Desert Beyond
ひさ



 オイミャコン

新年の挨拶もないまま日記を書きはじめてしまう。
なんだか全てがよくわからなくて
原因のわからないもやもやが心を捉えて
余計何をどうしたらいいのかがわからない。

旧年から新年の今までにいただいたメールや
ありがたい手紙、はがきのほとんどに
僕は返事を書いていない。
返事は書かなければいけないんだけど
なんだかどうしていいのかわからない。
だらしなく時間だけが過ぎていって
申し訳ない思いだけが音もたてずに大きくなる。
みんなごめんね。


午前の最後の2時限目と午後の最初の3時限目。
その2つの時間の挟む昼休みは50分だ。
家に帰って食事をしようと思うと
片道20分弱自転車でかかる道のりなので
往復40分近くかかって昼食には10分強しか時間がとれない。
だから最近では朝ごはんをしっかり食べるか
昼休みにパンでも買って食べるかのどちらかだ。

今日はおとといのように、またじゃりじゃりとする砂糖と
味もしないマーガリンの塗ってある
平たく長いパンを買おうかと思って
自転車置き場に向かった。
イアフォンからはスガシカオの軽い毒と哀愁が流れる。
ポケットを探って指先が自転車の鍵に触れた時、
不意に歩いて行こうと思った。
0円の薄い気まぐれ。

非常階段は理学部棟の東についている。
五階までゆっくり昇った。
五階から東を望むと意外と景色が良いから
ここであのパンより美味しそうで買った
たらこのおにぎりを食べる事にした。

流れるスガシカオ。おいしいたらこ。

一様で高く明るめの曇天な日。
向こうの山の斜面の蜜柑畑。道後の温泉街。
さっき行ったサニーマートも見えた。
曇りの日でもサニーマートはサニーマートだ。
大学の角から、いち、にい。2ブロックだ。
薄い気まぐれが薄いわけだ。
キャンパス端にある六階くらいの高さの煙突は
随分と憂鬱そうにじっとしている。
おにぎりをゆっくり食べてウーロン茶を二口飲むと
ちょうどアルバムが一つ終わった。


一日が終わって家に着くと
なんだか疲れてきてしまってすぐに寝ることが多い。
そうすると決まって未明の
誰もが寝静まっているような時間に目を覚ます。
寝ようと思ってももう眠ることができない。
そうして朝まで起きていると
大抵朝の7時頃にはなんだかぼんやりと眠くなる。

ロシアの街で記録された氷点下68度って
いったいどんなだろうって想像しながら短い眠りに落ちる。


2006年01月18日(水)
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