信不通でも不思議に思う人がいない。
唯一学校のお手伝いと家庭教師のアルバイトで
気づいてくれるかどうかだろうなぁ。
一人暮らしってこんなもんなのかな。

浜ちゃんと、って深夜番組で
劇団ひとりと作曲家のキダタローのからみが
本当に面白くて夜中なのに声を出して笑った。
少し心臓が痛かったけどとにかく面白かったよ。

今日は朝からお昼までしっかり働いて
それから家に帰ってきて洗濯をした。
家に帰ってくるときは春を謳歌しようと思って
わざとマスクなんてしなかった。
たくさん春の空気を吸って
新しい優しい始まりの季節を味わった。
予想を裏切ってとくに花粉でつらいことにはならなかった。

昼下がり、ねむぅくなってベッドに横になった。
ベランダに干されたハンガーにかかった洋服は
春とおなじくして優しくゆらゆらと風に揺れていた。
ベッドにねっころがっていたせいで
ぼおっと逆さまにそれをみていた。
となりの施設では子供が遊ぶ声が響いて
遠くからは物干し竿売りなのか石焼き芋売りなのか
小さなスピーカーから流れる抜けた声が
街にふわふわ響いて僕の耳までなんとか届いた。
気持ちのいい春の午後だなぁと思っていたら
いつのまにか僕は寝ていたのだった。

2006年03月08日(水)
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